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テーマ:ニュース(100209)
カテゴリ:米BSE・狂牛病問題
アメリカで3頭目のBSEが見つかりましたね.米で3頭目BSE感染牛確認 狂牛病でイギリスよりもずさんな畜産をしているアメリカで狂牛病がないなんてありえないということは再三書いてきましたが,今回のニュースでアメリカの牛肉は本当に危ないということがわかったと思います. ■ 年間生産量の1%のBSE検査 「まだ,たったの3頭目じゃないか」と思う人がいるかもしれない.しかしながら,BSE検査は年間生産量の1%未満しかやっていないのだ.しかも検査は抜き打ち検査ではなく,畜産農家による任意に検査だ. 普通に考えれば,歩行障害など神経症状がでている牛はあえて検査に出さないだろう.そのまま殺してしまえば,BSE検査をしなくて済み,自分の農場は守ることができる. 「畜産農家で大丈夫だろうというとおもっている牛」のBSE検査(しかも全体の1%)で,3頭目のBSE発見だ.この3頭という意味は非常に大きい.もし,BSE検査を全頭やってしまえば,大量の狂牛病がでてくることは間違いないだろう. ■ 農務省の隠蔽はいつまで続くのか? それによって,畜産農家に大打撃を与えかねないので,米農務省はなるべく隠すように動いているように思える.事実,米農務省動植物検疫局のジョン・クロフォード主任獣医官は,現在実施しているBSEサーベイランスプログラムの「終結」に触れ、検査体制の縮小を示唆したらしい(関連記事) まあ,畜産業ののっとられている農務省はBSEの隠蔽に努力することはまちがいないだろう.ただ,これも1%の検査によって時間の問題だろう. ■ 食品安全性のメディア規制 この3頭目のBSEが発見されたにもかかわらず,相変わらずアメリカのメディアは大きく報じない.何度も述べたのだけど食品の安全性に関しては,アメリカのメディアはグレーをグレーと報道してはならないという食品悪評禁止法(Food-Disparagement Law)がある.
したがって,「BSEが発見された(事実)」とうことは報道できても,「BSE感染牛を食べるとヤコブ病にかかる(グレー)」ということにはメディアは触れたくない. ■ 不幸な消費者? 食品に関する悪い評判が流れない畜産業にとっては都合がいいのだけど,最大の被害者は消費者だ. 日本であれば,BSE発見で,日本牛の不買がおこなったのだけど,アメリカで牛肉消費にまったく影響がないのは,ただ単にBSEの恐ろしさを知らない(または知らされていない)だけの話だ. 「BSE?牛の病気だろ.おれは牛肉好きだから,気にしないよ」みたいな勢いだ. まあおそらく日本の吉野家ファン以上に,アメリカ人は牛肉が好きなことは間違いないだろう.知らないことがアメリカ人にとって幸せ?なのかもしれない. ■ ヤコブ病の集団発生? ただ,怖いのは,ヤコブ病患者が集団発生しているということを聞く.ニュージャージ州で13名がヤコブ病でなくなったのは有名な話.ほかにも,Pennsylvania 州では1993年に、 Florida州では1994年、Oregon州では1996年、New York 州では1999-2000年に、そしてTexas 州では1996年に報告されているらしい. さらに僕の知り合い(顧客)の知り合いでヤコブ病にかかった人が2人もいる(2006.03.03,2005.02.05).この狭い僕の世界で,2人ものヤコブ病患者を知り合いから聞くのはものすごい確率としかいいようがない.BSEがヤコブ病と関係しているのはわからないが,もしBSE牛が市場に流通している可能性は否めないのだ. もはや,アメリカ牛は超ウルトラスーパーデラックス危険と判断したい. P.S. 僕ら夫婦はアメリカ牛を極力食べないことにしています.どうしても牛肉食べたいときには,Trader Joes'や Whole Foodsの「オーガニック」の牛肉を買うようにしています.
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