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テーマ:障害児と生きる日常(4432)
カテゴリ:仕事のこと3
子どもが障害を持っている…それだけであきらめていることって結構あるんだと、改めて感じるケースが続いた。
一人は来年度就学。 小学校に行きたいのか、養護学校がいいのか。 普通クラスがいいのか、障害児クラスがいいのか。 母も決めかねている…というかわからないという感じ。 療育手帳ももらって、保育所で先生が一人付いているが、 障害を持っていると言う意識はいまいちない。 自閉症と言う診断もあわあわと受け止めている。 障害児クラスの見学へようやく腰を上げ見に行ったが、 クラスの子どもたちの様子を見ながら、 「我が子はここに入るしかないのか…。」 彼らと一緒に勉強することには抵抗を示している。 かといって普通クラスでの勉強を強く望んでいるわけでもない。 人に「障害児クラスがいいですよ。」と言われれば、 「わかりました。」と障害児クラスに入り、 「療育手帳を取った方がいいですよ。」と言われれば、 「わかりました。」と取りに行く。 どこか客観的。 自閉症だから、どこをがんばろうと言う感じでもない。 今まで「のれんに腕押し…」と言う感じであった。 母は我が子に障害がある…といわれた時点で、 魂が抜けてしまったのではないかと思う。 どこかどうにもならない無力感に襲われたのではないか。 ショックすぎて、霧の中を歩く状態になったのではないか。 就学の話をしながら、 障害児クラスに我が子を置くことにどこか納得いっていないように思われた。 がんばって平静を保っているが、目には涙が浮かんでいる。 彼はいわゆる重度の自閉症ではない。 高機能に近い。 しかし母があきらめてしまったことでできる能力が十分引き出されずにいる。 障害児クラスか普通クラスか、白か黒か。 通級というグレーがあることを彼女は考えたこともなかったようだ。 いわれるがままではなく、要求していくことも可能だということを話した。 しかし、これは子どもの今の姿をきちんと理解してこそなのかもしれない。 ******** もう一人。 ダウン症の彼女は再来年度就学。 なのにまだ保育園にも幼稚園にも行っていない。 教室に来て約半年。 当初はことばもほとんどなく、未だ歩行も困難。 しかし、この半年の成長は著しい。 母も身体的にも知的にも遅れを持つ我が子の成長をあきらめていたのだと思う。 教室に訪れるまでも、しばらく月日が必要であった。 教室に来て、やればやるだけ伸びる我が子を見て、 ようやく学習させることの大切さを実感したのだと思う。 あと1年。 保育所への就園を勧めた。 母は「こんな子でも入れてくれるのでしょうか。」と戸惑った。 「入れて欲しい」という前に「きっと入れない」と、 決め込んで行動を起こさなかった。 行動を起こす前にあきらめていること、 まだまだあるように思える。 彼女は人懐こい。 刺激を受ければ受けるほど、めざましく伸びている。 親があきらめてしまうことが、 どんどん可能性を摘み取ってしまう。 しかし、障害があってもあきらめなくていいことを、 知らせることができなかった周りの人間も罪に思える。 親が全て悪いんじゃない。 幸いこの教室に来てくれたから、 情報や方法を教えることができたが、 このようにあきらめている人ってもっともっといっぱいいるような気がする。 障害があるからできない、迷惑かけちゃいけない…と考えて、 どうしたらよいか分からない人がいっぱいいるような気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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