テーマ:政治について(20207)
カテゴリ:経済
我が国の来年度の予算案が決まった 予算規模は前年度を下回ったが、国債依存度は過去最高となっている。 これで3年連続で国債発行額が税収を上回った。 大震災もあり、自民政権時代からの積み重なったものへの対処もあるの で現政権ばかり責められないが正直(終わってる)というのが印象だ。 一般会計総額90兆3339億円の内、44兆2440億円が国債発行で賄われ る。そして此処から国債償還費(借金返済)に21兆9442億円が支払わ れる。自転車操業などという生易しい状況では無い。 国債残高(国債の累積債務)だけで700兆円を超えたという。 常識的には完全に破綻状態だ。 日本国債の外国人保有比率は上がって来ているが、それでも日本人が 91%強を持っている。 其れをして楽観論を述べている評論家が居るが論外だと思う。 国民貯蓄率が高く、それが高齢者に偏っている事での「資金の流動性 が異常に低いという日本独特の国情」のおかげで辛うじて国家の体裁 を保っているだけなのだ。 国債先物市場とCDS(クレジット・デフォルト・スワップ債)の規模 と影響を鑑みれば現物市場だけに限った楽観論など取るに足らない。
我が国の財政と借金規模だと長期国債金利が2%になると財政破綻する と言われている。 現在長期国債金利は1%前後で推移しているが、デフォルト(債務不履 行)が現実味をもって迫っている様に思う。 欧米の主要国の国債格付けが一斉に下げられる気配で、日本の国債も自 国の格付け会社にまで下げられた。 世界規模で国債金利の上昇は避けられない状況となっている。 EUは其の存在自体が問われ、日米がこの有様ではIMFも充分に機能しな いだろう。 世界同時恐慌は既に始まっている。
仕事先や家族で話をしていると国債と自分の生活との関わりに今一つピ ンと来ない人が多い様だ。 ザックリ言えば国債の金利が上昇すれば、国の資金調達の為のコストが 上がり、国の赤字が増えるという事だ。 国債購入資金には金融機関を通じ我々国民の預貯金があてられている。 個人向け国債を持っていない日本国民も間接的保有者なのだという認識 は大事だろう 利回りが上がればリターンがあると期待したいところなのだが、現実は 債務不履行となり金融機関が破綻して我々の大切な預貯金の大半が消失 する事になる。 卑近ではアジア通貨危機の余波を受けて1998年にデフォルトしたロシ アで国民の預貯金が実質3分の1に目減りしたと聞いている。
国家予算と「我が家の家計」の連動性を実感出来れば、現在の消費税論 議も違った形で聞こえて来るのではないだろうか。 この場に及んでの、即効性のある政策や成長戦略などありはしないのだ。 「耐乏への覚悟」を携えて地道に負の遺産を整理して行く以外に道は無い。
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最終更新日
2011.12.25 05:02:38
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