セイヤのblog

昨年の暮れから正月にかけても日本の先行きに関する討論番組が随分と

放送されましたが、あまりの課題の多さに論議が拡散してしまう傾向は

毎度の事。無限に繰り返される分析と決定に至らぬ論議・・・

共感を得る為だけの自己正当性を話し合うのは日本人好み？？？

政府もそれを断じる国民も対して変わらないという事なのでしょう。

論点を強制的に分かち書きにして、乱暴に断じてしまいます。


１） 円高

現在、米国もEU諸国も、他の殆どの国も自国通貨のレートが上がる事

を望んでいない。

円高は世界の要請であり、日本国の衰退は他国の希望とも言えます。

独自の円高是正など不可能だと覚悟した方が良い。

下手な単独為替介入など傷を大きくするだけなので放っておくのが肝

要。「神の見えざる手」などフィクションで、上がるところまで上が

れば下がってくるだけの事なのです。

日本が出来る事は円高による不利益をヘッジして、円高のメリットを

最大限に得る事だけです。

それが出来なければ円安に振れた時に、円高で体力を失った日本は自

壊するだけ・・・


２） TPP

これを外圧と捉えるのは愚かとしか言い様がない。

「日本国（日本人）自体の問題なのだ」という認識からスタートしな

ければいけません。

海外投資という円高メリットを最大限にする為にも参加は必然です。

TPP参加によるデメリットだけをネガティブに各論で語りたければ、何

時までも永遠に語っていやがれ！という感じですが、それはユックリ

とした自滅への道の選択だと覚悟しておくべきです。


３）官僚主導是正

非難している政治家も国民も、官僚主導の仕組みを理解出来ていない

が故に話が進展しない印象を受けます。国会で成立する法案が100％と

は言わないまでも、其の殆どが「官僚の手助けを伴わない議員立法」

になれば官僚は単なる有能な執行官と化すのです
。
本来、憲法上では内閣立案（実質官僚立案）は例外規定であり、議員

立法が本道です。

これは国会以外の権力が三権分立の立法を侵さない様に規定されたも

ののハズですが、現実は行政官（官僚）がお手盛り立法で国会の機能

を麻痺させ、国民の利益を喪失させているのです。これが官僚主導の

実態です。

つまりは政治家の能力不足、政党の能力不足が最大の原因であり、当

然官僚を使いこなす力など最初から無いのです。

残念ながら特効薬はありそうもありません。

極めて有能な政治家が急に大挙して出てくるのを待つか、官僚自体が

改心して、真に国民国家に奉仕する存在になってくれる事を祈るだけ

です。


４） 年金

賦課方式から積立方式にする以外に何かありますか？と聞きたい。

それから、富の集中している高齢者世代に一律に年金を支給する等と

いう世代間格差を助長する馬鹿げた制度も直ぐに改めるべきだ。

億の資産を持つ老人を何故年収200万円の青年が支えなければならな

いのだ。　　高齢者イコール全てが弱者ではない。


５） 雇用・空洞化

企業は生き残る為にどんどん海外へ出ていく。

まだまだ現在より空洞化は進むし、失業率は高くなります。

しかし、指を銜えて放っておいては只出ていくだけの事。

進む海外投資での空洞化は不可避だと覚悟して、その利益を国内に還

流する合理的なシステムを作るしか無いと考えます。

日本の様な大国を海外投資の還流分だけで賄うのは無理ですが、大き

な雇用を生む国内製造業は途上国製品に殆ど潰されてしまうでしょう。

「物造り日本」の幻想は捨てた方が良い。

日本でしか作れないハイクオリティーな製品は確かに在りますが、

一億人以上の国民を養える程にマスは大きくはないのです。

未だに正規雇用に拘る論調も多いですが、それが世代間格差を生み経

済の停滞の原因となっている現実も観て欲しいと考えます。

日本人は低賃金で仕事をシェアしあう時代に既に突入しています。

必要なのは空洞化・マイナス成長・低雇用を前提の政策なのです。


６） 成長戦略

言うのは簡単ですが、国には経済成長戦略など作れません。

ばら撒く原資ももう底を尽きました。

逆に、国が民間の成長を妨げない様に「許可規定社会」から「禁止規

定社会」への変革の為の法整備をしなければならないのですが、此れ

はかなり期待薄ですし、出来たとしても途方もない時間が掛かかる・

民間企業は私営利追求が原則ですが、愛国的企業倫理に期待しましょ

う。


７） 消費税

この国は選挙しか頭に無い馬鹿な政治家のおかげで「好景気で増税」

「不況で減税」という当然のサイクルを実践出来ませんでした。それ

を考えると現在の不況下での消費税率UPは愚かに思うだろうし実際そ

うなのですが、もう10年以上不況下にあり国家財政も最悪です。

私は不本意ながら国際マーケットの信任を得る為にも消費税UPは必然

だという立場をとりたいと考えます。

増税後には税収が落ちるでしょうが、結局は戻り・上がって現在に至

っているのです。


８） 小さな国家・大きな国家

馬鹿馬鹿し過ぎる論議で涙が出る・・・

多きかろうが、小さかろうが、政治が機能しない我が国では拙速で不毛

な論議です。


９） 議員定数是正

まず、国会議員の給与を半分にする事。

これは国会議員が本気なら直ぐに出来ます。

議員数が減る事には原則として反対したいと思います。

地方議員は日当制にしてボランティアを組み合わせる制度にしなければ

いけません。


１０）原発

原子力の可能性は別にして、日本での原発はもう無理ですよ。

スピードをもって本命のガスエネルギーと、補助的に再生可能エネル

ギーへ資金と頭脳を回すべきです。

ただ、脱原発の方向に向かっても、原子力技術そのものは捨ててはい

けない！

日本以外では今後も原発は乱立するし、放射性廃棄物処理という大問

題が残ります。

田原総一郎氏の受け売りですが、福島に放射性廃棄物処理研究の為の

世界機関を設立しましょう。それなら帰還困難な汚染地域さえ有効利

用出来ます。


各討論会での論点はこれくらいだったかな・・・

書きたいこと書いてサッパリしました^^;

現状では如何にもこうにも成ら無い、絶望的な状況の論点もあります

が、希望は捨てずに活路を求めつづけましょう。

たとえ国家が経済破綻したとしても、我々はこの国で生き続けなけれ

ばならないのですから・・・