飼い犬に手をかまれる
多くの人と犬と会い 経験豊富な人だからこそ 人の手の優しさを知る犬は噛まないと そんなことは極まれなことだと ブログで断言しているのを見るのは 私にとって それこそ 飼い犬に手を噛まれるようなことだ。 躾を叩くものと信じ犬を扱う人を 私も違うと思う。 褒め育てが、互いにとって良い結果を生むことも 異論はない。 けれど、だからといって 必ずしも 人の手の優しさを知る犬は噛まないと 断言するのは違うと言いたい。 事実、愛されているのに その人以外の全てを 敵に回してしまった犬を知っている。 その自分の行動が どれだけ飼い主を不幸にさせるかなど 考えもなく興奮しきってしまう。 切れる人間のように ひとたびスイッチが入ると 手に負えなくなる。 何が彼を興奮させるのか 何が原因なのか 専門家達もわからない そしてその まれな事実に 一番心を痛めているのは 人の手のぬくもりをずっと教えてきた その人であり周囲の人達だ。 噛む犬がやさしさを教えられなかったわけじゃない。 周囲がそうやって 噛む犬は間違って育てられたように言えば言うほど 自分の育て方はなんだったんだろうと 悩み抜くのだ。 躾で決まるのでなく 環境で決まるのでなく 遺伝子で決まるわけでもない 飼い犬に手を噛まれるのは 裏切られる、という意味じゃない。 思いがけず、裏切られたような気持ちになり 悲しみのどん底に突き落とされる と、いう意味だ。 それだけ信じていた、という。 何で出来事にそういちいち 理屈をつけたがるんだ? ニュース番組を見て横でつぶやいていた言葉を思い出した。参)楽天の辞書 かいいぬ かひ― 0 1 【飼(い)犬】 人が飼っている犬。 ――に手をかまれる ふだん目をかけていた者から思いがけず、害を受けること。