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テーマ:ニュース(99864)
カテゴリ:投資(株・不動産)
上海の不動産バブルが崩壊したらしい. ロサンゼルスタイムスの8日号によると,過去3年で2倍以上に上昇していた上海の不動産市場は,金利上昇と税率法改正により,去年の春から不動産価格が急落.住宅需要が下がり,3000以上の不動産仲介業者が閉鎖に追い込まれた.不動産価値が50%以上下がり,借金苦で自殺者もでてきているらしい. ■ 不動産バブルは誰のせい? さて,この不動産バブル.「2010年の上海万博までは,不動産は上昇する」と思われていた.加熱する不動産市場に,海外資本が不動産にあてられた.住宅購入の30~40%は香港や台湾などの海外資本(投機)によって購入されたといわれている. そこで,銀行はローンの金利を0.5%上げ,頭金を20%だったところを30%に上げた.また,2年以内の住宅売却には5.5%のキャピタルゲイン税を課せたことから,海外からの投機は手を引いた. 下落する不動産に,潜在的な上海の内部需要も殺して,一気にバブルが崩壊した. ■ バブル価格は不正価格 - 販売業者を訴える住宅購入者 バブルは「詐欺」か? Xiaoleiさんは,去年4月に建設中のアパートを27万ドルで購入.しかし,アパートが完成した先月には,1/3まで物件が下落してしまった.すでに頭金の8万ドルと月々のローン1100ドルの支払いをしていたのだけど,馬鹿らしくなって支払いを11月にやめたそうだ. 「私たちはだまされた」 と彼女は後悔し,バブル時のアパート完成前の契約は無効ということで販売会社(Da Hua)を訴えた.同販売会社では,同じような訴訟を40件受けているという. だけど,たとえこの訴訟に勝ったとしても,すべてのお金が戻ってくるとは思えない.バブルの原因は,海外の投機だけでなく彼女みたいな大衆の安易な心理が反映されたからだ. ■不良債権の深刻化 さて,今回の不動産バブル崩壊で大変なのは,Ziaoleiさんのような一般人だけではない.一番深刻なのはローンの貸し出しをしている銀行といえる.もともと中国の銀行は大量の不良債権があるといわれているけど,今回のバブル崩壊で不良債権問題が表面化される可能性がある. あるエコノミストによると,上海の銀行での76%の貸出債権は不動産にあてられているという.当然のことながら政府は空室率や在庫状況などの重要データは公表せず,だれも現在の実態を知る人はいない. しかしながら,銀行が不動産物件を担保に貸し出しているのであれば,大量の不良債権を抱える可能性があり,銀行の倒産など悪いニュースもでてくるかもしれない. 2006年の中国.ちょっと注目したい.
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