わらしべ工房 畳屋の楽屋裏(ブログ)
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久々の更新です。ちょっと今日は嫌なことがありました。でもその事は自分にたくさんのことを教えてくれる出来事でもありました。今日の仕事は、国土交通省関係のある事務所の社宅の表替えでした。(だいたいこのくらいの時期に、予算消化の目的で畳替えとかすることが多いです)ところで、俺が普通畳替えの注文を受けて見積もりに伺ってから後日に工事、集金まで、大体は大歓迎、感謝されて全てを終えるパターンがほぼ100%なので、お客さんが冷淡な態度だったりするととてもショックを受けます。今日はそのような状況でした。公務員の社宅の場合は、当然住民の考えに関係なく畳替えをすることになります。なので、面倒くさいという態度を露骨に表す方もいます。今日の畳替えをした部屋は4.5帖間に絨毯+セミダブルベッドという状態でした。妻と二人かがりで頭と体を使いながらなんとか畳をはがしました。その様子を見てて、そこの部屋の奥様は夕方納品の時にこうな風に言われました。「ベッドもう少し丁寧に扱ってくださいね!」別に荒々しく扱ってたつもりも無かったのですが、四苦八苦しながらやってた様子を見て雑に感じられたようです。しばらくすると今度は、ベッドの傷を探すようなことをし始めました。「あ、こりゃベッド触らないほうがいいな…」そう思って、ご主人にお願いしました。「なんかあると困るので、ベッド分解して、部屋の外に出してもらえますか?」で、ご主人「私、そんなことできないです。いつも引っ越し業者にまかせてますから!」涙目で訴えてきました(ように見えた)。普通の一般家庭の畳替えではまず起こりえない異常な状況に胃のキリキリする痛みをこらえながら今回の工事の担当者を携帯で呼んで状況を話し、立ち会ってもらって無事(なのか?)敷き込みを完了しました。ありがた迷惑に感じている家の人の畳替えは大変でした。国民の税金を感謝のかけらも無い人たちの畳替えに使われるのは忍びないです。でもそのお陰でうちが仕事できたのでちょっと複雑です。もちろん社宅に住む公務員が全員変な人ばかりではありません。畳を担いで階段すれ違って「ご苦労様です」と声を下さる人もいます。部屋の畳をすぐに剥がせる状態にして下さっている人もいました。でもどちらかというと、整理してくれてない人、敷物の鋲すらそのままの人が多かったです。普段、一般の畳替えの場合、「とくに片付けは必要ないです。こっちでします」とは言う事がありますが、今回の社宅の畳替えのことを考えると、ある程度家の人の協力と理解がないと、畳工事って成り立たないんだなぁと感じました。全く感謝されない今日は畳の重さが倍くらいに感じました。このことからすると、今まで俺は、正直儲けパワーで重い畳を担いできたと思っていましたが、決してそれだけではなくて、他の人を喜ばせたいというの動機も無意識のうちに持っていたことがはっきり分かりました(全く喜ぶ要素の無い人のために畳を持つ力はあまり無かったです)。あと、「人の振り見て…」で、自分の身の回りでいろいろと仕事をしてくれる人達にはちゃんと感謝の気持ちを表そうとも思いました。自分に接する人達には喜んで仕事してもらえたらいいです。(小学生の作文のようになってきました)なんか愚痴に近い内容でしたが、なんとなくリセットできたみたいです。
2006年11月28日
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今日の仕事。20年目の表替え。ただし縁無し(本物の琉球)畳から縁付きの畳に変更です。本ワラ床を使ってましたが、切り口がガッツリ膨らんで、凸凹がすごいことになってました。新畳をすすめるかちょっと迷ったものの、そこはチャレンジャーな俺。「大丈夫! 表替えできますよ!!」補修かなり大掛かりになるし、寸法も全部いじららないとならないし大変だ…と思ったので、昨日は布団の中でイメージトレーニングをして寝ました。びフォーあふたー心配だった寸法もしっかりでて、ほっとしました。膨らみも凸凹も直りました。□畳表 「北出親畳会」小田さんの2番正直こんなにうまく収まるとは自分でも思いませんでした…という感想を、お客さんには言いませんでした。(でもブログ見てくださってたお客さんなので、バレマス)こういう仕事は勉強になります。ありがとうございました。
2006年11月08日
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久々にバーチャルな世界に帰って来ました。ある人に言われました。「忙しいか、寝込んでるかどっちかと思った」あんまりこの言葉使いたくないですが、忙しかったです。昼飯食べてる時間も無いくらいでした。現在はちょっと落ち着いた感じになってます。でも、今から年末にかけて、とてもデカイ波がもう一個きます。その波にうまく乗ると大晦日まで仕事漬けになります。「大繁盛ですね」と、よく言われます。でも、基本的には一人で回している店なので、量的にはたいした事ありません。また、冬になると仕事は止まりますので、シーズン中くらいは大繁盛の状態で無いとむしろやばいです。食べていけません。で、重大発表です。(東松島周辺の畳屋さん、必見です)今月の中頃に折込チラシ撒きます。内容は、○割引なし○特売一切なし○客寄せパンダの品も一切なし○ミニゴサ、ウスベリなどのつまんない景品もなし○どちらかというと、当たらないと言われているイメージチラシ系○とちらかというとマニアック系○サービスと価格はしっかり載せる○見てて楽しいと、いう感じです。いつも思ってるんですが、畳屋さんはバンバンチラシとかやればいいと思います。いろんな畳屋さんが、たくさんチラシだせば、それだけ地域の人が情報に接する機会が多くなって、畳替えようかって考えると思うんです。たくさんの畳屋さんがチラシ出すと一時的にはお客さんの取り合いみたいな状態になると思いますか、ほんのちょっと長い目で見ると地域の畳シェアは上がると思います。なので、競争はいい事だと思います。新聞に「あゆみ畳」さん(全国展開している安売り店)のチラシが入ってるのを見ると妙に嬉しくなります。うちとは形態の違う畳屋さんではあるものの、なんか燃えてきます。というわけで、最近は、現場と工場とチラシ作成にどっぷりでブログ休んでました(見ててくださった人スミマセン)。
