面接で出た過去
合格通知を受け取り、入学金と寄付金を振り込み、今日は、一息である。面接の際、面接官からの話の流れで、ルナが語ったのは、”担任に嫌われてしまって。”面接官は、それ以上、突っ込まなかった。帰り道、私は、聞いてみた。vivien ”担任の先生って、今の公立中学校の先生?”Luna ”違う。小学校のM先生。”驚いた。もう、2年前の事だ。例のブラスバンドで、容疑者扱いになった時の担任だ。vivien ”何故、嫌われていると?”Luna ”学校を休んだ後、学校へ行った時に、先生から、 悲劇のヒロインだと思っているのか?と言われた。”vivien ”その時、お母さんに言えばよかったのに。 それは、先生がおかしい。”Luna ”今なら、先生がおかしいと解る。 でも、その時は、そう思えなかった。”vivien ”日本人学校では、そんな事なかったよね?”Luna ”無かった。でも、あれ以来、良い人の顔していても、 本当は違うんじゃないか、と思って、疑うように なってしまって、話が出来なくなった。”今更に、このような話を聞いて、怒りと、ルナがずっと抱えてきた苦しみを思い、私も心が痛んだ。何度も、つまづいたのは、心に大きな傷があったから、と理解できた。何故、大事な受験の面接で、そんな事を言うのか、という思いがよぎったが、その僅かな、たった一言、言えて、良かったね、と思う。そして、言えた、って事は、自分の心の整理も出来てきたのだと思う。面接官の人柄、受験した学校が持つものも、あの子の心を解放したのではないか、と思う。休んでいる間、ネットで知り合った人達とも、最近は、リアルで交流するようになり、その人達の影響も大きいと思う。色々な人達のお蔭で、あの子は、自信を取り戻し、担任の方が、おかしかったんだ、と思えるようになったんだ、と思う。学校へ行く事を楽しみにしている、ルナ。行きたかったんだよね、ルナ。