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カテゴリ:あ☆ぼたん
「○○さん、これ要りますか?」
「あ~それね、うんうんそれそれ、実は俺もずっと欲しいと思っていたんだけど買うまでも無いかなぁなんて思ってたんだよね。まぁ一家に一台!って感じで、持ってると便利だよね、どっちかというと必要無いときの方が多いんだけど、あ、あれだ、例えるなら"爪切り"、そうそう、爪切りみたいな存在だよね、無いと困る・・みたいな!」 「いや、あの、要るのか要らないのか・・・」 「俺はね、これに凄く思い入れが強くてね、あれはいつだったか・・子供のころにさ・・・欲しかったのに中々買ってもらえなくてさ、なんというか・・恥ずかしい話中学生の頃まで人の借りててね、これ見るたびに切ない気持ちになるんだよね・・」 「いやいや、、・・要らないんですか?」 「まぁ普段の生活だけじゃなくて仕事上でも使うことは使うんだ、机の引き出しには絶対一つは必要だよね。要するに 「そうじゃなくて、やるっつってんだから要るんか要らんのか、YESかNOだけで答えれや、このボケ。貴様の腐ったゴタクなんぞ必要ないんじゃ!」 と、極端な例ですがこんなシチュエーションって良くありますよね。尋ねたほうはYESかNO、どっちかの回答しか求めていないのに、回りくどく周りから周りからジックリと会話を攻めていく奴。 これが自分よりも目下の者なら突っ込んだ言い方もできますが、目上の者だったらもう最悪。話を最初から最後まで愛想良く相づちをうって聞かなければならないし、ことさら表立って嫌な顔も出来ない。 「チーフ、明日のビュッフェのこの魚、1ポーション何グラムにカットします??」 「ああ、それね、それそれ。明日のビュッフェは魚の料理がメインになっているからね、ナージュ風に使う魚だったらホタテとかムールなんかも入るし、パーティ会場が鳳凰の間だっけ、あそこは・・」 うんぬんかんぬん うんぬんかんぬん イライライライラ 「お前、そんなことくらい最初に考えておけよ!俺が決めて良いんだな?もうこの魚、切るぞ、もう切っちゃうぞ!!」 とは勿論口に出しては言いません。が、回りくどい言い回しと言うのは尋ねた側にとったら不愉快に思うことが殆ど、いや、その全てが不愉快と言っても過言ではないでしょう。そしてその人とは会話の面でもうあまり接したくなくなっていく。 ・・・・・・ ・・・・ ・・ 「M君・・私、、M君のこと好きになっちゃったみたい・・」 中学生の頃、放課後の教室でS子ちゃんと二人きりでクラス新聞か何かの居残り作業になったとき面等向かってこう告られた。S子ちゃんはクラスの委員長で頭も良いし皆からの信望も厚く、ただ少し口うるさいお袋的な所を抜かせば歳の割にしっかりしている女の子だった。 その頃の当方はというと、休み時間になると友達と大声でエロ話したり、スカートめくりしたり、女子便所に隠れたり、なんというか何処にでもいる悪ガキみたいな、いつもそういうことで委員長には「またM君!!んもう!!!」と怒られていた。 それがココへ来て委員長からの唐突すぎる告白。 しかも当方の人生初告白ときたもんだ。 どんなに友達と背伸びをしイキガッても中身はなんの経験値も無いただのチェリーボーイ。次にどんな言葉を掛けていいものか解らず、頭の中は真っ白。視点が定まらず、狼狽し膝がガクガクした。 「あがあがあがあが、あ、そ、そ、そ、そうなんだ・・・・・・・んあ!!そうそう、俺のほうのアンケート記事まとまって来たけど、、次どの作業やろうか、あ、隣のクラスに記事貸したままだ、ちょっと取りにいってくる!!」 逃げた。 否、逃げたと言うよりちょっとした「間」が自分なりに必要だった。 隣のクラスへ行き、何回か深呼吸をし呼吸を整える。何とか落ち着いてきたところで、自分の教室へ戻ると、委員長が一人でなにか作業をしていた。そんな委員長に話しかけてみる。 まさに周りからジックリジックリと話を進め、最終的に目的の「2択」であるYES・NOの委員長の告白に対する言葉を盛り返していくつもりだった。 「BOOWY、解散するんだってね。俺、凄い好きだったのになぁ、あとBAKUも解散するらしいよ。聞くところによると、メンバーの一人が交通事故にあったらしい。残念だよね。ロックとか嫌い?最近、B'zっていう2人組でさ、BAD COMMUNICATIONって曲がテンポよくて良い感じなんだよね。知ってる?B'z」 「・・・・・。あんまり良くわからない。ごめん。」 「ロック嫌いかぁ。でもさ最近、めっきり秋だよね。だんだん寒くなってきたし。あ、そうそう、もう少しで誕生日なんだ俺。」 「・・・。そう、おめでとう」 「どうも。あのさ、委員長の家って犬とか飼ってる?俺さ、犬大好きでさぁ。でも猫は大嫌いなんだよね、昔飼ってたインコを野良猫に食われちゃったから」 「・・・。猫3匹飼ってる」 「まふっ・・・。。そういえば委員長って眼鏡かけてるけど目悪いの?俺さ、視力が8.0くらいあるっぽいんだよね、だからこうやって委員長を凝視すると服の繊維の隙間から肌まで見えちゃう!って何言っとんねん!!!はははは!!!」 「・・・。最低。」 それから重い時が過ぎる中、M君はとうとう告白話を盛り返すことができずそのまま作業も一通り終わり、校門で「じゃね」と一言委員長と言葉を交わして帰宅した。もちろん次の日から何か悪さをしても委員長から怒られることは一切無くなった。それが逆に寂しかったりしたんだけど、この時点で何か言い訳をしても多分もう遅かったに違いない。 ・・・・・・ このように、YES・NOのいずれかで質問されたときは、先に答えを言ってからゴタクを述べることが肝心に思う。上に書いたように大げさではあるけど取り戻せない失敗も無いとは限らないから。 あれだ、日本の裁判もこうなれば良いんだよ。うだうだ何年もやってないでさ。 「はい、あんた死刑ね」 って判決が決まってから弁護とかすればいい。 2択じゃないから駄目か・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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