2006年11月07日
最近、ワラ床を使わない畳屋さんが増えているようです。理由は、畳屋さんの老齢化のため、「クソ思いワラ床なんて担いでらんねー」というわけで、軽い建材床(ワラ床の3分の1の目方)を採用するということのようです。が、もうひとつの理由として、良いワラ床ができなくなった、というのも大きな理由のような気がします。コシのある畳床に不可欠な長いワラが入手できなくなったり、古い畳を解体して取ったワラをリサイクルして使ったり、高い技術を持った人がいなくなったりなどのいろんな理由で、良いワラ床を製造するのが難しい時代になってしまいました。以前、私も上記の理由で、仕入れていた畳床の質がたった数年で明らかなくらい低下したために、しばらくはワラ床の使用をやめて、均一な工業製品である建材床を採用して畳を作っていました。しかし、二年ほど前、優秀なワラ床を製造している工場を見つけました。初めてその工場で作ったワラ床で畳を作った時ちょっとしたショックを受けました。建材床並の均一な仕上がりなのです。そしてしっかりとしたコシがあります。でも良く見ると、決して最上等なワラを使用しているわけでもありませんし、リサイクルされたワラも使用しています。つまり、技術で質の低下をカバーしているわけです。そこのワラ床から、目に見えない研究と努力を垣間見れます。そして、その工場の姿勢は、製品の質だけではありません。1ミリ間隔で数種類の厚さの床を常時在庫して、急な注文に土日関係無しで、対応してくれます。最近では、どちらかというと急なお客さんの注文も多い傾向にあるので、二年くらいの間に何回も助けてもらいました。しばらく昔に、どんな畳床でも作れば売れるという畳バブルの時代がありました。その時代を経験してきた床工場が、決め細やかで儲けの出にくい商売をするというのは大変なことだと思います。でもそのような工場が現に存在しています。わらしべ工房ではそこの工場の大変すばらしいワラ床を使用できることを感謝しているとともに、その工場の畳に対する真摯な姿勢からもいろんなことを学ばさせてもらっています。□当店自慢の…製のワラ床。最近のワラ床には珍しく、すばらしく平らで腰がある。材料のワラはとりわけすばらしいものを使っているわけではないのだが…
2006年10月05日
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♪みぃ~のるい~なほにふぅじとはとぉ~と、言うわけではりきって稲刈り真っ最中です。いつもは畳の仕事に一刻も早く戻りたい俺は、コンバイン全速全開で刈り(駆り)まくるのですが、今年は全開にできず、コンバインのエンジンがとても重たいです。手ごたえ有り!と見ました(機械の不調でなければ)。只ねぇー、米の買い取り価格は年々下がる一方で、減反もあったりで、現時点では本当にまじめに取り組む気が起きません。ここ数年は機械修理した買ったとか、納屋を直したとかで、ずうっと赤字です。普通の事業所の感覚では信じられない状態です。 兼業なのでやってられるんでしょう。今のところは親が主体でやってるので、ほとんどクチ出しはしませんし、とりあえず米だけは食い放題ですし…。それでも、米を完全にやめることは考えていません。なぜなら、最後は、米のような気がするんです。世の中がどんなに変わっても、畳屋をやめる事があっても、戦争とかが起きたとしても、とりあえず食い物があれば、死なないような気がしてですね…。とりあえず、今は畳屋のほうを軌道に乗せるのに全力投球しています。でも近い将来は農家のほうもまじめに取り組む予定でいます。
2006年09月26日
一般住宅の畳表替え20帖と襖の貼り替え26枚の工事。完成までまる5日…納得行くまでやった、と思う反面、うーん…ちょっとかかりすぎか…とも思いました。他の用事をしながらの工事とはいえ、家の人から見ると工期ちょっとばかし長すぎに感じるかもしれないです。ちょっと前だと、「どうぞ丁寧に時間かけてお願いします」というお客さんが多かったと思うのだが、今は「なんとか早めに終わらせてください」という雰囲気のお客さんが増えてきたよう気がします。昔よりも生活が忙しくなったのかなあと思います。事実、畳の即日納品でいたく感動されるお客さんが多いということは、工期の短さもサービスのひとつの要素のような気がします。理想は、基本的にはきっちり手をかける施工を短時間でできるようにする、というものですが、限度があります。やはり増員するしかないのか…5日かかった仕事 ↓(市松表の表替えと上級クラス糸入の襖はりかえ) 一人でコツコツやるのは満足感もあるのだけど、その分お客さんが長い工期にイライラしてたら只の自己満足だしなぁ…どうする?おれ。
2006年09月15日
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数日前のブログのマル四角畳できました。うーん…70点です…飾りの要素の強い畳なので完璧な見栄えに作らなければいけません。反省点は幾つか有ります。お客さんには、「自分も勉強しながら作らせてもらいますので、今回は超格安でやらしてもらいます」と打ち合わせの時におつたえしいています。まあ、及第点でしょう。でも次回はもっと上手にできます。微妙な点が幾つかある中で、縁無し部分のだけは良くできました。今回使用した畳表は「敷楽」という商品名でポリプロピレン製の鬼のように固い品物で、しかも18ミリの縁無しにしたわけですが、きっちりと折ることができました。その秘密は…特製の縁無し畳製作マシーンですっていうか、そんな上等なものではないですが、去年縁無し畳の注文が続いたときに自作したやつが今回も役立ちました。これ↓すみません。いろいろ事情があってモザイクいれてます。構造は超簡単です。ベニヤとかツーバイフォーの木とか2000円分の材料でできています。あと両用機の床締めを利用します。ケルヒャーも使ってます。固い「敷楽」がこんな風に折れます。縁無し作るのがきれいに楽にできるようになりました。明日納品です。喜んでもらえるといいんですが… 果たして?
