海と真珠

名古屋では半年ごとにかかりつけの歯医者さんで、定期健診を受けていた。
新しい土地でも、かかりつけの歯医者さんは絶対につくりたい。
50代も後半となれば、口腔ケアを疎かにすれば歯を失うリスクは高まる。

実母はヘビースモーカーで、健康など全く興味のない人だった。
55才で亡くなったが、40代後半でもう部分入れ歯だった。
それはやっぱり避けたい。

ちょうど引っ越してきた時、新居のすぐ目と鼻の先で何やら工事をしていた。
どうやら新しい歯科医院ができるらしい。
これも何かのご縁。開院したらそこに行こうと心に決めて、Webで予約
を取って今朝行ってきた。

まだ真新しい院内は綺麗で清潔感があり、先生は穏やかで優しい人
だった。ちなみに名古屋の先生は、声が大きくて説明もはっきりと
明朗でわかりやすくて。若い時は体育会系かなぁ？という印象の、元気
いっぱいの人だった。何より有難いのは、今ある歯をできるだけ保存して
残そうという方針だった事。抜く必要のない歯は抜きたくない。
今度の先生もそうだと嬉しい。

幸い今日の先生も、そんな印象。今は大きな問題は無いということで、
そのまま歯石と着色部分をきれいにしてもらって終了。
ここの病院は検診は3か月おき、が推奨らしい。
こまめに診てもらえるなら、それに異存もない。

80歳まで20以上の歯を残そう、という8020運動は段々周知されてきて
いる。職場の後輩は義理のご両親と2世帯同居しているが、ある日家族旅行
の準備をしていると階下からお姑さんの悲鳴が聞こえてきた。

旅行の準備を娘さん達に任せてお姑さんの下に駆け付けると、お舅さんが
道端で倒れているのを発見されて救急病院で運ばれたと電話があったらしい。
急いで車で、お姑さんと救急病院に向かった。
病院では、お舅さんがどうも酔っぱらって側溝にはまっていたようです、と
看護師さん達から説明があったそうで。

「そういえば、友達のところに飲みに行くと言っていたわ！」
と激高するお姑さん。その帰り道に酔っぱらって側溝に落ちてしまった
らしい。

するとお舅さんも気がついて、ご機嫌でニカっと笑いながら2人に
手を振ってきた。後輩とお姑さんは、そこで叫び声を上げた。
「おじいちゃん、前歯どうしたの！！」
お舅さんの口の中は血だらけで、上下の前歯4本が無くなっていた。
お姑さんがまたもや悲鳴を上げる。
「あなた、一昨日市から8020運動で表彰されたばかりでしょうっ！」

後輩はお姑さんを宥めつつ、「何でよりによって家族旅行に行く日に
この騒ぎだよ」とげんなりしたそうな。せっかく80才まで1本も
歯が欠けなかったのに、勿体ない事である。その後後輩は遅くなった
ものの無事家族旅行に出発し、仕事が終わってから合流したご主人に
「うちの親が迷惑かけてすまん」と平謝りされたそうな。

お舅さんはしばらくの間、お姑さんから飲みに行くことを許してもら
えなかったらしい。無くなった前歯4本は今やきれいに入れ歯か
差し歯になったそうだ。

私も心して、虫歯・歯周病・そして転倒には気をつけよう。





先日アフタヌーンティーで保冷バッグを買った時、大好きな
ピーターラビットのディッシュクロスも一緒に購入した。
可愛すぎて今は使える気がしないので、少しの間大事に眺めておこう。


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