ソウルにて ・・・ もうひとつの再会
ソウルに着いた初日、念願のYとの再会を果たし喜び一杯だった私だが、翌日に迫ったK社長との再会を前に、その夜はどきどきしてよく眠れなかった。私がK社長の病気が悪化したことを知ったのはもうずいぶん前だが、その後、骨髄移植が叶い、移植後の拒否反応もなく順調だとYから聞いていた。放射線治療などの辛い治療も一通り終わり、今は自宅療養中とのことだったので、お宅にお見舞いに行くつもりで、Yを通じてアポを取っていたのだが、実際ソウルに行ってみると、私がソウルに入ったその前週から週に3日ほど会社に顔を出すようになったらしい。私がソウルに着いた翌日も出社の予定なので、直接会社に会いに来ればいいという。他の社員にもYが簡単に事情を話してあるので、皆が、私との再会を楽しみに待ってくれているという。K社長が出社できるまで体調が回復されたのだと思うと、それだけでまた胸が熱くなってしまった。さぞや、大変な日々をすごされたことだろう・・・・お昼少し前に会社に入った。会社のドアを開けると、ちょうど正面に見慣れた顔を見つけた。飲み仲間(笑)だったSamMok.KIMだ。小さく手を振るが私だと気づかない様子。首をかしげる。声をかけると、その声で「あっ!」と私だと気づいたようだ。心底おどろいた様子だった。周りにいたほかの顔見知りの社員たちも、同時に感嘆の声を上げた。「オモ・オモ!オモナー!セーサンヘー」(”Wow, oh my god!”ってところかな)見違えたーすごくきれいになったと、それはもう大げさすぎるほどに驚き、抱きついてくる女性社員達。考えてみれば、会社を辞める以前の私しか知らない人に会ったのは初めてのこと。だからこの反応には私も驚かされた。日本の友達は、定期的に会っているので経過を知っているし、会うたびに私の「顔」についての記憶がUp-Date~上書きされているので、もはや驚いてくれる人は身近にいない。(どこをどう手術しているのかすら「わからない」という子もいる程)私はなんだか胸が熱~くなって、ちょっと涙が出てしまった。「きれい」だなんて・・・生まれて初めて言われたかも。私の涙につられて、皆もうるうると涙している。そこへざわめきを聞きつけてやってきたK社長の姿が見えた。少しやせたように見えたけれど、それでも思ったほどやつれている風ではなく、優しい眼差しは以前のまま。こらえていた涙が、もうこらえきれずにどわ~~~~~~~~とあふれ出た。ああ、よかった。元気に・・・生きていてくれて。本当によかった。。。。<つづく>