2006年09月08日
築25年の家の畳の入れ替え。湿気で畳床が腐って交換することになりました。単純に、畳はワラなので湿気が多ければ、腐って当然。床下の構造はそのままなので、同じようにワラの畳を敷けば、また腐るので、今回は建材床(木質系のボードとポリスチレンフォーム縫い合わせたもの)の畳を入れよう…というのは一見正しい選択に思えるのだが…実際、始めは、お客さんに上記のような提案をさせていただきましたが、工事に入るまでの数日間に気が変わりました。湿気があるところこそワラ床ではないか、と。以前の借家に住んでいたときの畳が建材床だったのですが、梅雨時は畳がワラ床よりもジメジメした感触を思い出しました。さらに、畳替えしてから最初の一年間は、建材床のほうが、カビが生えやすいイメージもあります。湿気が畳の表面部分で留まってしまうのでしょう。そして、建材床は湿気は吸いにくいように思いますが、一旦湿気ると、トンでもない重さになります。湿気を吸いにくいけど、吐きにくいという特性があるみたいなので、10年単位で湿気を少しずつ吸うと、最終的にはかなりの水分を含有した畳の上で暮らすことになりかねません。一方でワラ床は確かに水分をガンガン吸うけれど、そのおかげで、表面部分は割りとサラッとした感触のような気がします。さらに、今のワラ床の裏面には防湿シートが使用されている点、今回床下にビニールシートを敷いて湿気があがってこないようにした点、さらに今の畳は25年前の畳と比べて、目方が10%増えて、その分ワラの分量が多いので丈夫。あと、数年後の裏返しの際に畳の乾燥機で乾燥させることを考えて、今回の畳は25年以上は軽く持つのではないか、との結論になり、お客さんに、最終的にワラ床をすすめました。今日工事完了です。表は16年産「ひのさくら」(よくなじんでていい感じです!)しかし、湿気が無いところにはワラ床、湿気の多いところにもワラ床…じゃ建材床の利点って一体…軽くて安くい以外の…
2006年09月01日
廊下の一角に飾りのスペース用の畳の依頼があった。半畳サイズで、隅の部分が四角で手前部分が、見栄えと使い勝手を考えて丸く作りたいという。畳表の材質、縁無しか有りか、いろいろお客さんと相談を重ねました。調子に乗って、俺はとんでもないことを提案してしまった。「丸の部分に縁付けて、四角の部分は縁無しにするとスッキリするんじゃないでしょうか?」 ↓オイオイ、厚さ7分でしかも化学表なのに…できるのか?俺。
2006年08月29日
最近、どういうわけか、会社勤めのころを思い出します(年のせいでしょうか)。会社といっても畳店なので、今と同じようなことを20年以上も繰り返していたわけです。特に思い出すのが、親方のことです。毎日「くそおぉぉぉぉぉぉっ!!」と思ってました。その親方というのが、バリバリの職人全開の人間で、一応会社にはなっていたので、俺は会社員だったものの、ほぼ毎日どなられっぱなしで、20数年間弟子をやってたような感覚でした。例えば、こんなことがしょっちゅうでした。俺はあまり手先が器用なほうではなく要領も良くなかったので、普通に仕事するとどうしても、時間がかかりすぎの傾向がありました。夕方ごろ親方が来て「なんだい?なんでこんなに手間どってんだ?」と怒り気味に言います。それで、俺は奮起してスピードアップして残りの仕事を片付けると今度は「なんだやっ!!ここがだめ!あそこもだめ!!」という重箱の隅つっつくような指摘の後に必ずこういわれます。「ゆっくり丁寧にやるのは誰でもできる! 手早く綺麗にやるのが職人なんだど!!」当時、親方にしてみれば、愛弟子を訓練しているというよりは、この糞忙しい時にタラタラ仕事されてイライラしているというほうが大きかったと思いますが、それでも畳会社時代の体験は確かに今役に立ってると思います。早く綺麗に仕上げるというのは確かに今、仕事のテーマの一つです。親方元気かな? たまには顔出してみようかな…
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お盆前に障子の張替えを外注にだしてゴタゴタに仕上げてもらったやつ、今日はり直ししました。だめだめな部分。その1 糊のはみ出しその2 サンの掃除がテキトーハナクソ(失礼!)みたいなカスがそのままですその3 きわめつけ アクのでまくり駄目な貼り方のサンプルみたいな仕上がりでした。時間が無くて、お盆前に一旦このまま納品させてもらいました。お客さんは「どこが悪いの?このままでもいいよ」と言ってくださいましたが、さすがに…今日12枚全部わらしべ工房の標準の仕上がりでやり直しさせていただきました。とりわけアクが一個も出ないのがちょっと自慢です。お客さんも「やっぱり前と違うわねー」といってくださいました。お客さんのSさん、帰りにお土産どっさりくださって…そんな何かもらえるようなこと何もしてないのに…ご迷惑かけてこっちが何かしなくてはいけないくらいなのに… 恐縮しまくりでした。でもありがとうございました。あと、盆前のこの話に心配してコメントくださった、としひろさん、neoさん、なおみさん、ありがとうございました。皆さんのご意見参考に完全自社施工を目指すことにしました。
2006年08月22日
毎年恒例の貧乏旅行に今年も行ってきました。この旅行のルールは1,旅館には泊まらない=車中泊2,旅費は1万円(ガソリン代除く)3,計画してはいけない(気分で車を走らせ、食いたいときに食い、寝たくなったら寝る)そんな感じで、去年は秋田の男鹿方面でしたが、今年は同じ日本海側でも反対方向の新潟方面に二泊三日で行ってきました。コースは宮城を出発して山形を中心にして時計回りで新潟に行って帰ってきた感じです。基本的には道の駅で車中泊です宮城から見て、新潟の入り口の胎内市というところでとりあえず海水浴しかし、宮城はドンヨリベタベタなのに対して、日本海側の天気は暑いけど湿気が無くて気持ちいい!! 山一個でこうも気候が違うのか、感動!! 太陽が直接肌に突き刺さる感覚。新潟市内の水族館でイルカちゃんを見て…近くの浜辺で野宿です。夕飯とりながらきれいな日没を拝むとしゃれ込むか、と思いましたが道に迷ってしまい、暗くなってから到着です(泣)向こうに佐渡も見えます。想像よりでかい感じがしました翌日日本海を北上しながら帰途に着きます。途中の「笹川ながれ」(だったかな?)という海岸は思わず沖縄の海を思い出すくらいきれいでした(沖縄いったことないけど)。魚が泳いでましたが、時期もおそいせいかくらげも出てました。刺すやつでしょうか?新潟市の海岸がゴミが多くて少しテンション下がりましたが、その分コッチが、とてもすばらしく感じました。この「笹川流れ」が気に入ったので来年は、ここで野宿(キャンプ?)したいと思いました。おしまい
2006年08月18日
ヤッペィーーーーーーーー!!!!!!!成し遂げた!!今日盆休み前最後の仕事。朝5:00から6畳×3部屋敷きこみ→網戸10枚引取り→施工→納品→畳14帖引取り→施工→納品。夕方6:30終了。少しハードだったが、あまり暑くないのが助かった。こんなようなパターンが1ヶ月半続きました。8月になると忙しさが激化しましたが、注文は小さいのから大きいものまで全部受け、盆前を希望するお客さんの要望はなんとか達成することができました。100%出し切ったという達成感や満足感はあります。この注文が混み合う時期に、納期が遅れるなどの迷惑がお客さんにかからないように、早い納品を目標にしました(もちろん施工のクオリティは落とさずに)。その結果、少し限界が広がったと思います。盆休み前最後の現場を終えた帰り道。ほっとして運転しながら見える街明かりは、なぜかピカピカと、とてもきれいに見えました。明日一日は、とにかく体を休めたいと思います。
2006年08月13日
オレは極度のストレスが加わると、舌の裏っ側に鉄のような味を感じます。鉄というか血というか、グレープフルーツの酸味にも似てます。他の人もそんな風になるのでしょうか?今日久々に、舌に鉄の味を感じました。最近、仕事が混んできたため、遂に障子の張替えを外注に出しました。今年に入ってから時々お願いしている表具屋さんで、これまで2回くらい襖を張ってもらいました。一級の技能士持っていて、表具も得意(当たり前か?)といった、「ちゃんとした襖屋さん」といった方でした。しかし、以前、お願いした仕事は「ん?」といった感じの微妙なミスが必ずありました。致命的なものではなかったので、その度に、オレはちょちょっと直してました。それが、今回の障子ではっきりしました。仕事が全体的に荒いのです。「オレは安くないよ」とこの人はよく言ってました。以前は「安くないよ」という言葉を「ああ、きちんとした仕事をする人なのね」と勝手に解釈してました。今回、決して「安くない」額のお金をドブに捨てる結果になってしまいました。仕上がった障子を見てみると、「き…汚ネェェェェ」アクの出まくり、糊のはみ出し、桟の障子の掃除不十分…細かいところでいえば、雪見のガラス部分の汚し放題、刷り上げ障子も全く動かない…張ってもらった雪見障子12枚全部そんな仕上がりです。その瞬間、久々に「じゅわ」という感じで舌に強烈な鉄の味が広がりました。障子の張替えって全くごまかしがきかないのです。例えば畳だったら多少きつかったりゆるかったりしても収めるテクニックがあったりします。襖もポイントさえ外さなければ、まず失敗は無いです。障子の場合は、やったことが全部そのまま見える形で出てしまいます。(ちなみに当店の障子の場合)畳が下手糞で次回の注文をもらえなくなるなら「もっと腕を磨こう」いう感じで反省してあきらめもつきますが、障子が下手糞で、畳の仕事まで失ってしまうのはとても残念だったりします。それで、今日の障子はとりあえず、お客さん宅に納めて事情を言って盆明けにやり直しさせてもらうことにしました。お客さんは「このままでもいいよ」と言ってくださいましたが、オレは、この障子を見るたびに口の中が鉄風味になります。やっぱり基本的に外注は、仕上がりにこだわる様な現場にはやめておいた方が良いということなのでしょうか?
