カテゴリ:その他
密かにやっております、石本紹介。
おかしいと思うところはおかしいと書いてしまう、 やや辛口レビュー。 個人的基準ですが、ご参考になれば。 アフィリエイトも兼ねておりますので、 写真クリックで取り扱いショップにリンクします。 ●最初の意気込みで最後まで書いて欲しかった。 タイトル:癒しの宝石たち ~パワー効果と活用法の事典~ 著 者:北出幸男 出 版:青弓社 価 格:1600円(税別) 「水晶術」や「宝石の力」など、何冊ものパワーストーン関連本を出版している 北出幸男氏の最新作。 最初の方を拾い読みしていたら、「ここのパワーストーンの効用に詳しい人は多いが、石たちの相互関係には無頓着な人が多い」という一文があって、石の分類は成分や結晶系などで系統立てて分けられており、鉱物の相互関係という視点でパワーストンを見ると、パワーストーンとしての相互関係もわかりやすくなり、石への理解も深まる……というようなことが書いてありました。 おお、これはおもしろい、と読んでみたのだけれど、出だしの意気込みは、思ったほど内容に反映されていないかも。 内容は ◇水晶の形状別小事典 ◇水晶 色と内包物の小事典 ◇メノウとオパールの小事典 ◇ケイ酸塩鉱物の小事典 ◇各鉱物の小事典 に分けられていて、かなりたくさんの石(項目数で171)が紹介されています。 おおざっぱに見て鉱物といいながら、かなり水晶関係に特化している様子。 形状や色、内包物の項目で分けていることからもわかるように、鉱物の相互関係(どの鉱物の成分がどう変化すると違う鉱物になるのか)などは、最初の意気込みほど語られてはおりません。 せいぜい普通のパワスト本よりも鉱物的な記述が多めかな、という感じ。 また、各石の紹介についても鉱物的な記述があるもの、ないもの、いきなりイメージ的なものなどさまざまで、「鉱物の相互関係という視点でパワーストンを見ると」という期待で読むと、ちょっと肩すかしを食らいます。 しかし、いろいろな石を説明したパワーストーン本としては、かのクリスタルバイブルをしのぐ数を紹介しているので、読んでいると楽しいのではないでしょうか。 著者・北出氏の感覚がかなり入っているので、そのあたりは好みを問うかもしれません。 写真が巻頭のカラーページと、内部で何カ所かにまとめられたモノクロ写真であるのが残念。 なかにはストロベリー・クォーツの内包物を微細なルチル(実際はゲーサイトかレピドクロサイト)であるとしていたり、グリーン・ルチルをアクチノライトと誤解させるような記述で紹介していたりと、やや不安な箇所もあります。 ●北出幸男氏のその他の著書 天珠の説明が詳しいです。 ●天然石検定教科書第2弾! いよいよマイナーな石も。 タイトル:ジェムストーン 天然石がわかる本(下巻) 著 者:飯田孝一・天然石検定協議会 出 版:京都マリア出版 価 格:3500円(税込3650円) 最初に出た「天然石がわかる本」には「上巻」の表示がなかったので、いきなり「下巻」を見てちょっととまどい。 「上巻」は天然石検定2級公式教科書、今回出た「下巻」は天然石検定1級公式教科書だそうです。 今回取り上げられているのは、アイボリーやパール、コーラル系など、「石」とは言い切れないものも多いです。 またバリサイトやガスペアイト、ユーディアライトなどの比較的マイナーな石も取り上げられています。 個人的にはグラニット(グラナイト・花崗岩)やマッド・ストーン、サンド・ストーン(泥岩・砂岩)、ライオライト(流紋岩)など、ジャスパーなどに間違われている石がきちんと紹介されていたあたりが興味深いものでした。 しかし、上巻に比べて著者の私見が目に付くのが、いささか残念。 クリノクロア(クローライト)の項の写真のところに「時代の流れか! かつてこれほど地味すぎる石が宝石として流通したことは記憶にない」とあるが、これは余分な記述でしょう。(←クローライト好きのぼやき) そのほか、説明の中で「右ページの中段の××のとなりの小さな原石」などのように石を指示するのがわかりにくい。写真に番号を付けて欲しかった。 違う分野で、あとになって誰かが検定制度を始めたところ、後にその検定を受けていないとインストラクターができないような流れになってしまったということがあったそうです。 検定を受けていないと石屋ができないようになったらいやだなあ……という声を聞きましたが、私としては逆にそうなって欲しいかも。 石好きにとって石屋さんは、まず頼りにするところですから、ある程度の正しい知識をお願いします。 好みや意見はいろいろあれど、この本はスタンダードにおすすめ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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