チームプレイと個性
水泳平泳ぎの金メダリスト北島選手は、各分野の専門家によって構成された『チーム北島』を結成し、アテネに挑んだそうです。ひとつの目的に向かって力を結集した良い例と言えそうです。野球の日本チームは技術、チームワークどれを取っても実力は世界一だったと思います。それでも負けてしまうのが野球というゲームですね。近鉄の4番打者、中村選手が送りバントを決めてガッツポーズをしたシーンには感動してしまいました。サヨナラ勝ちにつながったのですからなおさらです。あらゆることから貪欲に学ぼうという姿勢で、金メダルを取れなかったという結果論ですが、あえて考えてみたいと思います。中村選手のバントに感動した同じ私が、一方で違和感を感じていました。たまたまこの送りバントは成功しましたが、日本チームはしばしば、プロ野球のペナントレース中はありえない、中心打者による送りバントがみられました。高校野球顔負けの一塁へのヘッドスライディングもみられました。そして成功率はあまり高いとは言えなかったのです。ハッスルプレーは観るものを感動させます。チームも奮い立つでしょう。しかし、それでも感じた私の違和感。それは一流のプロ野球選手が、チームプレイの名の下に自分の個性を殺して、窮屈に戦っているように見えたからなんですね。一塁へのヘッドスライディングは、ホースプレイ(タッチによるアウトが無いので駆け抜けていい)というルールから言っても、スライディングによるスピードダウンを考慮すればデメリットしかない。というのは散々言われ続けてきたことです。相手のエラーでもあれば、すぐに次の塁が狙える駆け抜けの方が有利に決っているのです。そんなリトルリーグの選手でも知っていることをなぜ?と思いませんか。恐らく選手・コーチ陣全てに、金メダルを取らなければならないという強いプレッシャーがあったんでしょうね。私が外回りの営業で歩き回っていた頃、月も終盤に近づき目標達成が絶望的であればあるるほど、がむしゃらに頑張る姿を見せることを強要された事があります。パフォーマンスですね。自分も上司も、負けはしたが良く頑張ったというマスターベーションをしていたわけです。(正確に言うと、上司は自覚していました。私の進退を守る為に会社上層部に対するパフォーマンスをあえてさせていたのだと思います)一塁へのヘッドスライディ