2006年08月08日
久々のエントリー。ある方から「こういうの(ブログ)は毎日書かないとね」とのアドバイスをいただきました。確かに営業エリア内のお客様の中にも見てくださっている方がおられます。それに、できるだけ定期的に書いてこそ、わらしべ工房の楽屋裏を公開していることになると考ていきたいと思います。尚、お盆後からは、面白い(と、自分で思ってる)連載物が始まります。でも、期待はしないでください。脱力系ですので。ここしばらく、ブログ放置で何をしてたかといいますと、やはり仕事三昧の日々でした。朝の5:00から夜7:00の労働パターンが1ヶ月くらい続きました。なぜだか今年は、梅雨も全く関係なく仕事させていただきました。…と、思っていたら、梅雨明け直後、受注がさらに爆発した感じになりました。でもなんとか、調整に調整を重ね、お盆前に納めることができそうな感じです。ここ数週間、かつて無いくらいのプレッシャーを味わいました。お盆というタイムリミットがあり、カウントダウンするにしたがって、注文が増加していくという事態に対処するために、たくさんの工夫ができました。物の配置や、段取り、物の考え方に調整を加えてどうすれば短時間でたくさんの事ができるかという点を色々勉強させていただきました。もちろん失敗もありました。納品時間が遅くなるなどの迷惑をお客様にかけてしまったこともありました。それでも、温かく接してくださったお客様には本当に感謝です。この超忙しい時期を経て(まだ経てないか…)わらしべ工房のあるべき方向性が、創業7年目にしてようやく、ぼんやりながらも見えてきたような気がします。今はまだ、全力で疾走するだけです。
2006年08月07日
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ここ10日間くらい、いろいろやってた。生活習慣を夜型から朝型への大改造です。5勝5敗くらいで4時起きできてます(てか、半分くらいは起きれてないです)。何のために早起きするのか?ま、結局、畳作ったり襖貼ったりしてるんですが、実は、早起きの習慣をを定着させることを第一歩として、最終的に結構まとまったことを成し遂げる計画を実行しています。(挫折したときのことを考えて内容はまだ秘密です)ここまでのところで、早起きに関して幾つか分かったことがあります。■昼間ハードな肉体労働の日でも、7時間の睡眠で回復する■夜食いすぎると朝だるくて起きれない■早朝の仕事は異常にはかどる■早朝の仕事することにより、仕事が遅れずにすむので、心理的に優位に立てる■残業3時間より早出の3時間のほうが圧倒的に疲れない■
2006年07月12日
びっくりした。人っていうのはなかなか変化するのは難しいっていうけど、人の性格とか志向とか傾向…個性っていうのは一瞬で形作られてしまう。子供の目に何か入って軽い炎症を起こした。で、眼科からもらった目薬を妻が子供にさしてやる。その瞬間を見ながら俺はこうつぶやいた。「おーすげぇー、目薬差すのにぜんぜんビビんないなぁ」俺がボソっと言った瞬間に、子供は、「こわいよ、目薬こわいよ」と、拒否反応を起こすようになった。妻からは「あんたが、余計なこと言うから! さっきまで目薬全然大丈夫だったのに!!」 と、怒られた。親の何気ない一言は想像以上に子供に影響を与える。親の考えを秒速で子供の中にコピーしてしまうみたいだ。子供って新品に近い脳みそなので、何でも簡単に取り入れてしまうのか?じゃ、なるべく子供が後の人生を幸せに送れるような、物の考え方や、行動の仕方を刷り込まないと…なるべく消極的な考え方をしないように良い手本を示さないと…と、思ったものの、気負っても続かないので、やっぱり自然体でいくとします。
2006年06月27日
ブログ最近さぼってたのには訳が…この間まで、パソコンが唯一のオモチャだったのが、新しいオモチャ、入手しました。ドーン↓ホームプロジェクター。プレイヤーとスピーカーが一体化しているので、配線無しで簡単に見れる品物。なんか電子レンジみたいな外観です。畳一帖大のスクリーン付きのお買い得品。いろんな掲示板見ると、拡張性がどうとか、音がどうとか、いろいろ言われてたりしますが、鑑賞する耳と目がロースペックなので、性能的には十分に感じます。自宅でドデカイスクリーンは感激物でした。それにしても、畳の仕入れする時はどんな金額でも何も感じないですが、私物を買う時というのは、10万超えると凄いビビります。半年前から、買うとどうか悩んで、価格コムなどで相場の動向を観察して、時間かけていろんなサイト調べて100円でも安い所を探してやっと決断して買いました。悲しいくらい小市民です。茶の間がミニシアターになりました。ここのところ連日のレイトショーです。たまってたDVDをかたっぱしから見ています。畳の上で座椅子に座って缶ビール飲みながら見る映画も独特の感じです。和室でプロジェクター、音響的にはわからないですが、雰囲気は悪くないと思います。
2006年06月15日
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土曜、仕事を4時頃終わって家帰ってそのままバタンキュゥ。午後5時から日曜の昼の12時まで、ひたすら眠り続けてしまった…先週は襖の張替えがいっぱいあって残業が続いて体力が一杯一杯だったようだ。襖の張替えは、神経使うので、頭の方も疲れてたみたいだ。やっぱり睡眠は大事だ。たっぷり寝たら、ぼーっとしていた頭がスッキリして、不思議なことに腰痛も治まってイライラして高ぶってた神経も静まった。とりあえず来週はきちんと寝る時間は確保することにしよう。
2006年06月11日
書きたくなくなったら書かないっていうのが、ブログの長続きのコツっぽい。…で、しばらくサボりました。ごめんちゃいです。度々の畳の裏返しネタ。17年越しの裏返し。茶の間で、畳表は、無残にも擦り切れ、過度の日焼けでポロポロ、鉢植え置いていた後の真っ黒の染み。「裏返し可能だけど、染みたくさん出てるっぽいですよ」との私の説明にもお客さんは、ゴザ敷くより良いよ、とのことで、裏返し決行。ただ、付いていた畳表が、「おおっ、備後表付いてるじゃないですか!」でも証紙入ってないので、多分、熊本イ草の備後織り。備後表の特徴として、畳表が分厚いんです。これはひょっとして…染み部分はこの通り悲惨な状態なのに…なんとビックリ、裏側はなーんにもなってない。結局、とってもきれいに仕上がりました。地厚の畳表だったので、裏まで痛みや染みが通って無かったんですね。さすがに青畳というわけにはいかないけど、黄金色でツヤツヤの畳に大変身しました。(個人的には、新品の感じより、こっちのほうが味があって好きです)17年目で裏返し…同じ調子で使用した場合、次回の畳替えが10年後…良い畳表はやたら長持ちしすぎです… 畳屋としてうれしくもあり、悲しくもあります…
2006年06月02日
リンク先の「おおおこうち」さんの今日のエントリーで知りました。これを見て、わらしべは呼吸困難に陥りました。衝撃動画です。*12才以下の方はなるべく保護者と一緒にご覧ください。*年配者、心臓に問題のある方はご遠慮ください。「教育テレビでクリーチャー誕生」
