カテゴリ:アクセサリー&手作りもの&番外編
天珠話が長くなったので、分割です。
さて、天珠。 何かと言えば、ビーズです。 身につけるために、装身具として仕立てるために作られた形なのです。 (中には「違うだろ」といいたい、枕みたいに大きい天珠もありますが) せっかくビーズなのだから使いたい! が、……そうは問屋が卸さない、手強いビーズ、天珠。 まず、大きさ。一番よく見かけるレギュラー・サイズと言いたいものは、 長さが3.6センチ~4センチ。 先日のパムテックよりは短いですが、それでもブレスレットには大きい。 もともと、天珠は首飾りにされていたようですから、この大きさなんでしょうが、 ネックレスにするにも、この大きさ、この模様はインパクト大。 小さいサイズがあっても、今度は模様の好みと全体的なバランスがいまいちで、 帯に短したすきに長し。 色つき瑪瑙に白(ベージュ~茶色)で模様を描いたタイプには、なかなかよい形、大きさのがあるのに、惜しいことです。 次なる難関は……あわせる素材。 これも、パムテックと同じように個人的好みだと思うんですが、 私から見ると、石のビーズなのに石ビーズがあわない! 透明な石もだめ、不透明な石もだめ。丸いビーズはもちろん、さざれもあわない。 チャレンジしては玉砕を繰り返し、最近では 「天珠はルースやタンブルと同じアイテムなのよ」と いい加減さじを投げていました。 ところが、つい先日のことです。 アンティーク、民芸系のサイトを見て回っていると、 ……アジアやアフリカのアンティーク・アクセサリーの感じがとても好きなので。 それに、アンティーク・ビーズに混じって天珠も扱われていたりします…… ふと思いつきました。 これだ。これならいけるかもしれない。いや、いける。 その素材は手元になかったので、ネットで探していると、 ほかよりもお手ごろ価格だったお店に、 たまたま新しくアップされたのが、超・お手ごろ価格! しかも初回割引あり。 これは「作れ」という天のお告げ! ……と勝手に解釈し、早速チャレンジしました。 私が天珠にあわせたもの……それは、真紅のガラスビーズ。 鮮やかな赤なのに、名前は「ホワイトハーツ」。 これは、白い不透明ガラスを芯に、その上に透明感のある赤いガラスを巻き付け、 赤の色をより美しく見せたビーズなのです。 このビーズは、1800年代~1900年代にイタリアのヴェネチアなどで作られ、 アフリカ、アジア、アメリカなど世界各地に輸出され、 人々を魅了したトレード・ビーズでした。 アンティーク・アクセサリーでも小さな赤いビーズを無数に連ねたものが見られます。 ボリュームとインパクトを持つ天珠に、ボリュームのある天然石ビーズをあわせるから難しいのかもしれない。 大きなものにあえて小さいものを組み合わせ、その対比でバランスをとってみてはどうだろう。 そんなことを考えたのです。 天珠がお守りビーズの歴史を持つのならば、ビーズも歴史を背景に持つものを。 そしてあわせる色は、赤。 天珠はチベットでは山珊瑚などと一緒に連ねられるように、赤と相性がいいようですし、 (私好みの)天珠の色合いに負けないのは、やはり赤。 パムテックの場合は「木」の質感にあわせて渋いラインナップになりましたが、 天珠は黒と白(~ベージュ)のコントラストが大きい色で、模様も大柄でモダン。 ならば、いっそ強い色あわせが合いそうです。 赤いビーズなら、ふつうに売っているじゃないか…… それが、違うのです。 作ろうと思い立ったとき、まず最初に天珠をポケットに忍ばせて手芸屋に行きました。 そこで、ふつうに売られている赤のシードビーズに合わせてみると……。 透明赤のシードビーズ……意外に色味が暗い。 不透明赤のシードビーズ……色味が軽い。均一で、天珠のボリュームに負ける。 銀引きの赤(透明赤のビーズだが、糸を通す穴の中に銀色が入れてある) ……きらきらしすぎ。 小さいビーズに天珠に負けないインパクトを求めようと言うのですから、 やはり強く深みある色でなくてはならない。 そこで行き着いたのがホワイトハーツ。 芯に不透明白が入るので、赤の色が鮮やか。赤い層は透明なので、不透明赤のシードビーズのように色が軽くなりません。 買ってみたビーズは、贅沢を言えば、あとほんのわずか色が深く、透明感があれば……なのですが、やっぱりふつうのシードビーズとは一線を画す美しさ。 小粒(丸大と呼ばれるシードビーズと同じくらい)でも、全く天珠に負けません。 で、構想通りに天珠(お気に入りの色濃い天地天珠)を中心に、 手作りのニュアンス豊かな可憐シルバーでアクセントをつけつつ アームの部分はホワイトハーツで三連に。 ちょっと色が明るいので、真鍮ビーズを混ぜてトーンダウンをはかります。 天珠の反対側の金属パーツは、アクセントであると同時に、 重い天珠に引きずられてブレスが手首で回転しないように、 重さのバランス用でもあります。 そして、天珠の脇に、ぷっくり丸いガネーシュ・ヒマール産のさざれ水晶を一粒。 これは、もちろん、アクセントであると同時に、石好きのささやかな意地。 天珠とその歴史のルーツであるヒマラヤとを、イメージ的に結ぶもの。 透明パーツがなく、「閉じた輪」になってしまいそうなこのブレスレットの「呼吸孔」。 シノワズリというかアジアンというか…… 冬場、黒いセーターなどを着たときに、袖もとからちらりと見えるとおもしろいかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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