魔法界ですっかり意気消沈した…
いやいや、マグルの限界を知ったひいちゃんたちは、
そそくさと人間界へ戻ることに。
グズグズしてたら『進撃の巨人』の体験時間に遅れるでぇ。
これまた、昨日ヘビロテでアニメ見倒して予習したもんね。
「調査兵団の一員として
アルミン先導のもと、
『進撃の巨人』の世界を体感する」アトラクション、らしい。
あの世界がリアルに再現されとるとなると、
よっぽど気合い入れて臨まんとイカンなぁ。
えげつない展開とかあるんかなぁ。
ひいさま、大丈夫かなぁ…
アカン、ドキドキしてきた…
薄暗い部屋に通されて待つことしばし。
おっ、ついに出てきたで、調査兵団のマントをまとったクルーのオネエサン…
オネエサン… と言うには、ちょっとトウが立ちすぎとる…
どない見ても、近所のオバチャンがパーマ屋のケープ巻いとるようにしか見えん。
宝塚の男役みたいな声でアニメさながらのセリフ吐いても、
そのテイで感情移入してください、っちゅう方が無理やろ。。。
正面のモニターにアルミンのアップが映し出されるや、
きゃああああああ～ッ、アルミン様ぁ～～～ッッッ!!!
若い女の子ら、一斉に絶叫。
となりの女子高生なんか、涙ぐんどるで。
ただのアニメやっちゅうのに…
いっしょになってキャーできないひいちゃん、耐えがたいアウエー感。
いよいよ扉が開いて、巨人の世界へ突入や！
手すりの付いた通路の前に、一面のスクリーン。
そこに映し出されるのは、昨日見たばっかりのアニメのダイジェスト版。
・・・まぁエエわ、これは前菜みたいなもんやろ。
これでだいたいを把握して、あとで衝撃の世界を体感するんやな。
・・・が。
次の部屋も、同じ仕様。アニメ見とるだけ。
そしてまさかの、その次の部屋も…
・・・なんやねん、コレ。
エエ加減ヘキエキとしとったら、最後の最後、
照明を落とした薄暗い部屋に、超リアルなマネキン３体！
おお、コレが、こないだ朝の情報番組で紹介しとったアレやな！
世界最高の人類再生技術によって作られたというクロノイド！
さすが、コレはリアルやなぁ。
え、ホンモンやろ！？
もうちょっとしたら、動き出すんちゃうん？
…そんなワケないやろ、ダーリン。
リビングスタチューやあるまいし。
ほれ、投げ銭入れる箱もあらへん。
照明が一段と暗くなって、
アルミン、リヴァイ兵長、ミサカ
３体のクロノイドの会話がスピーカーから流れる。
きたできたで、いよいよ女型の巨人捕獲作戦が
このステージで繰り広げられるんやなッ！
と、思った瞬間。
一気に部屋が明るくなり、出口の扉が開いた。
そして、さきほどの『ただ今パーマ中オバチャン』が現れ、
オマエたちがここにいられるのはあと３分間だ！
高らかに宣言。
・・・はぁ！？
と、
きゃあああああ～ッッッ!!!
女の子らが、マネキンの前に群がり、大撮影会！
まさかの、コレが、メインイベント・・・
巨人の世界も、魔法界と変わらんくらい不可解なところやった。
もうちょっとつづく
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