テーマ:徒然日記(23454)
カテゴリ:思想
本居宣長研究ノート「大和心とは」
丸山眞夫が生誕100年という事で、ネットで色々と検索している内に(丸山眞夫→柄谷行人→小林秀雄→本居宣長)という経路で此の素敵なサイトに辿り着く事が出来ました。サイト主の海彦氏は在野の宣長研究者との事ですが、一度当サイトをご覧になれば解ると思いますが、その内容と文章から豊かな教養と知性を感じられる事でしょう。 まだ一通り拝見しただけですが、それだけで現在の私は「この歳になるまで宣長の価値を見逃していた事は痛恨の極み」と感じています。 記事の表題は読後の私の持った感想であります。 本居宣長が江戸時代の国学者である事と小林秀雄著の「本居宣長」が大きく話題になった事位の知識はあったのですが、「国学者」という肩書への偏見が私の興味を此れまでに惹かせなかったのは確かだと思われます。私は歴史も好きで歴史小説も以前は良く読んでいたのですが、朱子学や陽明学といった輸入儒学や仏教の影響を受けた著名な人物は直ぐに頭に浮かびますが、国学となるとトンと適いません。 此れは国学が持つ「復古主義的イメージ」が日本の進化を停滞させるものと感じさせ、一部の民族主義的右翼思想とも重なるネガティブな印象が一般化されているが故の事だと思われます。また、小林秀雄は未読なのですが、海彦氏の様に国学における古典や其の思想を、近代・現代と比較しうる解り易さで解説・解読してくれている例を他に見ない事も大きな原因でしょう。 私の思考は西洋思想に大きく傾斜している事は自覚していて、近代的主体や自我を「日本人」に適用してその通弊度を図る事が頻なのですが、海彦氏は西洋思想にも造詣が深い方の様です。 カントやウィトゲンシュタイン、ニーチェ等を彷彿とさせる表現を多用しながら宣長の時代の輸入思想であった儒教・仏教を現在の西洋近代主義と対応させ其の限界性に言及し、宣長思想と日本古道の優位性(実は私は未だ其処を知るまで読み込んではいないのですが)を「静かに語り書く」事で、本来の日本人の在り様と国柄の大切さを知らしめようとされている様に感じます。 日本と日本人を考える全ての人にイチ押しのサイトです。 海彦氏と共同運営されている白兎氏による神社参拝の情報も紹介されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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