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テーマ:障害児と生きる日常(4432)
カテゴリ:仕事のこと3
普段はとっても人懐っこくて、
今日もことばの教室を楽しみにしているようで、 午前中から教室の中を覗いていた。 園庭で遊んでいても、 私の姿を見ると手を振ってくれる。 まあ集中しなくてはいけないときも、 周りが気になってしまうのが彼の特徴である。 課題をこなしているときも、 すぐに話が脱線する。 そのまま話に乗ってしまうと、 とんでもないところに行ってしまうので、 基本的には適当に受け流して、本線に誘導する。 今日は気持ちだけでなく体も脱線する。 母はどうも疲れきっているようだが、 課題にまじめに取り組もうとしない彼を見ると、 「ちゃんとやんなさい。」 「どうしてできないの。」 を連発する。 そのことばに反応して、彼は益々脱線する。 脱線する彼を本線に戻すコツは何よりも、 否定的なことばかけは逆効果である。 ちょっとでもできたところを見逃さず持ち上げながら、 「おっちょっと乗ってきたな。」 と感覚でつかみながら、やり取りを続ける。 「よし、よし…」 と思った途端、母の声が飛ぶ。 一気に崩れる。 「こ、こ、ここまできたのに~。」 もう一人の先生によると私の顔が段々マジになってきていたようだ。 子どもにイライラしたのではなく、 母の声かけにイライラ…。 「頼む、見守っていてくれ…。」 またもや否定的なことばかけについに 「大丈夫ですから。」 とことばを遮ってしまった。 母には悪気はない。 ただせっかく課題をやってもらっているのに、 まじめに取り組まないことに腹が立っているのだ。 私に申し訳ないと思ってくださっているのだ。 自分の経験からも、 子どもに否定的なことばかけをしていいことはない。 返って悪いと思われる行動を助長してしまう。 それは分かっているけど、つい感情的になってしまう。 人間だから、我が子だから当たり前だと思う。 否定的なことばかけをしないが、 脱線は許さない…これが難しい。 私も心がけているが、 子どもたちにはできるだけ誘導的な声かけや、 「~できるかな?」 という問いかけを心がけている。 お気に入りのおもちゃを握り締めて片づけを拒む子には、 「○○箱に入れられるの?すごいね~。」 途端に得意気に箱にしまってくれたりする。 集中力の続かない子や不適切な行動になりがちな子どもには、 できるだけ短いスタンスでできたことを見つけて、 評価するようにしている。 養護学校にいたこともあり、 きっと普通なら見逃しているだろうと思うことも、 すごいと思える。 小さなことでも見逃さないものの見方って、 結構難しい。 私だって「あ!見逃してた!!」ってことまだまだたくさんある。 そして否定的なことばを勧誘や問いかけのことばに変える発想って、 慣れみたいなところあるよなあ。 彼の母も「できるかなあ~」 と不安そうではあったが、 そこは一踏ん張り、小さなところから始めて、 ことばを置き換えるプロになってくれればいいなあ。 そしたら、きっと子どもといい関係を作れるから…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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