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カテゴリ:米国産牛肉
BSEの牛の脳ミソを使ったハンバーグを食べたからです-ということが、厚生労働省が紹介する日本医師会HPの論文にありました。BSEとなった牛を食べると、ヒトは「新変異型クロイツヘルトヤコブ病」(nvCJD)にかかる可能性があります。米国産牛肉との関係は、後日、整理しますが、以下、ご関心のある方は、どうぞ読んでみてください。
(写真は今日撮影、チューリップの雨滴が見えますか?永田村は今日も雨でした) *** 切り抜き関連部分 *** 「nvCJDは2001年10月までに英国で107名報告されており、今後の推移予測には千台から数万台へと非常に差がある。フランスでは2名報告されている。1996年以前、英国ではハンバーガーに牛の脳組織を加えることが許容されており、このことは英国においてnvCJDの発生が集中していることを説明する」。 ****** 以下、論文内容です BSEと新変異型クロイツヘルトヤコブ病 1.概念 Creutzfeldt-Jakob disease (CJD)は百万人に一人の割合で大多数が弧発性に生じるまれな疾患である。CJDは1920年代初頭、ドイツの神経病理学者CreutzfeldtとJakobによって神経病理学的に特徴のある致死的疾患群の一つとして記述された。現在、BSE―bovine spongiform encephalopathy (牛海綿状脳症)を含め、プリオン(prion、proteinaceous infectious particle)という概念によって説明できる範疇にあることが広く認められている。 米国のPrusinerが核酸のない蛋白性の感染病原体としてプリオン仮説を提唱後、広く受け入れられ、1997年のノーベル医学生理学賞を受賞するには非常に長い時間が必要とされた。その研究の初期にPrusinerが小動物(ハムスター、モルモット、スナネズミ)へ初めて海綿状脳症を接種伝達させた(1977年)当時九州大の立石潤教授をいち早く訪問した話は有名である。病原体に含まれる主体蛋白因子は同定されプリオン蛋白(Prion protein)と呼ばれた。プリオン蛋白の遺伝子は宿主の染色体DNAに存在し、病原体のプリオン蛋白は宿主蛋白に由来していることも判明した。正常プリオン蛋白は神経細胞表面へ発現され再び細胞内へ取り込まれる間に何らかの生理的機能を発揮していると考えられている。この経路のどこかで正常プリオン蛋白がプロテアーゼ抵 抗性の異常プリオン蛋白へ質的変化し脳内に蓄積、神経細胞を障害、神経細胞が次々と変性壊死脱落し、プリオン病を発病する。プリオン蛋白の質的変化に関わる他の宿主因子、複製における異常プリオン蛋白の役割、プリオン病原体のプリオン蛋白以外の構成成分等、現在活発に研究され議論を呼んでいる。 2.疫学 我が国を含め、世界各国の古典的CJD有病率はほぼ同一で、人口100万人対1前後であり、まれな疾患である。地理的に差がない感染症としてもCJDは特異性を示している。例外的にパレスチナ地方の有病率は30人/100万人といわれている。発症年齢の平均は62歳であり、女性が男性よりやや多い。 new-variant CJD (nv CJD)発生の経緯について関連事項を以下に示す。ウシの畜産経営は飼料を安く抑えることで、純益が増加するが1970年代後半英国において肉骨粉飼料(ヒツジまたはウシの骨粉、内臓由来タンパク質を混入させたもの)の開発により、高栄養で安価な飼料供給システムができあがった。この開発によりそれまでプリオン病の報告されていない畜産用ウシにはじめてプリオン病を創出したことが疑われる結果になった。BSEの最初の報告は1985年2月に行われている。1996年3月に計10名の古典的CJDと異なる臨床経過と病理像を示す20歳代のCJD例、nv CJDが報告されBSEとの濃厚な関係が疑われた。現在まで、数種類の解析結果がこのnv CJDとBSEの類似性を示し、nv CJDはBSEウシのおそらく神経組織の摂取によることが原因であると いう推測が支持されつつある。 nvCJDは2001年10月までに英国で107名報告されており、今後の推移予測には千台から数万台へと非常に差がある。フランスでは2名報告されている。1996年以前、英国ではハンバーガーに牛の脳組織を加えることが許容されており、このことは英国においてnvCJDの発生が集中していることを説明する。 (出典)厚生労働省HPで紹介、日本医師会HPにある論文から。著作は高橋秀宗、倉田 毅の両氏。クロイツフェルト・ヤコブ病 (日医雑誌生涯教育シリーズ「感染症の診断・ガイドライン」より抜粋)-とありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年03月01日 22時47分14秒
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