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いつまでも…二人で

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2024.08.05
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テーマ:運命の赤い糸(5)
カテゴリ:つぶやき

私の大学の先輩に、とても素敵な女性が居ます

国際線のCAをされていて、運命の人と出会って折角のお仕事をあっさりと辞めて結婚されました
とても幸せな新婚生活を送っていらっしゃたのに、そんな幸せは長く続かずご主人は癌になられて、発見が遅かったので悪くなられるスピードが速く、献身的な看病をされましたけれど残酷な運命を変えることができず、ご主人は先輩を残して逝ってしまわれた…

先輩は、とても聡明でとても優しくて一途で…
私のお手本であり目標でした

まだ、新婚と呼ぶ頃に独りになってしまわれて
独りになってしまった人生をどのように歩かれるのか周りの人たちは、とても心配されたそうです

故郷に帰られて、得意の外国語を生かした英語塾を始められて
評判が評判を呼んでどんどん塾は大きくなり、実業家として成功されました

先輩の人生の長さからすれば、人生の始まりの頃に出会った運命の人とほんの数年でお別れすることになって、その出来事の上にまた、違った人生を作り上げていかれるのだろうと思っていましたけれど、再婚されることはありませんでした

お会いしてお話している時にとても遠い目をされることがあって
ずっと、ずっと遠くにいらっしゃる誰かを見つめられるような、とても暖かな眼差しなんです

当時の私は、ごくごく普通の結婚生活をしていて先輩の心に寄り添っているつもりでしたけれど、全く理解なんてできていませんでした
私自身が死別を経験して、やっと先輩の眼差しがわかるような気がするのです

10年くらい前にお会いしたとき、
『何だか、最近淋しくてね…親も頼る存在ではなくなったしね』
と初めて弱気な先輩の言葉を聞いて、
『再婚されないのですか?』と聞いてしまったのです
今なら、この言葉は言ってはいけないことは分かりますけれど
聞いてしまったのです…

そうしたら、先輩は
『そうね…僕がいるでしょ、と言ってくれる人はいるんだけどね…』
と優しく微笑んで

独りになられてから、ずっと何十年もご主人の結婚指輪をプラチナのチェーンに通してネックレスとして常に身に付けていらっしゃるのですけれど
その指輪をそっと触られて、
『結婚はもう誰ともできないわ』と仰ったのです

そして、私が喪中のハガキを出した時
落ち着いたらまた会いましょう…と連絡をくださいました

きっと会えば、何も言わず私の肩をそっと抱きしめてくださると思います

こういう事なのよ、と言葉にはされないと思いますけれど
私の辛さを一瞬で理解してくださるのだと思います


なかなか会いに行けないのは
私があまりに無神経な振る舞いをしていたから、どのような顔をして会えば良いのか分からないのです

死別の辛さは、一緒に過ごした時間に比例するものではなく
魂の結びつきの強さに比例するのかな、と最近気が付いたのですから…

人はそれぞれだから、同じ死別をしたからと言ってその後に似たような人生を歩むことなんてありませんものね
その後の自分の人生をどのようなものにするかは自由です

ただ、赤い糸で結ばれている人は一人だと思うので
死別した配偶者が、この赤い糸で結ばれた人だったらその後の人生で、結婚しようと思えるほどの異性とはもう巡り合わないのかもしれませんね




私の素敵な先輩の人生を見ていて、ふとそんな気がしたのです


そろそろ、先輩に会いに行こうかな、、、
今日は急に、こんなことを考えてしまいました




では、今日もお読みくださってありがとうございました<(_ _)>




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最終更新日  2024.08.05 22:28:43
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