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2007.05.28
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カテゴリ:ヘルスケア
一週間ほど前、32歳で出産の際に亡くなった奥さんと その死の真相をめぐって起こされた訴訟が、NHKのニュース番組で報じられていた。


メディアを前に会見した原告の御主人の言葉は 私の実家の方言に限りなく近く、耳が勝手に引き付けられるように聞いてしまう。

亡くなられた奥さんも アイドルのように可愛らしい女性らしく、出産を迎える当日まで 夫婦揃って本当に幸せだっただろうなあと思う。 もうじきベビーが出てくるよ。お父さんとお母さんになるんだよ。


問題が起きたのは 出産の際に 奥さんの脳に異常が生じていたようなのに、病院側は手薄で、まわり11の病院も受け入れ拒否のため 待っててください、と患者側に 1時間半待たせたらしい。そのうち脳内出血を起こして 容体は悪化、赤ちゃんは助かったが 奥さんは息を引き取られたとのことだった。


「病院に待っててくれ、と言われるままに 僕は1時間半 ずーっと待ってたんです。アホみたいに...。 それで結果的に手後れになったんやないかと。 自分をずっと責め続けています。」

病院に詳しい状況を説明してほしい、という 御主人の願いに背く形で、 病院側は多くを語ろうともせず、 真相を知りたい一念で 訴訟に至った、と。


悲しい。 こういうのは、本当に悲しい。




4週間ほど前か、 ここでも 出産時に若い女性が 亡くなったのだ。

私が勤めるのはカトリック系の学校で、敷地の中心は教会だ。 広いパーキングが朝10時頃一杯になっているのを 冬中、よく目にした。 だいたいは御年寄りだが、とにかくお葬式のミサが頻繁に行なわれている。


春になると気候の関係で、お葬式の数自体は減る。


シスター・ アンナが足が悪いので、一コマしか授業を持たない私が 週3回だけ、敷地内のシスターの自宅から学校まで、歩いて3分の距離だが迎えに行く。


ああ、またお葬式なんですね。 そういう私に、シスターが言った。 Today’s is Big Ceremony.


亡くなったのは35歳の 地元の公立中学校の先生。 特別擁護を受け持っていて、みんなによく知られている...。


出産時に。 Stroke(脳卒中)を起こして。


赤ちゃんは未熟児ながら取り出して 助かったのだけど。 彼女は助からなかった。


パーキングは一杯で、普段なら1時間ほどで終わるミサも 2時間ほどかかり、その後ようやく 車が墓地への行進で出発しはじめた。蟻の行進のように、ぎっちりと。


シスターを送るためにもう一度出迎えた際、シスター・アンナは また続けた。

ミサの間、先生たちや父兄が いろいろ彼女の事を偲んで 話していたらしい...。皆が思いもかけない展開で、 一様にショックを受けている様子で。


訃報の公示は 地方紙などで後日 見られるのだが、 よく癌などで他界した人の家族などでも、 ○○病院のスタッフに心から感謝している、 と書かれてあるのを目にする。


精一杯尽くしてもらっての 死 ですから。 そんなニュアンスが伝わってくる。



医療技術が進んだ 現代では、出産時に母体が、また胎児が死亡する件数は かなり少ないだろうと思う。

でも、起こり得るのだ。 病気ではないのだけれど 何か潜在的に 母体の健康に異常があるとき、出産時に 大きな変調が 起こり得る。 高血圧、肥満、肝炎患者、など 既に判っている場合は 病院も女性も それに備えて事前にいろいろできるのだが、 予想できないことが 起こる場合が、ある。



私の叔父の一人に、それが起きた。
私は2歳だったので 何もそのことについて記憶がないのだが、かの叔父は 奥さんと生まれてくるはずだった赤ちゃんを 両方、亡くした。


亡くなった奥さんを義妹として親しくしていたのは 私の母で、時が経つ中 誰も訪れなくなった彼女の墓所を、最近家を移るまで 母が定期的に参っていた。
...今 おもたらなあ。実家にお骨を返したげた方が よかったなあ。さみしいやろ、今のままは...。

叔父は数年後に 再婚して今度は普通に二児の父になり、もうあまり過去を振り返らなかった。



小梅を出産する前、 記憶にない その叔母のことを思って、 手を合わせる思いだった。
そして 自分にも同じような事が起こるかもなあ、と 少し心構えをして、出産に臨んだ。

母が、私が大学生の頃 「占い師が、あんたには死者が付きやすいと いうてる」(← なんで占い師が ひょろっと実家に現れて、そんなコメントを残していくんだ?) と遠距離電話で話した事がある。「ほら、あんた 小学校の先生を亡くしてるやろ。○○先生が付いてるかもしれんし、引っ張られんように」(← で、どうしろっていうんだ)


そんな会話が 頭に残って、 じゃあ何か起きるのは 早逝した叔母と出産に関わることかも なんて勝手に胸を暗くしていた自分だ。




日本では、 病院の医師、看護婦やスタッフの手が 足りない。
冒頭の 御夫婦の悲劇も、 精一杯の手を尽くして 助からない命なら、 こんなわだかまりは 御主人の中に起こらなかっただろう。

見るからに実直、誠実そうな彼の、「自責の念」という言葉が 聞いていて辛い。 この人のせいでは全然ないのだが、言われるままに何もしないで ただ医師が来るのを1時間半待っていた、そのことで この男性は自分を責め続けているのだ。

無念さや 病院への疑いや怒りが その人の心をさいなむ。 それが、辛い。



母国 日本で、もっと産婦人科医や 小児科医が増えてほしい。 また、増やしてほしい。
緊急時の対応を充実させるには、医師の頭数が増えないとどうしようもないだろう。
過酷な労働条件で 医師希望でも 産婦人科・小児科は避けられると聞く。 でも医師数全体が増えれば、負担は軽減すると思うのだが。


非常時に設備の整った他の病院から次々と受け入れ拒否をされる、という事態は、過疎の無医村状態に限りなく近い。
建物はあるのに ケアがあまりにも手薄では、 助かる命も助からなくなる。



次の生命が、将来を創るのだから。 がんばっておくれ、これから進路を決める若者たちも、医学教育を普及させる育成機関も、そしてバックアップする行政側も。





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最終更新日  2007.05.28 09:02:46
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