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2022.08.09
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カテゴリ:無線機器
八重洲が間もなく出してくるというFT-710の情報を、ちらほらと目にするように
なってきました。おそらく月末のハムフェアが、本格的なお披露目の場になるものと
思われます。新製品の情報はいつもながらわくわくするものです。

 この無線機、’SDR’と称しているようです。

 SDRというと、ソフトウエアで中身をどのようにでも書き換えられる無線機、
のイメージです。しかし、最近のいろいろな記事をみると、一般には、ソフトウエアの
書き換えができなくても、受信対象のRFを直接デジタル化するダイレクトサンプリングや、
直交ミキサ構成で、低周波に落としてからサンプリングする、いずれも信号処理の
大部分をソフトウエアで行う受信機のことを、SDR、と称していることが多いようです。

 FT-710の周波数構成等はまだ公開されていないようですが、HF/50MHzの無線機で、
SDRとうたっていることから、上記の通り、おそらくダイレクトサンプリングか、
対象周波数をダウンコンバージョンなしで、直接直交ミキサで処理する構成だと
想像しています。

 若いころ、高々10kHzそこそこのリアルタイム処理ができることに驚愕しながら、
AF用のDSPコードを書いたことがあります。これに対して今や、何十MHzなどという、
大変高い周波数を直接サンプリングするようなセットが、アマチュア機に採用されてきつつある、
というのは、まさに隔世の感があります。

 アマチュア機の中でも、50万円から100万円級の超高級機の価値は受信性能だと
思っています。こうした機械は、フロントエンドの直線性確保、ミキサ等で生じる
イメージの除去、切れ味鋭いフィルタでの混信除去、などのために、高価なデバイス、
プリセレクタに複数段のフィルタなど、こちらにウン万円、あちらではさらにウン万円、
ということでコストが膨れ上がっていると思います。

 これに対して、直交ミキサの処理を全部デジタル化するにせよ、アナログミキサを
先行させるにせよ、ダイレクトサンプリング、あるいはダイレクトコンバージョンともいわれる
両方式とも、大昔から亡霊のように(現象も亡霊そのものですが・・・)
付きまとってきたイメージが原理的になく、しかもAD変換のデバイスやDSPが安く手に入る今、
コストも超低価格でできてしまうのですから、もう高級機はいらない、という感じがします。

 高級機とそうでない無線機の差は、ローバンドでそれなりのアンテナを使ったときに
出やすいものですが、これが最近のいわゆるSDR機でどうなのか、自分では
直接的に体感したことがないので、気になっているところです。

 SDRで先行しているIC-7300や​IC-705​は、入門機という位置づけだからなのか、
また、最近はデジタルモードばやりで、あまり耳をそばだててワッチする機会が
少ないからなのか、これらの無線機で1.9や3.5の受信を突き詰めて評価した情報が
あまりないように感じています。理屈からすれば、7300も705も、​ローバンドの静かさ​、
はかなりいい線行っていると思うので、何かの機会に試してみたいものです。

 FT-710がどのような周波数構成なのかは、ハムフェア?での公開までお楽しみですが、
IC-7300やIC-705と似た構成だと期待しているところです。私の使い方としては、
HFの固定か移動でのCWが主になるので、期待としては、7300、705とともに、
ローバンドを含めてノイズの少ない、聞きやすい受信機に仕上がっているのではないか、
というところです。

 発売してしばらくして、競合を含めて価格と初期不具合が落ち着いてきたら、
冬の移動運用に向けて、ひょっとしたら新しい無線機を購入、ということになるかも
しれません。





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最終更新日  2022.08.09 18:15:28
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