空のオルガン

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(薬飲んだ)

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「薬飲んだか？」夫がしきりに聞く。そんなしよっちゅう飲んでどうするよ。
　もらった薬の袋には「発熱時」と書いてある。服用は何時間あければいいんだ？それは書かれていない。
　「何でそれは書いてくれないの〜」と言ったら夫が「ネットで調べたらわかるからやろ」と。
　今、調べるのしんどいんですけど。ケータイさわるのもしんどい。メール見るのもしんどい。昨日、「体調確認の電話をしますから」って言われたから、手元において、気にはしてたけど、結局かかってこず。
　夫には、看護協会とか何とかいうところから電話があり、自分とう〜のの様子を報告。職場には私を含めた3人の体調を報告。
　う〜のにも何度か電話がかかってきたが、知らない番号だからと出なかった。しかもワン切り。事前に番号を伝えてくれるとか、メッセージ残すとかないのか。

　ずっと寝ているせいか、腰が痛い。体の節々も痛い。どう体勢を変えても痛い。痛いよー。座ったらお尻の骨が痛い。
　バランスボールに頼ってみることにする。途中、階段でフラフラする。ついでにヨガマットも持って下りる。
　この２点に体や脚を預けたら少し楽になった。しんどいときの必須アイテムかもしれん。

　少し、何か食べてみる気になった。フォカッチャを、うーん、１つは多い。半分だけ、と、袋をゴソゴソしていると
夫「食べるの？」
私「うん」
　「焼くの？」
　「うん」でも焼いてほしいわけじゃない。
　「バター塗る？」
　「ううん」塗ろうと思ったけどあんたが塗りそうだからやめた。
　「ジャム？」
　「ううん」上に同じ。

　何でそう追い立てるように言う？こっちの希望にそってすぐ動こうとするのは、私にはメーワクだ。

　自分のペースでやりたい。焼くか焼かないか、焼くならどれくらいか、何塗るか塗らないか、を「どうしようっかな〜」と考える時間を楽しみたい。
　私がその時一番大事に思っている要素を一番ないがしろにして、余計な世話を焼こうとする。そして自分はいいことをしたつもりでいる。

　フォカッチャ半分なので、豆皿をトースターの前に置いて待ってたら「この皿は何？」他意はないのだろうが、

　うるせーーーっ！次から次に、畳みかけるように質問するなあっ！ほっといてくれ！自分でするから。

　何も塗る気なくなった。あなたにされた質問内容を考えること自体が嫌。余計なことは考えず、ただ目の前のフォカッチャを口に入れることに集中する。
　黙々と食べてたら「飲み物は?」

　たーのーむーかーらーあーーーっ！いちいち口を出さんでくれっ！好きなようにさせてくれっ！

　妻がしんどい時に(そうでなくても、普段から)休みの日には黙って座れば「どのパンにする？」「飲み物何にする？」と聞いてきて、ミルクティーなら私用とう〜の用でミルクの量や温度も分けて提供されて、申し分ない旦那さんじゃないかと思われるだろう。だけど休みの日はゆっくり寝たい。朝ごはんなんかそれぞれで食べればいいやん。8時の朝ごはんは夫には遅すぎて、私やう〜のには早すぎる。休日の朝なんて、用もないのに夫に合わせて無理やり起こされる時間でしかない。小学生がいるわけでなし、家族揃ってご飯食べたいね〜ということもない。無理強いされるしんどさしかない。平日なら夫が出勤したあと、ため息をつく自由はあるが、休日にはない。

　今、枕元に立たれるだけで圧を感じる。
　「体調どう？」と聞かれるだけなのに、「何でそんなに上から見下ろして聞くのさ」と言いたくなる。

　夫が家にいる時は、なるべく感覚を無にするよう心掛けるけど、１０日も続くとかなりハード。しかも出かけて気を紛らわせることができない。うわぁ～。

　そうだそうだ、あちこちに連絡しなきゃ。
　行こうと思ってたセミナー、お茶会、相談会、イベント、う〜のの歯医者、などなど。
　あ、生協さんの注文書も書かなくちゃ。
　あ、宅配便届くんだった。でも直接受け取れないなあ。インターホンで、「置いといて下さーぃ。サインもしといてくださーい」っていうしかないか。あ、ムラの寄合があるぞ。誰も代理で行けないぞ。
　こりゃあなかなか大変だ！　
　
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