カテゴリ:インド産
毎度毎度の繰り返しで恐縮ですが、私は「変な石」が好き。
自他共に認める「変な石」好きの私が「いい!」と言う石には、 いくつかのパターンがあります・ ●「KUROさんらしいね~」と言われる石 →するに「またまたこんな変な石選んじゃって~」という、 他人から見れば変でよくわからない石。 ●「あ、これおもしろいね」と言われる石 →きれいではなくて「変」ではあるけれど、 その変さ加減が他人にもわかってもらえる石。 ●「うん、これいいよ、いい石だよ」と言われる石。 →他人から見ても「いい」と思える石。 変な石好きの私でも、他の人も「いい」と思う石を選ぶことはあるのです。 さて、このような「他の人もいいと思う石」というのは、 当然、お店の人も「いい」と思う可能性が高いので、 石を並べれば、目立つところに置かれたり、きれいにディスプレイされたり、 もちろん、ひときわぬきんでた値段がつきます。 つまり、素直に「あ、いいな」「すごい」と思う石は、 やはりきれいで、値段も高い石……と言う可能性が高いのです。 しかし、パワーストーンについてのやりとりで見かける 「価格が高い石の方がパワーが強いのか」という質問については きっぱり「否」と申し上げましょう。 前述した理由で「いい石」は、お店の中で高価格帯に位置することが多くなりますが、 価格そのものには石のグレードによる差のほかに、 人件費や店の場所代、仕入れたときの円相場など、 石には直接関わりのない状況が大きく影響しています。 それなのに、価格が石のパワーに直結しているとは思えません。 石の判断基準を、そんなものに直結させないでいただきたい。 (パワーストーンに限らず)「いい石」は価格も高いことが多いけれど、 何事にも例外というのはあるものです。 2007年12月の池袋ショーの白眉。 私が「いい!」と思い、自慢し、見た人も「いいね」といってくださった石。 それは、これ。 おなじみ、インドはマニカラン村産のアイス・クリスタルです。 長期継続中の溶けた水晶マイブーム中の私は、 やっぱりアイスクリスタルを見てしまいました。 最初の頃から比べると、人気に伴って高騰しているので、 なるべく安くていいものを……と、籠に山盛りにされた石を「掘って」いました。 籠に入れられた石は、ぶつかって欠ける可能性とも隣り合わせ。 言ってみれば「B級品」。棚や台にきれいに並べられた石に比べると、 一段格下の扱いであることが多いです。 この石は、そんな中から見つけたのです。 最初に目を付けたのは大きさでした。写真の石の大きさは約5センチ。 小さなものが多い籠盛りアイスクリスタルの中では、ちょっと目をひく大きさでした。 それにつられて手に取ってみると、緑の色合い。 「あ、緑泥入り。珍しい」 アイスクリスタルは鉄分でピンクになっているのが多く、 中にはピンクを通り越して鉄さびに覆われかけているものもありますが、 緑泥入りは初めて見ます。この特徴で、心の天秤はほぼ購入決定に。 一応、いろいろチェックしてみます。 大きな欠けはなし。籠盛りでは欠けチェックが欠かせません。 表面も程よく溶けていて、先端もアイスクリスタルらしく平らに溶けています。 よく見ると先端の溶けたところが年輪のようになっています。 これもアイスクリスタルの特徴で、 この特徴がきれいに出た石が欲しいと思っていたので、この点も○。 先端が溶けているものでは、錐面の部分がまるっきりなくなっていて 柱面だけの場合もありますが、この石には錐面が残っているので、ここもチェック。 予想以上の▽連打。 最初こそトライゴーニックだ~!と騒ぎましたが、 このときにはすでに騒ぎは終了。 しかし、これだけたくさん、重なり合うように現れた触像は、なかなかよろしい。 後で写真のように拡大してみると、大きな▽の中に▽がさらに現れたりしています。 緑泥入りで、形も特徴が出ていて、しかもはじめて見る緑泥入り。程よい大きさ。 良いではないか、買いましょう!……と早速購入。 買ってから、休憩がてらに座り込んで再びじっくりと見ていたところ……。 これは! 「それ」を見つけたときには、内心狂喜乱舞。 まず、緑泥入りと見えていた部分は、ファントムでした。 表面の触像による凸凹のせいで、見えにくいけれど、これは確かにファントム。 緑泥入りでも初めてみたのに、ファントムとは! さらに。 この石には柱面に大きなくぼみ、溶けてできた穴がありました。 矢印の所です。 触像水晶であるアイスクリスタルに溶けて穴が開いているのは珍しくもありませんが、 この穴はちょっと変です。中が平面のように見えます。 いろいろとひねくり回してみると……これは。 写真ではどうしても移らないので、図示します。 横から見ると、ファントムのラインと穴の中に見える平面部分とが一致している。 ファントムの表面、つまり、かつての錐面が溶けて露出しているのです。 錐面である証拠に、この穴の中の面にもトライゴーニック! 形よし、特徴よし、▽良し。はじめて見る緑泥ファントム入りで二重の錐面持ち。 これだけいろいろてんこ盛りの石が、籠の中にあったとは。 まさしくラッキー! ……ということで、「いい石」との出会いとは、 びっくりするところにもあるものなのです。 「いい石と出会うには?」 そんな質問があったら 「1に運、2以下が同率で気合いと根性と努力」 と答えましょうか。 運というのは確かにあると思います。 私がたまたま石や巡りやミネラルショー通いができる環境にあるのは運かもしれません。 「いい石」がある店にたまたま足を踏み入れたのも運かもしれません。 しかし、そこから探して見つけるという課程には、気合いと根性と努力が影響します。 いい石は自分で見つけるのだという気合い。 時にはお昼を食べるのも忘れて籠の石を掘る根性(?) 店の隅のラベルのない石から探すために 石を見分けたり、どんな石があるのかの情報を得たり、素人なりにがんばります。 好きなことに労力を使うのを「努力」というのは、 ちょっとおこがましいかもしれませんが、 自分では何もせずに「いい石が欲しい~」「安く買いたい~」と言っていても それは無理なことなので、やはり「努力」なのです。 こちらではもうすぐ新宿ショー。 どんな石との出会いがあるか、わくわくそわそわ。 同時にそれは日頃の努力と石を見る目が試される場の到来でもあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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