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ベンガベンガ@ Re:お久しぶりです(06/30) バレルPさん >あれ?っと目に付いたので…
バレルP@ お久しぶりです あれ?っと目に付いたので、来ました。 …
ベンガベンガ@ Re[1]:偶然ダイヤモンド(10/20) ミノルトトGさん お久しぶりです。元気…
ミノルトトG@ Re:偶然ダイヤモンド(10/20) お元気でしたか!都民同志、これからもヨ…
ベンガベンガ@ Re[1]:偶然ダイヤモンド(10/20) Rongunさん ご無沙汰しています。六月…
2006.12.30
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カテゴリ:日日是好日
のどの渇きで目が覚める。時計を見ると4:30だった。もう一度寝なおす気になれず、おきて朝食を食べながら、録画していた『イン・ザ・プール』を見る。松尾スズキの変人ぶりに乾いた笑いを浮かべていたら少し元気が出てきた。

今日の一大イベントは風呂の大掃除。noonのアルバムを聞きながら、桐野夏生の『OUT』の主人公にようにタイルの隙間の黒ずみと格闘した。だがナイロンブラシとカビキラーにできることにはどうしても限界がある。二時間ちょっとやって「あきらめ」がこの戦いに終止符を打ってくれた。まあ、始める前に比べたらだいぶきれいになったので、良しとしよう。掃除というのはその結果ではなく、掃除をするということ自体が目的になっているケースも多い。

大晦日は丹沢の塔の岳山頂で迎えようと思っていたので、早速山荘に電話してみるとあっさり予約が取れた。天気予報によると、元旦早朝はいまいちのため、今年は少ないとのことだった。

夜の予定の前に、明日の準備をしようと新宿に行くことにする。渋沢駅にはキスリングを担いだオールドタイプのトレッカーや80リットルくらいのザックを担いだ人々が数人いた。みな正月休みを使って縦走するのだろう。

新宿駅到着。改札を出るとすごい人ごみ。この雑踏を味わいに来たともいえるので、人ごみの中に入って歩く。たまにはこういうふうに人の流れにながされてみるのもいいものだ。といってもエルブレスにいくだけなので、すぐに流れから外れた。

エルブレスでインナーダウンと機能素材の下着を購入。ついでにナルゲンの強化プラスチック製のフラスコも買った。インナーダウンはロウ・アルパインのものにした。山野井泰史さんのファンとしては、彼がアドバイザーをやっているムーンストーンのを買いたいところだったが、こっちのほうが僕の身体に合っているようだった。20000円ちょっと浪費。

時間をつぶすためベローチェに移動しようとしていると、サザンライツが目に入ったので写真を撮りにいってみた。ほかにも三脚を構えている人が数人いた。僕も三脚を持って繰ればよかったと思ったが、近寄ってみると案外みすぼらしいものだった。「遠くから見ると、たいていのものはきれいに見える」そんな文章を思い出した。

電飾の園

ベローチェで本を読んで時間をつぶす。隣に座っているのが卒論提出間近の女子大生ふたりとその指導教授という組み合わせで、漏れ聴こえてくる話が面白く、読書に集中できなかった。話によると午前中からいるようだ。加藤登紀子の『時には昔の話を』という歌に「コーヒーをいっぱいで一日」という歌詞があるけれど、本当にそんな感じだった。

どうやら二人とも峠は越えたようで、最終的な書式の確認などをしていた。教授も一安心といったところだろう。しかし、30日になってまで駆り出されるとは指導教授も大変だ。まさに師走といったところ。

待ち合わせの時間に間に合うように小田急で移動。途中下車して帰省した友達と合流し、昔よくいっていたジャズバーに向かった。久しぶりに降りた駅前は様子がまったく変わっていて驚いた。結構な区画整備がすすんでいて店があるのかどうかちょっと不安になった。

店のある辺りは区画整備の域外だったらしく、見慣れた店舗が目に入ってきた。店は二階にあるのだが、下にあるテナントは空っぽになっていて、なんともいえない寂寥感に一瞬とらわれた。

ギシギシと軋む階段を登ると、世界一のトランペット吹きが僕たちを迎えてくれる。昔と同じように。
懐かしき日々への階段

階段を登りきって、こちらも軋むドアを開けると、懐かしい光景が。

窮屈そうにラックに納められたLPジャケット。あたたかい電灯に照らされたエクトプラズムのようなタバコの煙。コンロの上の銀色のコーヒーポットと茶色くなったコーヒードリッパー。飴色のカウンターとその上に礼儀正しく並んでいるさまざまな形のボトル。積み上げられたジャズ雑誌。

アルコールの匂いとそれが促す人々の汗のにおい。タバコの葉っぱと巻紙の燃えるにおい。チーズのこげる匂いと何かを炒めている油の匂い。

人々の話し声と笑い声。
グラスが立てる音

そして、音楽、音楽、音楽。
ここでは音楽にも色があり、においがある。

30日だというのに、店の中は混んでいて(といっても20人くらいだけど)、カウンターの二席しか空いていなかった。さっそくそこに陣取ることにした。とりあえずビールで乾杯し、簡単につまめるものと、時間のかかるピザとピラフをオーダーする。

仕事のことから、最近聞いた音楽、近況について語りあい、半可通を気取ってジャズの話をする。タバコを吸ってピスタチオの殻をむいていると、ピザが焼きあがった。ウィンナーを乗せただけのたいしたものではないけれど、ここのはなぜかおいしい。

ビールがレッドアイに、レッドアイがジンライム(カポーティを見てからどうしても飲みたかった)に変わった。どの酒もうまく、吸殻が増えていくにしたがってアルコールの濃度もあがってくる。

ジンライム

数人の人々が立ち去り、同じくらいの人数が店に入ってくる。なかなかの繁盛ぶりだった。長時間居座る客もいれば、一杯だけ飲んで音楽を聴き、すぐに立ち去る客もいる。四人くらいのグループもいれば、ひとりで来ている客もいる。それぞれがそれぞれのやり方でこの店を味わっている。たぶん昔の僕たちもそんな雰囲気が好きでここに来ていたのだろう。

…。

楽しい時間は、どんなときも、あっという間に過ぎてしまうもので、そろそろ終電の時間だ。二人でタクシーでシェアして帰ってもよいのだけれど、明日は山に登る予定だし、なにより「いい子は長居はしないもの」だ。見ればカウンターの僕らの隣もいつの間にか空席になっていた。最後にシーヴァスをロックで一杯だけ飲んで終わりにした。

飴色

けっこう飲みかつ食べていたの会計が安くて驚く。昔より持ち歩いている金が増えたからかもしれない。会計のときにマスターとちょっとだけ話すと料理が遅れた事をしきりに謝っていた。いつになっても礼儀正しい人で感心してしまう。容貌もほとんど変わっていなくて、僕たちだけが年を取ってしまったかのように錯覚した。夜を生きる人間と昼を生きている人間は、違った時間の流れを生きているのかもしれない、ふとそんなことを思ってしまった。

電車で二駅移動して、駅を出て年越しの挨拶をして友達と別れる。結構飲んだつもりだったけれど、気分がいいだけで酔っぱらった感覚はほとんど無い。酒はつくづく誰と飲むか、そしてどこで飲むかということにかかっている気がする。

身体にはぬくもりが残り、やっと一年が終わったことを感じた。良き友、良き酒。これから失われていくことが多くなるのだろうけれど、一日でもそれが遠くなって欲しいものだ。





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Last updated  2007.01.02 23:57:32
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