自由競争・実力主義

「格差は悪いことではない」との小泉首相の発言．僕もとくに悪いこととは思わないけど，年功序列で支えられてきた日本の労働市場の将来は，今のアメリカみたいになってくるだろう．一応参考までに，今のアメリカの貧困の格差をご紹介しよう．

■アメリカ 貧困の格差拡大

• 2004年アメリカの大企業におけるCEO報酬と従業員給与の比率は430対1．


• 仮に最低賃金が90年以降CEO報酬と同率であがっていれば，23ドル3セント（現在5ドル15セント）

なぜ大企業のトップが巨額な報酬を与えられるのか？実力のある人材は転職を繰り返して，収入を上げていく．実力のある人は当然限られるため，引き抜きのためにどんどん報酬を吊り上げられる．その結果，大企業は優秀な人材を引き抜くには相当な額をつまないと引き抜けなくなってしまった．

逆に，大企業のトップ（実力者）は利益を重視するがために，従業員の健康保険や退職金を削り人員を減らし（解雇）し，利益を絞りだす．そして，政治献金などで政治家に金をばらまき，最低賃金を上げさせないようにする．すべては金だ．

勝ち組はさらに強くなり，負け組みはさらに弱くなる．貧困の格差は広がる一方だ．

■ 日本のニートたちよ．．．

さて，小泉さんがネオリベ的政策をすすめるのであれば，10年後には今のアメリカくらいに貧困の格差が拡大することになる．

先の選挙で圧勝した小泉政権．その一番の皮肉はニートたる都市型弱者層が小泉さんを支持したことだ．これから弱者はさらに厳しい社会が待ち受けている．

自分で自分の首をしめることにならないように，実力をつけてほしいと願う．