テーマ:政治について(20207)
カテゴリ:政治
イスラム教国家群の中で、イスラエルを承認していた国家であったチュ ニジアの革命に続いて、やはりイスラエルと和平合意が結ばれている親 米国エジプトでの反体制運動の激化に、ある種の作為的な流れを感じる。 一党独裁体制から市民による民主化運動という表面上の流れは自然であ り、ネット普及に伴い情報格差が是正された事での民主化の流れは止め ようが無いのだろうが、現在のイスラム諸国での民主化の先にあるもの が、西側諸国が考えている様な明るい民主化のイメージとは違うという 認識は大事だろうと思う。
宗教だけに限らないのだが、世界では閉塞的な状況の中であらゆる「原 理主義」の台頭が懸念されている。イスラム教国家群でも「イスラム原 理主義」が力を持ち始めている事が諸々の事件を絡めて報道される事が 多くなった。 エジプトでもムバラクが倒れれば、反体制の最大勢力であるイスラム原 理主義の集団が中枢を占める事になるのだろう。原理主義勢力を背景に したイスラム諸国連合によるイスラエル包囲網とスエズ運河の実効支配 という図式は何となく見えてくる。 その中核にいるのはイランだろうか? イスラエルは国家の危機を感じて「懸念を表明」している。
私は中東問題では反イスラエルでイスラム諸国寄りの発言をする事が多 いのだが、それでも今回のチュニジアやエジプトでの出来事で、日本の 世論やマスコミが単純に「民主化万歳」的な発言だけを繰り返す事にハ ラハラしている。 イスラム原理主義の浸透がイスラム教徒にとって幸福ならそれはそれで 好いのだが、それは西側諸国にとってのイメージである「民主的」なも のに対しての火種になる可能性を秘めている事は認識しておかなければ いけないだろう。 現在の中東情勢は非常に危険だ。
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