どこまで続けるか・・・
いつものように、朝、起き上がる前に基礎体温を測る。・・・・・下がっていた。今日か明日には生理が始まるだろう。不妊治療は段階を経て、少しずつ高度な治療に進んでいく。最初は「タイミング療法」、それが功を奏さなければ、「排卵誘発剤」、排卵後の「黄体ホルモン剤」などの「薬物療法」が平行して行われる。夫側に問題があると思われる場合は、漢方が処方される。不妊の原因を調べる検査も一通りした。子宮にも卵管にも、夫にも何の異常も認められない。こういうのを「機能性不妊」というらしい。今回だめだったら、「ステップアップしましょう」と先日の内診で、先生が言っていた。いよいよ人工授精に挑戦することになる。人工授精とは、精子を直接子宮内に注入して、精子が卵子と出会える手助けをすること。今の病院を初めて訪れたとき、不妊治療をどこまで進めたいか、という質問用紙に記入した。私は「人工授精まで」と書いて、その先は「?」と答えた。人工授精で妊娠しなかった人の多くは、「体外受精」へとステップアップする。これは、卵子を体外に採り出し、自分の血液で作った血清の中で受精・細胞分裂させ、4分割ほどしたところで子宮に戻すというもの。費用は一回30万前後、そしてその妊娠率はたった20~25%ほど・・・ずっと、この治療をどこまで続けるべきか迷っていた。人工授精まで、と書いたのは、体外受精について疑問があったから。体外受精では、受精した何個かの受精卵のうち、優良と思われる受精卵を選別して子宮内に戻すのだ。「選別」するということがどうしても気になる・・・どこから「いのち」なのだろうか?私は自分では答えが出せず、小さないのちを守る会の主事である水谷先生に相談した。「不妊治療自体を私は反対しません。異常な状態を正常にするのが医学という神の恵みの本質だからです。しかし、体外受精は受精卵を選別します。これは生まれてくることを期待されるいのちと、そうでないいのちの差別を意味します。これは聖書の生命観と、ブラックゴスペルのスピリットに著しく反する行為かと私は思います。つまり受精卵段階での人種差別でしょう。私の意見ではなく、お願いとして申し上げたいです。どうか、体外受精はなさらないで下さい!!」不妊治療を続けていると、治療すること、人の手を加えることで、新しいいのちを授かるかのような感覚を持ちそうになる。しかし、それは大きな誤りだ。「ここから先は完全に神さまの領域だから手を触れてはいけない」と水谷先生のお返事によって、はっきり示されたような気がした。今月、人工授精に初めて挑戦することになる。1回でめでたく赤ちゃんを授かるか、それとも何度も繰り返すことになるか、、、もしかしたら、全く別の道が用意されているのかもしれない。神さまの最善は全く別のことなのかもしれない。ただ、祈っていこう。