テーマ:TVで観た映画(3913)
カテゴリ:洋画 ドラマ
見よう、見ようと思って見逃していた映画。とうと先にテレビ放映されちゃいました。 ティム・バートン×ジョニー・デップ。 ワタシはストーリーよりも幻想的な色使いに心惹かれる。 ストーリーやいつもの映画評価は、もうすでにいろんな方が取り上げているので レビューしませんが、想像通り「ちょっと毒のある大人のおとぎ話」として 素敵に仕上がっていました。 物語の始まりは、ティム・バートンお得意の「白」「黒」「灰色」の モノトーンの世界。 チャーリーがゴールデンチケットを引き当てて、工場内に入るところまでは 暗い寒い、でも家族と一緒にいるときには、ろうそくのともし火くらいの明るさがある、 そんな生活。 チョコレート工場の入り口の歓迎のギミックは色とりどりではあるものの、 ドアを開けて中に入ると一面、赤、緑、青の原色の世界。 うわぁ~。ティム・バートンの世界だぁ これだけでなんかわくわくしてくる。 モノトーンの世界から原色の世界へ。 色使いで「非現実的な世界」を簡単に表し、その対比は子どもでもわかる。 色使いがとてもうまい監督です。ほんとに。 ストーリーは子どもはもちろん楽しめますが、大人は大人で「くすっ」と 笑えるようなアイロニー満載。 どの世代でも楽しめる、窓口の広い映画だなぁ。 おとぎ話という体裁は保っているものの、子どもにとっては 「自分のためだけにわがままになってはいけません。」という教訓を与えつつ、 大人にとっては「親はどんなに子どもがわがままであったり生意気であっても かわいいもの。」 と、訴えかけている。 原作ではなかったそうですが、工場長のウィリー・ウォンカーの子供時代の エピソードと父親と打ち解けあうところは、よくもこれだけ短い時間の中に 詰め込めたものだなぁ。と感心しました。 あっという間の約2時間。 久々に「おうちで観ていても飽きない映画」に出会いました。 ラストはちょっと「?」だったのだけど。 以下、ラストシーンのネタバレです。 まだ観ていない方のために隠します。 見る場合は「Ctr+A」で反転してくださいな。 ラストでチャーリーは工場をもらうことになるけど、家族と一緒に住むがために 工場内におうちを異動させちゃうってどうよ? おとぎ話の最後としては「めでたし。めでたし。」なんだろうけど、 家族と一緒とはいえ、外界とは断絶された世界に住むって、それって 幸せなこと? と思ってしまった。 歯磨き工場からレイオフされたチャーリーのパパさんは、再就職のクチを見つけた とのことだから、完全に断絶されたわけではないようだけど、 ティム・バートンの今までの仕掛け方からすると、裏のストーリーでもっと 何か、毒のある展開があるのでは・・・?と思うのは、私だけでしょうか!? 「グリム童話」が本当はとても残酷な小さなエピソードがあったように、 何か皮肉的な展開や残酷さがありそうで素直に「めでたし。めでたし。」と 終われないような、なんともいえない違和感が生じてしまいました・・・。 何はともあれ、映像の美しさとミュージカルチックな音楽、 大人になってしまったけど、心は子どものままで、父とは?家族とは?と 影では苦悶する複雑怪奇なウィリー・ウォンカーを演じきったジョニー。 そして「キモカワイイ」の限界を超えたウンパ・ルンパ達。 最後まで飽きさせない映画でした。 同じように色彩をうまく扱う監督で、ワタシが好きなのは 「世界でいちばん不運で幸せな私」を監督したヤン・サミュエル。 こちらはとっても難解な映画で賛否両論なんだけど、モノトーン+原色で 違う世界を表現するティム・バートンと異なり、こちらは原色のグラデーション をうまく使う監督さんです。 こちらもぜひ観てみてくださいな。 以前、書いたレビューはこちらです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[洋画 ドラマ] カテゴリの最新記事
|
|