依頼される側も夢を見る?
ビルダーP社に訪問したときのこと。 HMとかだと、結構早い段階(具体的な希望を伝える前の段階)で、予算を聞かれる。でも、P社は、「どういう希望があるか」が先だった。 そこで、持っていった切抜きを見せながら、すっごーーーく細かい話までした。一つ一つの写真に興味を示してくれて、話はドンドン盛り上がる。 「こういう希望の方は今までいらっしゃらなかったので、うちとしても是非やってみたいです」と言われ、私の脳内でアドレナリンが大放出されて、話す口先も軽やかに~。 トイレはカラフルにペンキ塗りだの、 お風呂は、いかがわしい雰囲気で赤だ、紫だ、ピンクだ 玄関は街のようにするだの、台所にフラメンコのステージを設けるだの・・・ 散々話して、出尽くした頃に、「ところで、ご予算はおいくらでお考えですか?」という定番の台詞。 きたーっ! 「本体工事も、付帯工事も、コミコミで○○00円です。」 「なるほど。・・・今、お話を伺った感じだと、結構広そうなイメージなんですが、述べ床はどのくらい、というご希望がありますか?」 「はい。37~40坪で」 「・・・そうですか・・・。(電卓をはじく) 今のご予算で、その広さだと、坪70万ですが・・・うかがったお話を実現していくとすると、最低でも坪80万はかかるかと思います。そうしますと・・・(電卓をはじく)☆000万円というラインが見えてくるんですが。」 「予算オーバーです(きっぱり!)」 「そうですね。そうしますとですね・・・さきほどから色々お話いただいて、うちとしても是非実現していただきたい、と思うんです。うちとしては、そういう場合、述べ床面積で調整するというのも考え・・・」 「いえ! テイストは妥協しても、慣れてくれば『これはこれでよかったね』と思えると思うんです。でも、広さというのは、今までの生活で必要だと感じているものなので、広さを削ると後悔します(断言)。述べ床を削るなら、他のものをガンガン妥協していくつもりです。」 予算も知らないままに夢を語られたP社も、頭の中でドンドンと絵が描かれていく。おそらく、期待もするだろう。「ああ、いい感じじゃないか。うちとしても儲かりそうだし、宣伝にもなりそうだ。施主さんよ、予算はあるんだろうね。頑張ってくれよ。うちもその夢、乗っかるぜ!」みたいな感じなのかなー。 で、予算を聞いて「おいおい、施主さんよ。その予算じゃ無理だってば。え?テイストは二の次ってか?じゃあ、うちとしては宣伝効果もないってか。儲けも大したことないなー。しゅるる~(膨らんだ期待がしぼむ音)」 って、最初はどの施主も「夢」を見るように、予算を聞かされないまま話を聞いた業者も「期待」を抱いているんだろうなー。 そして、両者にとっての現実である「金」の問題に直面し、夢と期待がしぼんでいく・・・。まあ、業者さん側の「期待」はすでにしぼんだかもしれないけれど、私の「夢」はまだ現役。だって、まだ見積もり見てないも~ん。ああ、それにしても手持ち無沙汰だ。P社さんの間取り案&見積もり・・・カモーン!