2006年05月26日
全然用途も無いのに衝動買いしてしまった。純金べり…本物の金を糸に融着させて織ってあるそうです。なんか、神々しいオーラを放ってます。肉眼で見てはバチが下るんではないかと思えるような、まじで目が痛くなるような気がします。この世の物とは思えない輝きを放っています。値段は…特等クラスの太麻表が買えてしまいます。一般の畳べりの10倍以上の値段でした。受注生産で注文から一週間くらいで届きました。さて、どうすっか…自宅部屋を成金仕様にするのに使うか贅沢にもミニ畳にして縁起物としてお得意様に配るか…うまい使い道がひらめくまで、工場の棚に飾っておこう。(と、いうか結局放置。)
2006年05月22日
今日の表替え。久々の「北出親畳会」ブランド「熊本天一表」を使用(まだ一昨年産イ草の表メインに使ってます…(汗)今日の材料は在来品種のイ草で作った海苔(小田)さん作の畳表。海苔さんの畳表の特徴はというと、細いのに丈夫な草質。有機栽培の特徴が良く出ているんだとおもいます。イ草の表皮が厚くて実がしっかり入ってます。細めのイ草のため、しっかりと目の詰んだ畳表にしあがっています。さらに退色が遅いです。半端じゃないくらい青みが長持ちします。異常なくらい青いままです。正真正銘の無着色仕上げなのになんで?と思うくらい焼けないです。何か海苔さんの創意工夫があるのかもしれません。品物の良い在来品種は焼けるとツヤツヤのヤマブキ色になります。使い込んだ3年後が期待できる海苔さんの畳表でした。
2006年05月20日
今日は朝から雨模様。なので、張替えの予定を変更して、工場で新畳の仕上げです。湿度の高い日のイ草の匂いって一段と強くなります。しかも雨が吹き込まないように工場を締め切ってるので、慢性になった自分の鼻もにはっきりわかるくらい工場内はイ草の香りが充満しています。締め切った工場で、好きな音楽かけて、イ草の香りを楽しみながら、のんびりムードで仕事する日もたまには良いです。外は新緑がうれしそうに雨をうけてますが、少々疲れ気味の俺にも今日は恵みの雨となりました。
2006年05月19日
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今日の襖。引き手の部分に鳥の子紙の切り貼り。お客さんがどうしても引き手ではなくて、襖の桟に手をかけて開け閉めしてしまうので、すぐに手あかがついたりすり切れたりするというのでご提案。こんな仕上がりです。あえて無地をえらんで、こんな加工するのも、ちょっとかっこいいと思います。ちょっと大技ですが、下の写真のようにもできます。オリジナルの模様はどうにでも可能なのですが、センスのほうが… これから磨いていきます。(でも下の写真は雰囲気ばっちりオーケーです)
2006年05月17日
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これは何の写真でしょう?写真の上が畳表の半端、約10センチ写真の下が上の10センチの半端をほどいて、水で戻してイ草本来の太さに復元してみました。隙間無く一本一本並べたら約40センチありました。畳の表面に使われている畳表。イ草を四分の一にぎゅうと圧縮して織り上げていることが、上の写真からわかります。湿度の高い時期、畳が部屋の湿気をどんどん吸ってくれて、環境を良くしてくれる理由の一つがここにあります。夏のベタベタした時期でも、畳がさらっとした感触なのもここにひみつがあります。畳って空気のように生活にとけこんでいるものだけど、調べてみると贅沢な敷物です。 ちなみにもっと畳表やイ草のことが知りたい方はこちら (わらしべ工房で使用の畳表はここで生産されています)
2006年05月14日
「畳屋のテンションその3」の予定を変更。こういうダークサイドの話題って読むほうも疲れると思うけど、書いてるほうもかなり消耗しますし、いろんな影響も考えて今はちょっと封印しておきます。ただ、ひところの畳表の品質が落ちた原因は理由があって、そのことから自分なりに教訓も得ることができたので、そのことは又の機会に。とうとつですが、自分は感謝の気持ちというのが、ちょっと足らないです。以前、こんな言葉をある人からいただきました。「だめだー、畳屋、忙しい割りにさっぱり儲かんねえー」とオレ。「何いってんだよー。自分たちが生活できてる分が儲けなんだド。」と異業種の先輩。「なるほど…」とオレ。「自分たちが生活できてる分が儲け」確かに。要は、地域の人たちに食べさせてもらってるということ。養ってもらっているということ。畳の悩みを解決してあげて、その代わりにお金をもらっている、ということもできるけど、私たち家族を養ってもらっているので、お礼に畳の悩みを解決してあげている、ということもできるわけ。どっちが先か、ということもあるんだけど、循環していることは間違いないです。正直、うちの経済状況は、まだ機械のローンも残っているのもあってカツカツの状態ではあるけど、それでもまだ、畳店として生きているのは、皆様のお陰。バブルがとっくにはじけた不景気の真っ只中の七年前、畳屋始めたのに、家族を路頭に迷わせずにすんでいるのも、皆様のお陰。今カツカツの経済状況ということは、かつてうちをご利用くださったお客さんが一人でもいなかったら、今のわらしべ工房はありえないわけです。新規のお客さん、ありがとうございます。リピーターさん、ありがとうございます。いつも紹介してくださる○○さん、ありがとうございます。とんでもない値引き額を要求してきたお客さん、うちに注文してくださりありがとうございます。なかなか支払いが渋いお客さんも、ありがとうございます。非通知で、名前も住所も言わずダイレクトに値段だけ聞いたあげく、値引き交渉を展開するお客さん、あなたの存在は、私の営業魂を奮い立たせてくださいます。ありがとうございます。襖1枚のお客さん、ありがとうございます。申し訳なさそうに注文してましたが、あなたの喜ぶ顔はなによりの元気の素です。お客さん10人10色でしたが、わらしべ工房および私と家族は、これまでのお客さん全てに、養ってもらってきたわけです。井上陽水の歌じゃないけど、全ての人にありがとうです。
2006年05月12日
平成15年秋から16年の秋…イ草のできがとても悪かった年。特に上級品の畳表になるクラスの草が悪かった年。入荷する畳表はどれも実入りが悪くてツヤがいまひとつだった。極めつけは、JAブランドの「ひのさやか」という畳表の、しかもかなり上のほうのクラスの品物が、着色加工してあるものを入荷したこともあった。無着色であることを寸分も疑わずに仕入れたおれが甘かった。着色するだけあって、草丈があるにもかかわらず、変色した草が多く混じっていた。結局その年は、仕入れた畳表をランクひとつ下げて使用することで対処したものの、グレードの高さが草質の悪さをカバーすることはできないことを痛感した。本当にテンション下がりまくりの一年だった。さて、これはかなり後で知ったことなのだが…その年の畳表の品質が悪かった原因は、どうも天候だけではなかったようだ。その点について触れることを、正直迷っているのだが… つづく(?)
