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カテゴリ:日常
今日は鉄工所の手伝いに出られなかった。
前日にとても体力も気力も消耗したから。 昨日、祖母に浴衣を着たところを見せた。 もとい、祖母に着付けてもらった。 夕方からのイベントに間に合うように化粧をして「暇だから早めに行ってもいい?」と訊くと二つ返事で「おいで」と。 余っている時間で、私用に拵えたという着物がどんなものなのか見せてもらった。祖母の説明を受けながらすべて祖母セレクトで揃えられた喪服とその小物や留袖や訪問着に家紋のついた色無地に襦袢に鑑定書までついた金とプラチナの帯。どれも縮緬や友禅の上品で粋な品ばかり。 「自分の何がどの辺に仕舞ってあるかようく覚えとくんだよ。」くうきがこれに袖を通す時は私はもう居ないから困らないようにね、といくつもある桐の箪笥から出し入れされるそれらは、全部祖母から私に遺されるもの。 代わりに祖母は、孫娘の晴れ姿を持って行く。 パリッとした浴衣に袖を通してしゃんと着付けてもらって、髪を纏めて鏡の前で紅引いて、気分も華やいで色気の出たところでおどけて腰を落としてしなを作って踊る私の姿を祖母は相好崩して笑って見ていた。 この光景が、祖母の瞼に残るだろうか。苦痛の顔を見せぬように歯を食いしばって元気な茶目っ気娘を演じた甲斐は、あるだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年07月25日 21時43分46秒
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