カテゴリ:本
本屋大賞受賞作。 この賞のおかげで、今まで知らなかった作家の作品と次々と出会えている。 しかも、どの作品も例外なく面白い。 凪良ゆうさんは、ボーイズラブの作品をいくつも書いているそうだ。 読もうと思ったことのないジャンル。 「流浪の月」も性的なことを言えば、女性と男性の関係ではありながらロリコンとか性的虐待とかも絡み合って、「愛ではない。けれどそばにいたい」と本の帯にある通り、なんとも言えない世界が描かれている。 そして、そのことがこの小説の感動の源。 僕はこの小説を読みながら、こんなことを思っていた。 「僕の本当の気持ち、本当の心の内はもう誰にも教えてあげない。他人に自分を理解してもらおうとは、金輪際考えない。」 これができれば、ずいぶんと楽に生きられるようになるような気がする。 本当にできるかどうかわからないし、ひどく孤立した人間になりそうな気もするけど、こんな気持ちでこれからの時間を過ごしてみようと、今の僕は思っている。 もう一つ、この小説の序盤、両親と一緒に暮らしていた頃の更紗(さらさ)の穏やかな心持ち、守られている安心感、その描写が素晴らしくて、染みた。 充分過ぎるほど偏屈だった自分を無条件で愛してくれて、なにかとまとわりついてくれた小さかったわが子の姿を思い出して、泣きそうになった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 19, 2022 04:42:45 PM
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