2006年05月09日
うっしゃー、がんばるぞー!…っていう感じになるときがある。その一方で、もう、イヤ…ガックシ…てな感じになるなるときがある。それは、仕入れた材料が、良かったり悪かったりした時に、上のような調子で一喜一憂する。畳屋といえど、一商人には違いないので、材料が悪かったら悪いなりの商売をすれば良いだけなのだが、職人でもあるので一度だめだと思った品物はなかなか使えないのである。届いた材料が、悪いと感じた場合返品も可能なのだが、イ草の出来が悪い年は、来る品来る品が悪い場合もある。そうなると、その一年は、俺にとって苦痛とイライラの一年となる。思えばあれは、平成15年秋から16年秋までの一年だった…。畳職人としての自分にとっては暗黒の一年だった… 続く(の?)
2006年05月08日
地味めな和室を華やかにしたい方にお勧めの市松畳。こんな感じ拡大名前の通り市松模様になっています。これはイ草の穂先と根元の色が違うのを生かして市松の模様に織っています。畳の中央部分は模様が無くて、端に行くにしたがってグラデーションに市松模様が出ています。欠点もあります。普通の畳表と比べると、やや丈夫さで負けます。激しく使う茶の間などには向かないです。さらに、市松模様で酔う、という人もたまにいます。あと、出来の悪い市松表は焼けると汚いです(この点は注意深く仕入れしてます)。長所は何といってもゴージャス感でしょう。部屋の中でワクワクしたいという人にはおすすめです。使用する縁は、もっとも相性が良いのは、濃い目の無地(濃紺とかこげ茶とか深緑)です。畳表が派手な分、シンプルな無地縁で畳を引き締めます。ただ、部屋が暗いので、とにかくバリバリに明るくしたいという場合は、はっきりした色の柄縁という選択もできます。今回の写真の畳はそんな感じにしました。これも悪くなかったです。出来の良い市松畳は焼けてくると、新品の時以上に模様がハッキリ、きれいに出てきます。新しいときも、焼けてからも、部屋に華やかさを演出してくれる畳です。
2006年05月07日
連休利用して田植えです。天気良かったのでうれしいです。それでも畳屋のほうは「年ぢゅう無休」ということになっているので、電話窓口は開いています。携帯に転送にしてるので、田んぼの真ん中で「畳替えなんぼですか?」といった問い合わせにも応対してます。そのたびに「はやく植えろ!日が暮れる!コノヤロ」といった親父の罵声がとんできます(笑)それにしても今年の連休はいつにも増して注文がありました。連休は出かけないで、家のメンテナンスとかする人が増えたのでしょうか?とにかくありがたいことです。ここを見てくださっている地域の方、わらしべ工房は、連休だろうが、元旦だろうが、いつでも窓口開いてます!注文から見積もり依頼、問い合わせ、その他なんでも当店で助けになれることならいつでもジャンジャン電話してくださいませ!
2006年05月05日
平成13年より、うちに住み込みで働く、畳部門の仲間を紹介。まずは、蒲地巻造(かまちまくぞう)君。畳表(ゴザ)を縫うのが得意です。どんなにヘタった畳にもしっかりと縫い付ける技術があります。畳の形状を崩さず、かつ、強めの糸じまりが自慢だそうです。最近はレベルアップして流行のヘリ無し畳もこなせるようになったみたいです。次は、比良返漬雄(ひらがえしつけお)君。畳の縁部分の逢着専門で働いています。彼がうちに来て2、3年くらいまではしょっちゅう衝突していました。正直、「こんなやつ雇わなければ良かった」と、思ったこともありました。施工技術の見解の食い違いをめぐって激しく議論しました。そのストレスからでしょうか、突然動かなくなったこともしばしばありました。私もかなり手荒な矯正を加えました。ドリルで穴をあけたり、サンダーでけずったりしたこともありました。今思うとちょっと残酷なことをしてしまいました。でも今では、彼は私のやり方を理解してくれ、私は彼の個性を認め、それにあった仕方で仕事をしてもらっています。うまくいっています。わたしたち三人の畳の生産枚数は一時間に、普及品クラスなら約7枚、高級品で3枚くらいです。一日に2、3部屋は楽にしあげることができます。彼らと一緒に働くようになって5年が経とうとしています。いろいろ試行錯誤を経てきましたが、現在では最高の畳を作ることができる最高の仲間たちです。固い友情とコンピューターのオンラインで結ばれた絆は、これからもたくさんの良い畳を作っていくと思います。なんちゃって。
2006年05月02日
今日、お昼ごろ畳を見てほしいという方からの電話。後ほど、そのお客さんの家を訪問して、急きょ、ただちに畳替えをすることに決定。毎年、連休に入ると必ずこのような感じの突発的な畳の注文をいただきます。去年も確かにありまりした。そういえば、おととしも…なんでこの時期に急ぎの畳の注文が多いのか?それは、連休使って日曜大工で床直しを始めたものの、畳の痛みに気が付いて注文くださる人がいるから。「悪いんだけど、すぐになんとかなる?」という感じでお客さん。「はい!まかせてください!」と、とびきりの笑顔で答えるおれ。「とびきりの笑顔」…正直、とびきりの笑顔を営業用につかうこともあります。でも、今日のとびきりの笑顔は、心から出た笑顔。なぜなら、頼られることはうれしいから。単純に。期待にこたえてあげよう、できれば何らかの形でお客さんの期待を超えてやろう、と思うとなんだかワクワクしてくるんです。そういうわけで、本日ご注文くださったS様、急なご注文とはいえ、とてもうれしいです。当店をご指名くださり感謝いたします。しっかり仕上げて明日納品します。
2006年04月30日
