セイヤのblog

先週、異常な円高に対しての野田財務相の安易な発言が非難された。

その後に為替介入への可能性を示唆する発言に変わったのだが、自

国内での金融緩和策等の金融面での対策に留まり、円売りドル買い

の直接介入する気配は今のところ無い。

ドル買いは将来の日本国の負債を増やす行為でもあるのだが、常識

的に考えれば現在のレートは介入すべきレベルに達している。

手を拱く日本政府の弱腰姿勢を揶揄する意見もあるが、現実は「動

けない」というのが本当だろう。

今に始まった事では無いが、日本国政府は米国の意向に反する政策

はとれない。米国の暗黙の圧力を汲み取れる事が日本の政権担当

者の大事な資質となっている。

単独介入などありえない選択肢なのだろう。

オバマは米国の輸出を倍増すると言った。

財政破綻が続くEU各国も円高は望むところだと思う。

円高が日本以外の全ての国家にとって歓迎すべき事態となっており、

円高の積極的容認という方向が国際社会の趨勢となりつつあるのだろ

う。蛇足だがスイスフランも対ユーロで異常に上がっている。スイス

政府もEU諸国の状況を慮ってジレンマの中で積極介入の発言を撤回

し、日本国の立場と重なる部分もあるのだが「国際社会での国家の存

在価値」としては歴史的背景も在り雲泥の差がある。

世界中が挙って「日本の一人負け」を望んでいるというのは言い過ぎ

だろうか。

日本の財政赤字が自国資産で処理できるレベルである事は周知の事実

だ。日本が破綻しても他国への影響は少ないのだから安心して遠慮無

く円高圧力をかけ続けてくるだろう。

停滞されては困る大市場を持つ中国の元と比べると、中国政府による

元安介入を諸外国が黙認している現状と相反するコントラストを成し

ている。

円高で日本の経済基盤を空洞化し、輸入超過で保有資産を吐き出させ

た後で一気に大幅な円安に誘導すれば日本など一発で吹っ飛んでしま

うだろう。

円高が避けられないなら、政府が日本企業を支援して外国企業を積極

的にM＆Aしたり将来を見据えた対策は幾らでもあると思う。

日本国政府には腰を据えた対策を望みたいのだが、現在の有様では絶

望的な観測しか生まれてこないのは全く不幸だとしかいい様が無く、

日本人として情けなく思う。