汗がじっとり。
前日から留守電ボタンが点滅していたがきっとまたFAXだろうと思っていた。だが聞いてみると母からのメッセージがはいっていた。しばらく話していないので心配しているとのこと。『おかしいなぁ。 今までと同じペースで電話をしていたのになあ。』歳をとりわがままになってきたのかしら・・・。ほとんど私から電話をかけるのだが『今、忙しい』とか なんだかんだと理由をつけられすぐに電話を切られてしまう。こんな感じがほとんど毎回なのである。留守電を聞いたあと、とりあえず急いで電話してみた。コールが長く もうすぐ留守電になりそうだと思った時、受話器が上がった。『もしもし』『もしもし?』『もしもしぃ!?』『もしもし?』んっ?おかしい!!!!男性の声がするが 明らかに父ではない。実家に住んでいるのは両親だけである。その両親以外に電話を取るのは時々実家に遊びに来る私の姉かその子供達だけ。短縮ダイアルで名前を確認してからかけたので間違い電話をかけた訳でもないはず。『じゃあ、この人はいったい誰だ?』心当たりのある声ではないかと一生懸命考える。いや、ない。こんな声は聞いたことがない。じゃぁ、誰?なんで名乗らないの?やっぱり間違い電話をしてしまったのか?それとも両親に何かあったのか???いろんなことが頭の中を駆け巡りまず自分の名前を名乗ってみる。『ruceeですけど。』とだけ言って待ってみた。少し間があり『もしもしぃ~、○○の家ですけどぉ~。』向こうも始めて名乗った。やっぱりちゃんと私は実家にかけてるじゃん! 『もしもしぃ~。 rusee? あ~あぁっ!? ruseeかぁっ! あぁぁ~。オッちゃんやぁ。パン屋のオッちゃんやっ! おっちゃん、用事があって来てみたら誰もおらんで 電話鳴ってるからとったんやぁ~。 はっはっは!』『はっはっは!』ですってぇ。『パン屋のオッちゃん』というのは実家から2軒先にあるパン屋さんのおじさんであった。誰なのかということは分かったが『あなたはそこで何をしてるんですか?』と突っ込みたいのを我慢し少し話をして電話を切ったがなんとも後味の悪い電話で全身にしっとりといや~な汗をかいてしまった。数時間後、母に電話を入れてみた。その日はスポーツ大会(グランドゴルフ大会)があり大会後、皆で飲んでいたらしい。母は一度、自宅に帰ったらしいが父の帰りが遅いので迎えに出かけた時にパン屋のオッちゃんが来たらしい。パン屋のオッちゃんと話したことを言うと母もパン屋のおばちゃんから聞いていたらしくびっくりしていた。実は電話に出たパン屋のオッちゃんも飲み会のおかげでベロベロ状態だったらしい。お酒の威力とは凄いものである。