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カテゴリ:Italian Teacher
6月19日が 勤務先の学校の終業日だった。
その日は短縮授業日になっていて、25分の時間内に 生徒たちへの評価について話しておこうか、とか 彼らから感想を聞いておこうか、 とか Laura Pausini(ラウラ・パウジーニ ;2006年のグラミー賞 ラテンミュージック部門で受賞した。イタリア政府から 同年、受勲の栄誉を受ける。)がカバーした Il Canto libero(Lucio Battisti;ルーチョ・バッティスティ)を 聴かせてあげようか、 などと予定していたが。 当日、誰も姿を現わさなかった。 体育館兼ステージで 皆ずっとバスケットをして 遊んでいたのだ。 これは担任の先生の裁量の下 やっていたことだから いいんだけど。 でも 担任のMr.ジョンが 一言の連絡もないまま、私は知らないで 伊織と一緒に 教室で待ち続ける羽目に。 で、授業時間 終わり。 後片付けをして、伊織を連れながら 車に入れる物を運んでいたら、 実質 成績評価不可にした 2人のうちの一人が 通り過ぎた。 授業は来なくてよかったの? と彼女に尋ねたら、 終業日は 授業はないから、 そう説明してくれた。 一瞬、落とした彼女に 自分が出した評価について説明しようかどうしようか ためらったが... やめた。 どう取られても、 私が自分の責任で出した評価だ。 最後まで 授業とかけ離れたことばかりしていた この女の子に、不可を出したのは 当然の結果だった。 終業式を観に 体育館に行くと、 教えた6年生(中学1年にあたる)たちは もとより、子供たち全体が ウキウキ ソワソワ 状態で、 学校が終わるのが 嬉しくてしょうがないのと 優秀賞の栄誉を受けるのは誰、という期待感で はずんでいる。 あまりにも 皆が自分のことで頭が一杯になっている 様子だったので、誰もこちらのことまで気がいかない風だった。 私自身も こんな時は その距離を縮めようとはしない。 ただなんとなく 特定の子供たちだけに笑顔を向けては いけないんじゃないかと、誰からも距離を置いたまま ステージに呼ばれては上がる子供たちに 拍手を送って、式が終了次第その場を後にした。 先にすれ違った、私が落とした女の子だけが 一人、何の栄誉も受けないままでいることに 気がついて、(イタリア語のクラスに関しては何の賞も設けていないから こちらは蚊帳の外なんだけど) 他の教師たちが 意外とシビアだったと感じた。 彼女は元々頭が切れるタイプで、真面目にやればトップに踊り出る。 授業を聞かないで 読書に耽ったり、コンピューターで違うことをやっていたのは 私のクラスでだけでは なかったということなのかも。 最後までその態度は変わらなかったので、私は落とした。 もう一人 落とした、こちらは これからもっとできないだろうな、と思われる男の子でさえ 読書プログラムをこなして 壇上に上がって賞状を受け取っていたというのに。 私が自分のクラスで 一等の評価を下した 女の子は、全成績で 二番手だった。 二番目の評価を下した 男の子は、怠りのない子で 一等賞。 何やかんやと いろんな種類の賞状を 山ほど独占してもらっていた。 こんな場で、子供たちの自意識が垣間見える。 それで、ちょっと目をそらしたくなるような思いでいた 私は、 翌日から ただ小梅と伊織の母親でだけ いられることが 本当に、ありがたかった。 ...あー、終わった。 無事終了したことに、 感謝、感謝。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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