Unfolding

　人の体質はそれぞれで、予防接種についてもそうだと思う。

私の母は、職場の性質上、毎年冬にインフルエンザワクチンの接種を受けることがデフォルトになっていた。しかし、困ったことがあった。

ワクチン接種の後に必ずインフルエンザにかかるのである。
一度なら偶然かもしれない。しかしそれが2度、3度と続くと・・・
「受けないほうがいいんじゃないの？」と考えるようになる。
ちゃんと病院に行ってウイルスが検出されてインフルエンザと診断書に書いてもらっていたので、プラシーボ効果ではない。
結局、ワクチンを打つと必ずインフルエンザにかかるからという理由で、母は予防接種を打つのをやめた。

これだけだと、「インフルエンザウイルスへの免疫力が普通の人より弱いのでは？」
という話になっちゃうけれども、不思議なことに、ワクチンを打っていない年には、満員電車で通勤していても、インフルエンザで学級閉鎖直前の学校で熱出した子を家に帰らせる面倒見ていたりしていても、新卒～定年後の非常勤をやめるまでの約40年間、一度もインフルエンザにかからなかったのである。

奇人変人の類をもって人間一般を論じることは厳に慎まなければならないが、そういう人がいるということも、また確かなのだ。





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