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June 5, 2022
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映画化された「ドライブ・マイ・カー」、そして本の表題「女のいない男たち」を含む6つの短い物語が、この本の中にあった。

もしもこの6編に女性に縁のない男たちが次々と登場してきたら、最後まで読み通すのはちょっと辛かったろうと思うけど、幸いなことに登場する男たちは女性との縁をたっぷりと持っていた。むしろ羨ましいくらいに。

「今は」女のいない男たち。

より説明的なタイトルをつけるならこんな感じかと思う。

この本に限らず村上春樹さんが描く男性は、たいてい物静かで、知的で、淡々としている。自分の心の内を静かに深く見つめていくような村上さんの作品を読んでいると、気持ちが落ち着き、呼吸が少しずつ静かになってくる。

そして四ツ谷とか中央線とか、小説の舞台と自分の記憶の濃い部分が交わったりすると、作品中の男性と自分との境界がほぼなくなっていく。

草食系男子の雰囲気を醸し出しつつ、それでいて素敵な女性たちとの接点もある男たちに同化していく僕。。。
至福の読書タイム以外の何物でもない。

この小説にも村上春樹さんらしい性的な表現が随所に出てくる。読者のギラギラした性的欲望を満足させるような描写ではなくて、セックスは心の交流の一形態だということをしみじみと認識させてくれる。

確かにそうだよね、と改めて思う。唇と唇を静かに触れ合わせたり、乳首を舌先で優しく触れたり、秘部を指先でなぞったり。まどろっこしいようにも思える行為を通して男は女性に「心」を送っているに違いない。自分が直接的な快感を得るよりも女性の気持ち良さげな表情や漏れ出る声に、男は喜びと興奮と満足を感じる。そんな男が多いと思う。

村上春樹さんの小説には生殖でも征服でもない、心のやりとりとしての性が描かれていて、このこともまた、僕にはものすごく心地よかった。





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Last updated  June 5, 2022 05:28:55 PM
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