ベットの畳一昨日に続いて注文がありました。(普段そんなに売れるものではないですが、いつもなぜか出るときには続きます)やはり、寝汗で畳が腐ってしまったみたいです。それもそのはず、ベットに付属してきた畳は、厚さが30ミリ(下の写真の上側の畳。普通の畳の厚さの半分)しかないです。しかもその構造は、30ミリの上半分がインシュレーションボードとよばれる木質系のボード。下半分がポリスチレン、つまり発砲スチロールの固いやつからなっていて、汗を吸ってくれるのは、たった10ミリほどのインシュレーションボードのみ。たちまち限界が来てカビや腐りがおきてしまう。今回のお客さんに以上のことをお伝えして検討した結果、本ワラ床(ワラ100%)の畳と入れ替えることに決定。一見、ワラ床は建材床より湿気に弱い印象があるけど、実は逆。湿気の多いところではものすごい調湿性能を発揮してくれて最後までサラッとした状態を保ってくれる。ただ、天然素材なので、湿気が多すぎるとダニが繁殖する場合があるのが欠点。その欠点を補うために天然松脂を染込ませた防ダニシートをサービス。これで仮にダニが繁殖しても表面に出てこれない。さらに畳床は約一年寝かせて養分を抜た上にしっかりと乾燥機をかけて乾かしたワラを使用したもの。(わらしべ工房の普通の畳もこの仕様)さらに、畳表には、防カビスプレー(天然松脂100%)を散布。本当は畳表にいろいろな物を加工するのは避けたいところなのですが、ベットの畳という過酷な環境で使われること考えて今回は思いつくこと全部やりました。で、完成。なるべく布団をまくりあげて畳を外気に触れさせるようにすれば、気持ちよく使えるはずです。ワラ床はある程度の管理ができるなら快適度ナンバーワンだと思います。ベッド用の畳としてもベストだとは思います。(ただ重いので、いざ干そうする時に大変…)
2006年04月28日
畳替えのお客さんに、ポットの下に敷くミニゴサがほしいと頼まれた。そのお客さんの家の表替え16枚仕上げてから、そのミニゴサ作った。畳表縦横にして二枚合わせの仕様。心をこめて手作りしました……と、言いたいところだけれど、裏面はこんななってます。本当は、ミシンでガシャガシャ縫った。本来ならこういう小物はとことん丁寧に作るべきだが、納品の時間が遅くなってお客さんに不便かけるよりも、不具合が出ない程度に早く仕上げてすぐに届けたほうが喜ぶような気がする。あと、後日ゆっくり丁寧に作って届けようなんて思ったりすると、忘れることも多いし…そのあたりの、フットワークの軽さと丁寧さのバランス保つのって難しい。
2006年04月27日
畳ベットというのがある。寝汗を畳が吸収してくれるし、マットのように沈まないので腰痛もちの人はよくこれで寝ているようだ。しかし、寝汗で、すぐに腐ってしまうことも多い。そこで、そのような畳のはりかえをする場合、ある工夫をしている。1, 寝汗でカビた畳床を完全に乾かした後、カビで黒ずんだ部分をエアーで除去する。2, 寝汗の乾燥を助ける目的で、畳床に2mmの不織布をかぶせて、イ草と畳床の間に空気の層が できるようにする。3, 畳表をかけた後、縁をつけて、ベット畳の補修完成。当店ではりかえしたベッド用の畳は、不織布入りなので、新品時よりも快適に使えると思います。あと、ベッド畳を長持ちさせるには、布団と同じように頻繁に干すこと。それが難しいなら、朝起きたら布団をめくって二つ折りにして、畳が外気にさらして乾燥させること。今日は頭側の方、明日は足側の方と交互に乾燥させれば、痛みも少ないです。人の寝汗は一晩で500CCとか言われていて、それを畳がいっきに引き受けて乾燥の機会が無ければそりゃたちまち腐る。以上の点に気をつけるなら、畳のベットは温かくて涼しくてサラサラの睡眠に役立ちます。
2006年04月26日
今日はちょっと辛口。このごろ気になっていること。いろんなところで、「業界のため」とか「日本の伝統を守るため」とかいう言葉が語られる。それを言う人は、本当に「業界のため」「伝統のため」と考えているのか?機会があれば「業界のため」「伝統のため」に自己犠牲さえもよろこんで払えるのか?そのように言う人の中にはもしかしたら本当に立派な人がいるかもしれない。何かの背景があって畳や畳の業界に他人ではわからないような愛情を感じていて、そのためなら自分は死んでもいい、と思っている人が中にはいるかもしれない。少なくても自分はそうではない。もっとレベルの低いところで畳屋をやっている。「畳が少なくなる」→「仕事が無くなる」→「お金に困る」→「畳や和室が無くなってほしくない」 …この程度の考えなのだ。この考えの中に業界がどうの伝統がどうのという要素は入っていない。おれが「業界がどうの…」などとうことを言い出すならば、それは偽善だ。だって業界など考えていないのだから。畳業界って、日本の伝統ってなんだ? だれのためにある?畳業界のために畳業界があるのか? 日本の伝統自体のためにそれが存在してるのか?違うだろ。そこに生活する一般の人のためにあるんだろ。年々畳が少なくなっているのにも人々の事情がある。核家族化が進んだため、自宅で冠婚葬祭をしなくなったため、昔家の、普段使わないたくさんの畳の部屋はいらないのだ。あと一般的に、地震対策に有効なのは、建具で区切られた純和風の部屋ではなくて、開口部を極力少なくした洋間だったりするので、畳の部屋が少なくなるのは自然のなりゆきなのだ。個人的には畳の部屋の良さは十分に知っていても、現実には畳じゃないほうが便利だという場面が多くなっているのだ。畳の部屋を無くして、みんなが幸せになるなら結構なことではないのか。おれが畳屋をやってるのは間違いなく「食べていくため」で、当然「業界のため」ではない。しかし「自分にかかわる人の喜ぶ顔を見のため」というのはある。でもその程度である。本気で業界を心配する高潔な人格の人は確かにいる。 でも大多数の人はおれと似たりよったりの関心事ではないのか?であれば、個々の店が、自分のために、あと、せいぜい自分のお客さんのためにがんばること。で、一生懸命売り上げを伸ばすよう努力することが結果として業界が活気付くと思うのだが。だって、どうよ。例えば、ある日の朝刊に、畳屋のチラシが、5枚くらい入ってたとしたら。チラシ入れた畳屋からすれば「あちゃー」だけど、それ見た一般の人はいやでも畳に注意が向くだろ。ライバル店同士が競争を繰り広げることは良いことだと思う。人の注意が畳に向くから。畳の減少は避けられない。だから業界の縮小も避けられない。結果として、ここ10年くらいはサバイバルゲームになるのも避けられない。たぶん、お客さんの傾向を無視して「業界のため」とか言って、畳にしがみつく店は落ちこぼれると思う。でも、地域の人を喜ばせるものは何か、ということに焦点を合わせていく店は生き残ると思う。状況に順応して商売していくだろうから。 あーすっきりした。 読んだ人、あまり気にしないでください。ただのストレス解消ですので。
2006年04月25日
