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カテゴリ:自転車
吠えるby朔太郎。いや、「暁を覚えず」by孟浩然でしたっけ。早起きして自転車に乗りに行く予定でしたが、起きたら10時ごろでした。残業&土曜出勤の疲労の蓄積を認めないわけにはいかない日曜の朝です。それに立春ですから春眠化してもしかたありません。
ウェアを用意して、ヘルメットをかぶり・・・とやっている時間が無いので今日も固定ローラーに乗って読書です。もとい読書しながらローラー台練習です。BGMは高校のときにハマっていたハロウィンのベスト盤をチョイス。かつてジャーマン・メタルの頂点に君臨していたバンドでしたが、ちょうどハマりはじめたときに、リーダーのカイ・ハンセンが抜けてガンマ・レイというバンドを作りました。ハロウィンはバンドとして存続しましたが、カイ・ハンセンに傾倒していた僕はそのままガンマ・レイを聞くようになりました。 横須賀でやったコンサートに行って、耳を劈く音圧の洗礼を受けたことを今でも覚えています。翌日の武道館でのコンサートの前夜祭的なライヴでしたが、オーディエンスは少なく、ものすごく親密なライヴだった記憶があります。アンコールだけで一時間以上やってたし・・・。 さて、昔聞き込んでいたCDを引っ張り出して聴くと、結構赤面してしまうものです。ロックはそれが顕著な気がします。ちょうど高校デヴュウした子が、中学生のときの野暮ったい写真を見せ付けられているような感じです。そして、哀しいことではありますが、ある種のロックミュージックの賞味期限の短さを認めないわけにはいきません。だれもがディランやビートルズやストーンズのように、時の試練を潜り抜けられるわけではないのだということが、今ではよく分かるようになりました。あんな薄っぺらいものが、ホンモノだと信じきっていたなんて・・・と若さゆえの過ちを認めてしまうものです。 それでも僕は当時、それこそテープ(ポータブルCDプレイヤーを持っていなかった)が擦り切れるまでハロウィンのアルバムを聴きこんでいましたし、今でもサビの部分の歌詞を歌うことができます。エネルギーだけは余っていて、大人のやることなすことすべてが気に障り、使いもしない「fuck+前置詞(or副詞)」を盲目的に覚えようと躍起になっていたあのころ、カイ・ハンセンはまちがいなく僕の中のヒーローでした。 村上春樹がロックについてどこかのエッセイで書いていて、彼によれば、ドアーズ以上に自分を"light my fire"(ハートに火をつける)ことはできないとのことです。素敵な表現です。ロックに身を踊らされて、心も躍らされて、そういったことになんの疑いも持たない時期が、誰にでもあると思います。そして、ある時期が過ぎるとパタリとそれが終わってしまい、あのワケの分からんシャウトとバスドラムが刻むビートとゆがんだギターと鼓膜を揺るがす大音量への心酔から醒めてしまいます。 そしてロックの多くは、演奏している彼らがfuck!をつきつけている商業主義そのものの上に成り立っている消費される音楽に過ぎず、言ってしまえばティーンエイジャーから小銭を巻き上げるための音楽に過ぎなかったことに気がついてしまいます。こうなってくると、もう「ハートに火をつける」ことは難しいのでしょう。その泡沫の熱狂こそが「ロック」なのだと今は思うしかありません。 ローラー台に乗りながら、ふとそんなことを考えてしまいました。しかし、当時の僕もまさか自転車の上でこんな形でハロウィンを聴くことになるとは、夢にも思わなかったろうなあ。 50分ちょっと乗って、午後からの予定のため電車で移動。新宿の街は春の装いで溢れていました。 固定ローラー 負荷1 継続時間 55:38 平均心拍数 122 bpm 最大心拍数 140 bpm 平均速度 21.3 km/h 最高速度 23.8 km/h 距離 19.7 km 平均ケイデンス 93 rpm 最大ケイデンス 101 rpm BGM:Helloween"the best the rest the rare" (昨年撮ったロック) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.05 23:42:06
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