テーマ:政治について(20207)
カテゴリ:経済
築地の中央卸売市場で初競りがあり、青森県大間産クロマグロが1億5540万円で落札されたニュースが話題になっている。寿司チェーン「すしざんまい」を経営する喜代村の木村清社長が自ら落札したものだ。実はこの初競りは香港系の寿司チェーン「板前寿司」が2011年まで4年連続で最高値で落札しているのだが、今回の落札価格は昨年の約3倍となっている。
例によって「幾ら何でもやり過ぎだ!」というネガティブな意見も多い様だが、私は素直に木村社長の心意気に賛辞を贈りたいと思う。実態はともかく、停滞していた日本経済に幾ばくかの光明が見えてきた現在、それを加速する様な年初頭の今回の話題は、競合相手が香港資本であったという事も含めて大きな意味を持っていると思う。 どんなご立派な経済政策でも、経済主体(この場合は生産者・消費者)の期待を織り込めなければ効果は期待出来ない。したり顔で「景気は気だから!」などとのたまう輩には閉口するが、この言葉は真実も語っている。カラ元気でも「何とかなりそうだ」と皆で顔を上げて働き始めれば、金と人の流動性は増していく。今のところは全くの「景気は気」の段階で放っておけば萎んでしまうが、此処に安倍政権が現実的な施策をもって加担すれば追い風は増していく事になるだろうし、それを期待したいと思う。 私は「どマクロ的」であるアベノミクスを長期的には危ないものであると書いて来たし、現在もそう成る確率は高いと思っている。しかし、だからと言って停滞する現在の経済状況に特効薬など無く、「長期的観測結果」を待つ事無く疲弊しきってしまっては元も子もない。財政出動を嫌うミクロ的でテクニカルな経済論は正論であり「修正」や「改善」には有効だが、大衆を率いて大きな流れを作る事は不可能なのだろうという思いに達した。 キルケゴールは「可能性だ、可能性を持ってこい」と言った。 人間が「可能性」という期待で動くものである事は大凡間違い無い様で、であれば指導者がとるべき行動は自ずと知れて来る。 そして、その「結果」が如何であろうと、「結果」というものが何があっても生き続けるしかない人間にとっては「或る一時期」を切り取った「状況」でしか無い事であると我々も覚悟しなければいけないのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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