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May 4, 2021
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カテゴリ:映画


原作:塩田武士
監督:吉田大八
出演:大泉洋、松岡茉優、佐藤浩市、宮沢氷魚、池田エライザ、國村隼、小林聡美ほか

歴史ある大手出版社が舞台の映画。
果たして今は誰が誰を騙しているのか…。その展開はなかなか目まぐるしくて、「ほお、なるほど、そういうことね」と心の中で繰り返し呟いていた。

それと共に、仕事の世界での「騙し」というものについて、映画の雰囲気にちょっと合わないような真面目な言葉たちも、僕の頭の中を行ったり来たりしていた。
例えば、仕事の成果を挙げたり目的を達成するために「騙し」はいらないのではないか、と齢を重ねるにつれて僕はその思いを強くしていて、確かに、ライバルを負かさないと成功が勝ち取れない状況は少なからずあって、そこにテクニックとしての「騙し」の余地は出てくるのだけど、仮に「騙し」で一回勝てたとしても、よほどの騙しのプロにでもならない限り、連勝は期待できないよね、というようなことを思っていた。

もう少し言えば、1つしかない成功を勝ち取るためには、「評価されたい」「褒められたい」「すごいと言われたい」「モテたい」「見返したい」「出世したい」その他もろもろの「自分のためモチベーション」を超える、明確な「誰かのため・みんなのためモチベーション」が自分の底力に加わって、そこで初めて勝利が見えてくるものではないかしら、ということも思っている。

きれいごとにしか聞こえないことを書いてしまっているけど、「自分のためモチベーション」の強さには彼我の差はほとんどない、ということと、だからこそ「誰かのため・みんなのためモチベーション」の差が勝敗に大きな影響を与える、ということは、過去の苦い思い出もひっくるめて、僕の中では通説になっている。

ここまで書いたことに「騙し絵の牙」のネタバレはないし、レビューになっていない可能性もあるけど、この映画のいろんな騙しパターンを見つめながら、ここに書いたことを改めて確信していた。
およそ2時間の上質なエンターテインメントムービーだった。







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Last updated  June 25, 2021 09:28:55 PM
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