テーマ:徒然日記(23462)
カテゴリ:科学
Newton11月号の「重力」の言葉に惹かれて立ち読みしていたら別ページに「量子テレポーテーション」という誘惑的な単語を見つけて即効購入してしまった。
テレポーテーション?・・・SFでは瞬間移動を指す単語ですが、量子という単語が頭につくからには「物質を素粒子の状態にして空間をワープして別の場所で再生する」という様な、実現は不可能としても理論の可能性でも書いてあるのかな?とワクワクして家に帰って読んでみたら・・・ 私の早とちりで量子コンピューターに関しての記事でした^^; ですが、ポピュラーサイエンスファンにとっては大変興味深い記事でした。 不確定性原理の支配を受ける物質の量子情報(速度や位置)は送り手と受信側が同時に同じ情報を持つ事が出来ません。同じ量子の位置と速度が同時に決定出来ないという性質上、通常の「通信」という概念が該当しない・・・と思っていたら、通常の通信技術に量子の特性を逆手に取った応用を加えて情報をテレポーテーションさせる事は可能であり、今回の東大研究グループの手法はその成功確率を100倍に上げて量子コンピュータ実現へ大きく前進した、、、という記事内容なのだと私なりに理解しました。 Newtonは難解な内容を一般読者が「解った様な気分」にさせるのが非常に上手いのですが、此れにはいま一つイメージがおっつかない。何となくネット等の通信技術でも利用されている暗号システムの仕組みに似ている様な印象も受けましたが、漠然と量子論の表層をなぞるだけの私には此の技術が物理的に検証出来たという根拠が理解出来ず、「重ね合わせ状態」に干渉させるという光量子ビットも不確定性原理の支配下にあるのに何故?という疑問だけが残りました。 興味深く面白そうな記事でしたが門外漢には一般論さえ理解不能の超越レベルの技術の様で、ただただ期待し注目し話題にする事で可能性への後押しを出来たらいいなと考えた次第^^; 量子コンピューターという単語は科学に興味の無い人でも、将棋やチェスの愛好家なら聞いた事があるかもしれません。現在私達が使っているノイマン型と言われているPCでも並列処理する事でチェスの世界チャンピオンを破り、将棋でもトップクラスの棋士とほぼ互角の能力にあります。将棋連盟ではトップ棋士達に電脳との対決を自粛するようにとの通達がある程らしい。ノイマン型の性能はチップの集積率に依存しますが、集積率を極限まで高めていくと皮肉な事に量子論的限界が現れます。非ノイマン型の量子コンピューターが実現されれば並列処理能力はノイマン型の数千倍とも言われ、現在のスパコンでも千年掛かる計算を瞬時に処理してしまうそうです。 電脳VS人間の戦いは此処で完全に終止符が打たれるだろうと考えられています。 量子コンピュータの超絶な能力が「神の一手」で将棋や囲碁の世界を終わらせる可能性に寂しいものも感じますし、「暗号の無効化」といった人間社会の「信用の消滅」も危惧されている様ですが、それ以上に画期的なイノベーションが人類の行き詰まりを救う可能性への期待の方が大きい。政治も経済学も哲学も宗教も、結局は「人類の幸福」を最適化する事が出来ていませんし、実際その力は無いのでしょう。想定外のイノベーションにより「人間の在り様」自体が変えられてしまうという前提が如何しても必要なのだと考えます。 誤解を恐れずにシンプル化すれば「人類の未来における幸福や不幸は、全て科学者とその技術的進歩に掛かっている。」と言い切ってもいいのかなと思っています。 量子コンピューターは其の為に如何しても実現しなければいけないものなのでしょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.10.05 13:29:03
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