月夜と眼鏡とバニラと・・・
PM5:40、散歩へ。微妙に明るさが残っている。月明りのせいでもある。暑くも寒くもない。いつものコースを、バニラとまったりとクル―ジング。ふと、深海を彷徨っているような、妙な気分になる。妙と言うより、心が静まる感じ。デジャブ。そうだ、童話にあったエピソードと重なる。静かで、平和な夜に、物語が始まる。あの、わくわく感。そう、思い出した。小川未明の「月夜と眼鏡」「町も、野も、いたるところ、緑の葉に包まれている頃でありました。 おだやかな、月のいい晩のことであります。静かな町のはずれにお婆さんは住んでいましたが、お婆さんは、ただ一人、窓の下に座って、針仕事をしていました。」「月の光は、うす青く、この世界を照らしていました。なまあたたかな水の中に、木立も、丘も、みんな浸されたようであります。お婆さんは、こうして仕事をしながら、自分の若い時分のことや、また、遠方の親戚のことや、離れて暮らしている孫娘のことなどを、空想していたのであります。」「月夜と眼鏡」ストーリー