カテゴリ:無線機器
八重洲が間もなく出してくるというFT-710の情報を、ちらほらと目にするように
なってきました。おそらく月末のハムフェアが、本格的なお披露目の場になるものと 思われます。新製品の情報はいつもながらわくわくするものです。 この無線機、’SDR’と称しているようです。 SDRというと、ソフトウエアで中身をどのようにでも書き換えられる無線機、 のイメージです。しかし、最近のいろいろな記事をみると、一般には、ソフトウエアの 書き換えができなくても、受信対象のRFを直接デジタル化するダイレクトサンプリングや、 直交ミキサ構成で、低周波に落としてからサンプリングする、いずれも信号処理の 大部分をソフトウエアで行う受信機のことを、SDR、と称していることが多いようです。 FT-710の周波数構成等はまだ公開されていないようですが、HF/50MHzの無線機で、 SDRとうたっていることから、上記の通り、おそらくダイレクトサンプリングか、 対象周波数をダウンコンバージョンなしで、直接直交ミキサで処理する構成だと 想像しています。 若いころ、高々10kHzそこそこのリアルタイム処理ができることに驚愕しながら、 AF用のDSPコードを書いたことがあります。これに対して今や、何十MHzなどという、 大変高い周波数を直接サンプリングするようなセットが、アマチュア機に採用されてきつつある、 というのは、まさに隔世の感があります。 アマチュア機の中でも、50万円から100万円級の超高級機の価値は受信性能だと 思っています。こうした機械は、フロントエンドの直線性確保、ミキサ等で生じる イメージの除去、切れ味鋭いフィルタでの混信除去、などのために、高価なデバイス、 プリセレクタに複数段のフィルタなど、こちらにウン万円、あちらではさらにウン万円、 ということでコストが膨れ上がっていると思います。 これに対して、直交ミキサの処理を全部デジタル化するにせよ、アナログミキサを 先行させるにせよ、ダイレクトサンプリング、あるいはダイレクトコンバージョンともいわれる 両方式とも、大昔から亡霊のように(現象も亡霊そのものですが・・・) 付きまとってきたイメージが原理的になく、しかもAD変換のデバイスやDSPが安く手に入る今、 コストも超低価格でできてしまうのですから、もう高級機はいらない、という感じがします。 高級機とそうでない無線機の差は、ローバンドでそれなりのアンテナを使ったときに 出やすいものですが、これが最近のいわゆるSDR機でどうなのか、自分では 直接的に体感したことがないので、気になっているところです。 SDRで先行しているIC-7300やIC-705は、入門機という位置づけだからなのか、 また、最近はデジタルモードばやりで、あまり耳をそばだててワッチする機会が 少ないからなのか、これらの無線機で1.9や3.5の受信を突き詰めて評価した情報が あまりないように感じています。理屈からすれば、7300も705も、ローバンドの静かさ、 はかなりいい線行っていると思うので、何かの機会に試してみたいものです。 FT-710がどのような周波数構成なのかは、ハムフェア?での公開までお楽しみですが、 IC-7300やIC-705と似た構成だと期待しているところです。私の使い方としては、 HFの固定か移動でのCWが主になるので、期待としては、7300、705とともに、 ローバンドを含めてノイズの少ない、聞きやすい受信機に仕上がっているのではないか、 というところです。 発売してしばらくして、競合を含めて価格と初期不具合が落ち着いてきたら、 冬の移動運用に向けて、ひょっとしたら新しい無線機を購入、ということになるかも しれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.08.09 18:15:28
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