カテゴリ:アクセサリー&手作りもの&番外編
ちょっと順序が逆のような気がしますがご容赦を。
昨日のパムテックに続きますは天珠。 実は私、天珠も好きです。 とりあえず、お気に入りの天珠を集めてみました。 九眼天珠、金剛九眼天珠(たぶん)、天地天珠、星辰天珠、龍眼天珠、一眼天珠、如意鈎天珠(あるいは如意天珠)……です。 石と同じく、意味に興味はあるけれど、選ぶ際に優先順位が高いのは「見た目」の方。 さて、この天珠、本物が偽物が……と言い出すと、石以上にやっかいです。 たとえば、水晶だと言いながら実はガラスという場合は堂々の偽物ですが、 アクアオーラのように表面加工した場合は? 放射線照射の黒水晶は、よく偽物と言われるけれど、染めの瑪瑙は? ほぼ染めばかりのオニキスのビーズは? 石の名前や産地をごまかしていた場合は? ごまかしじゃなくて、間違い、勘違いだった場合は? ……このように、石でも結構やっかいなのですが、天珠はビーズ。 繰り返しますが、瑪瑙(縞模様が顕著ではないのでカルセドニーと呼ぶ方が適切)に特殊な方法で模様を染め付け(焼き付け)たもの。 つまりは「加工が前提」であるうえ、その歴史から骨董としての価値や、 お守りビーズとしての意味合いも加わるので、とても一筋縄ではいきません。 天珠は、その歴史が何千年もさかのぼるといわれます。 古代の人々が祈りを込めて作り、大切に伝えてきた歴史あるビーズ……となると、 当然、そういうアンティークな天珠が欲しい! という人も多くなります。 が、ここで一つの落とし穴。 ごくおおざっぱに言うと、 天珠の歴史は紀元前にさかのぼり、紀元後1000年位には作られなくなった (ただし、17000年代頃まで、モンゴルの方に伝わっていたという話もある) ……そして、一度は製法が失われたものの、近年再び作られるようになり、 1994年の航空機事故で生存者が天珠を身につけていたと語ったことから、 ブームになったのだそうです。 ここで疑問なのが「近年」。 あるお店で聞いたところ、ふつうアンティークと言われるのは100年以上たったもののこと。 ところが、天珠に至っては 「一度廃れて、再び作られるようになったタイプで、180年くらい古いのを見たことがありますね……」 とのこと。 復活天珠でさえ、アンティークの域に達しているものもあるというわけ。 再び作られるようになった天珠でも、丁寧に作られたものは十分きれいだと思うんですが、 「アンティーク(注:廃れる前に作られたもの、あるいはなるべく古いもの)の天珠が欲しい!」 ……という要望に答え、あるいはそこにつけ込んで、古くいわくあるものに見せようという「演出」も、後を絶ちません。 ここで落とし穴その2 これは私が疑問に思っていることなんですが。 天珠の中には「老鉱石」、 つまりベースの瑪瑙(またはカルセドニー)は古い石を使って作っています…… という天珠があります。 そうかそうか、加工は現代でも古い石を使っているなら、 新しい石で作られたものよりもアンティークに近いんじゃないか。 そう思ってよいものか? 石好きさんなら、このあたりでピンときてくださると思うのですが。 石が古いって? そもそも石は成長するのに長い時間がかかるもの。 瑪瑙やカルセドニーでも同じです。 「老鉱石」と「そうではない石」があるとしても、 「そうではない石」は、掘った時期が新しいというだけで、 「老鉱石」を掘った後に結晶したものではないはずです。 単に最近まで大地の底に眠っていたと言うだけで、 パワーストーン的に言うならば、それだけ余分に大地のエネルギーを受けていたということなんですが? それとも、「老鉱石」は、製法が廃れる前、オリジナルの製法を知っていた人々が下ごしらえ(?)をした段階で残っていた石とか? そんな説明はありませんし、天珠になっていない、ただの瑪瑙が何百年も保存されていたとは思えません。 (翡翠などでは、加工途中のものが発見されたりしますが) あったとしても「老鉱石で作りました」と売られている天珠の数をまかなえるほど多いとも思えません。 なんだか、聞こえのいい宣伝に思えるんですけど……。 そしてさらに考えたいのは、 お守りビーズとしての天珠が古くなければいけないかということ。 これが神社のお守りやお寺の数珠、同じ目玉お守りであるトルコのナザール・ボンジュウ、あるいはキリスト教のロザリオ…… 厳密には「お守り」でなくても、まあ、「お守り」と見なされるもののほとんどは、古い形を守りながら、今現在も新しく作られています。 「骨董」としての価値と「お守りにしたい」という思い、 パワーストーン(の一種)としてのパワーのあるなしを一緒くたにするのは、 大変危険です。 これが正しい、間違いだとはいいませんが、 いろいろな価値観がミックスされているものであることは確かなので、 あふれる情報を冷静に判断し、自分の価値基準をどこに置くかを決め、 相手や店の価値基準がどこにあるかを判断しなければならないでしょう。 で、私の基準。 実は、大変古いだろうという天珠を持っている人に 実物を見せていただいたことがあるんですが、 それはもう、なんというか、なるほど現代天珠とは別物だ……と思える存在感でした。 以来、その天珠の「雰囲気」が私の判断基準。 とてもとても年季の入った天珠には手が出ないけれど、新しい天珠でいいから、あの天珠に通じる雰囲気が欲しい。 すなわち (1)白と黒の二色の染料を染め付けたもの。 (2)模様ははっきり(でも、マスキングしたような味気ないくっきりさではない) (3)白と黒の色合いが濃いもの。 (4)模様はその起源が古いと思われるもの 天珠の製法には実はいろいろなタイプがありまして、古いものは白っぽい瑪瑙(またはカルセドニー)に白と黒の二色の染料をしみこませ、焼き付けていたようです。 しかし、今では白くしたカルセドニーに黒だけで模様を描いたもの、もともと色のついた瑪瑙(カルセドニー)に白で模様を描いたものなどがあります。 個人的には赤~茶色のカーネリアン(中にはガラスもあるんじゃないかと……)に、ペンキのような白い染料で模様を描いたタイプはちょっと……。 ビーズとしてはかわいいんですが、天珠という名前で呼ぶとなると、頭にはあの存在感ある天珠が浮かぶので、そのギャップが……。 それに、模様も古くは○と直線からなる、比較的シンプルなものだったと思うのですが、最近はいろいろ「新作模様」もある様子。 中には「ツチノコ」にしか見えないものもあったりします。 確かに天珠は古い歴史を持つビーズですが、「☆」マークや「龍」の絵を描いたものに天珠の歴史の説明がくっついていると、とても違和感があります。 最近見かける龍鱗とか、龍紋とか、火供天珠とか、ひび割れ模様の天珠も、最近見かけるようになったものだと思います。 少なくとも、私が見た天珠の専門書には、このタイプは一つも出ていませんでした。 まあ、「持っていると楽しい」気分になるのであれば、すべては個人の好みなんですが……。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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