テーマ:徒然日記(23462)
カテゴリ:科学
・・・ドラマ「相棒」の中での話ですけどね^^;
一昨日放送の「相棒」は、数学上での未解決問題であるリーマン予想の証明に成功した天才数学者が其の勢い?で「素数の全貌解明」をしてしまった事から起きた殺人事件という内容でした。 天才数学者は、「素数の全貌解明」の理論を強引に公開しようとした彼の友人を誤って殺してしまいます。友人は理論を盗もうとした訳では無いのですが、善良なる天才数学者は「素数の全貌解明」が暗号社会である現代社会を破壊してしまう事を恐れて公開を拒んだ末の犯行であり、なんとその後で天才数学者は自らその理論が書かれた論文を燃やして人類の平和を守ります。数学者の良心が生んだ殺人事件という設定のドラマだったのでしょうが・・・なんか変だぞ・・・ 「素数の全貌を解明」というのは、おそらく近似に頼らず無限個に対応する完全無欠の素数定理だと思いますが、現在の暗号技術は鍵の役目をする素数より其の後の天文学的な計算量に頼っているそうなので量子コンピュータが実現するまでは安心の様です。リーマン予想も随分と舐められた扱い?をされていますが、証明されずともリーマン予想は正しいという前提で研究が進んでいるそうなので、証明されれば間違いなく人類の偉業である事は間違い無いのですが、其の効用は大部分が現在の素数研究の「認証」となる様です。 天才数学者は自分の将来を失っただけでなく、リーマン予想証明で得るハズだった100万ドルと、フィールズ賞と、ノーベル賞と、大切な友人を無駄に失ってしまった様です^^ しかし、ドラマとしては「素数」を題材にしたのは面白い試みで上手いなと思います。数学の知識は無くとも、素数とか虚数といった数字の持つ不可思議で幽玄なイメージがドラマに格調を齎す作用を作者は良く知っています。 理数系の人の「素数」への拘りは、一般人のイメージ的嗜好とは別格のものがあるなと感じる事が多いですね。私は学生時代に数学は嫌いな科目では無かったのですが、「素数」は1と自分以外に約数を持たないという性質を知る以外に興味は持てなかった。実は50歳を過ぎて数学をやり直している現在でも「イメージ的嗜好」以上ではありません。 「素数」は如何してこれ程に「数字を識る者達」の心を捉えるのだろう? 自分が身を委ねる自然科学への信奉からだろうか? アインシュタインが言った「神はサイコロを振らない」世界が其処に間違いなく存在する事を確信するからだろうか? それともプッチ神父の様に素数を数えているだけで落ち着くからだろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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