うちが畳店を開業してから2年目で襖と障子のはりかえもメニューにくわえました。障子は簡単そうに思えたが、意外に奥が深かったです。シワになる。シミになる。はがれてくる。全く逃げのきかない代物。なんというかファジーなテクニックの要する仕事。…中途半端な技術で障子をはって畳の仕事の注文が無くなったらくやしいので頭がパーになりそうなくらい悩みぬいて、習得しました。結果、現在わらしべ工房の障子のはりかえは、超厚口の紙(素人ではまずうまくはれない)タイプのものを湿気の多い日でもゆるまないようにパンパンにはれるようになった。さらにアクも絶対出てこない仕上げが自慢。一般家庭でゴタゴタにはるとすぐに汚く感じるが、当店がはった障子は穴を開けない限り5年くらいなら楽に新鮮さを保つはずです。今日は朝から雨模様で工場内には湿気があったものの昨晩はりあげた障子はピンピンのハリを保った状態で納品を待っていました(写真)。
2006年04月24日
ここ一週間くらい、いろいろがんばった。また徹夜に近いこともやってしまった。いろんな人が「あんまりムリするな」とか言葉をかけてくれる。気遣ってもらえて素直にうれしい。自分でもこれ続くと、死ぬな、こりゃという感覚になることもある。が、実のところ過労で倒れるという心配はあまり無い。なぜなら、自分にはリミッターのようなものが付いているようだ。実際今日も、朝イチの集金の後、どうにも疲れを感じ、予定してたものを全て調整して、今日一日気分転換にあてた。(本屋行ってブラブラして、その駐車場で4時間くらい寝てしまった。)何をしたというわけでもないが、一日だけでもかなりリフレッシュできた。こんなふうに自分で自分に「もういい加減にしておけ」というサインいつもをだしてきて大体はそのサインにしたがうので、いまだ体と精神の健康が損なわれたことは無い。それを無視しない限り長く働ける予感がある。明日は新聞チラシの折込日だ。多少とも、見積もり依頼や問い合わせを通常の作業と平行してこなしていくことになると思うのでまた忙しくなると思う。今日一日自分をいたわってやったので、明日からまたバリバリ働いてもらおう。がんばれな!おれ。
2006年04月23日
今年初めての新聞折込チラシ。やっと出来上がった。今回も、自家製だ。チラシソフトの不具合で、プログラム動かなくなってもう一回同じもの作り直した。こんなことっとあるのね…とほほ…折込日はとりあえずナイショ…っていっても来週のいつか。チラシのバランス感覚って何度作っても難しい。良いチラシかどうかは、お客さんの反応で決まる。がんばって作ったという自己満足の入る余地は無い。シビアだ…。
2006年04月19日
後藤さんという人がいる。(近隣の畳屋さんなら誰でも知ってる超有名人ですごい人なので、実名あげます)どのようにすごい人かというと…「後藤さん、手刺しで最高で一日に何枚やったの?」と俺。「…おしょすい(恥ずかしい)から誰にもいうなよ…」「うん」「…80…」ぼそっと、少し照れながら、後藤さん。「なぬぅ!?」80枚だそうです。一日で。何でも、どっかの社宅か何からしくて、住人が次々に畳を運んでくれたらしいです。なので後藤さんはただひたすら、刺して刺して刺しまくるだけ。当然、畳の刺し方も正規の刺し方ではなく、略式の刺し方(畳屋なら知っている、ワンストローク省略した刺し方)だったらしいが、それでも針の数も指定があったので、かなり細かく縫ったらしい。現場では、まるで早送りの映像のように畳を刺して、一時間に4枚は楽にこなしてた後藤さん。でもまさか最高が80枚とは…。人間じゃ無い!!最近では少なくなったが、ちょっと前まで、旅館などで近隣の職人が集まって現地で畳を仕上げることがけっこうあって、そういう場所ではいつでも後藤さんが一番だった。技能士の資格を持っていたわけでもなく大きな畳店だった訳でもないが、皆から尊敬され好かれていた。腕はあっても決して偉ぶらない人柄が良かったからだ。自分もそんな職人になりたい。
2006年04月17日
今日「一枚だけ表替えしてください」という電話があった。片道一時間のお客さんだったので、現場刺しすることにした。ロビンくん(携帯用畳マシン) を持ってこうかと思ったが、一枚だけなので手で縫うことにしてロビン君はお留守番。夕方、今日の予定の敷き込みの後、一枚表替えの現場に向かった。その畳はというと、古くて、軟らかくなった畳だったので、サクサク縫えた。カマチ巻きおえると、日が落ちてきた。最後のほうは真っ暗になっていた(外でトラックの荷台で縫った。写真暗くて撮れなかった)。今日のタイムトライアルの記録は30分ジャスト。自分的には満足。昔の人は、手刺しで、今の機械刺しと変わらない枚数こなしてたというんだからすごい、というか想像出来ない。
2006年04月16日
今日は、朝5:00から襖貼り。日中は、新畳14枚作って午後から入れ替え。玄関まで20メートルくらい担いで搬入だったので、古畳と新畳を持って14往復。腰にキター。工場に戻って夕方6:00。ちょっと休憩入れて、明日貼る障子はがしと襖の下ごしらえ。終わったのが夜10:00。こんだけ長時間の仕事だと、体はヘトヘトなのに逆に頭は軽く興奮状態。なので、帰り道、本屋で一時間ほどクールダウン。家について、遅い晩御飯とって、ブログ書いて、今12:00丁度…。ビールがやたら効いてきた…意識が四次元に飛びつつありまス…しばらく、こんな感じの日が続きます…。
2006年04月13日
国産の畳表はやっぱりいいですよー。第一草が中国物とは別物ですよー。ツヤとか耐久性とか段違いですしね。…などと普段セールスしている以上、定期的に外国産の畳表もチェックしている。問屋さんに「サンプルに欲しいんだけどばら売りしてくれます~」と、かわいくお願いして一枚だけ注文するという悪魔のような仕入れをする。今回は最近増えてきた、中国でも四川産の物だ。価格はもう、国産とほとんど変わらない。問屋はそれだけ品質に自信をもっているのか?というか、問屋は熊本のイグサ農家を見限っているのではないだろうか?「国内の産地はもうだめなので、今のうちに外国産を国産の相場に近づけとこう」という思惑がなんとなく…(想像です)。品質はというと、今回の四川は草質が柔らかいです(以前見た四川のやつは硬くて実入りも十分だったのだが…)裏毛が貧弱だ。しかし、寧波産のよりは数段マシだ。色合いはすこぶる国産っぽい。もちろん無着色仕上げだ。中国産というと、若干くすんだ緑色という特徴があっったのだが、もう国産と見分けがつかない。(写真左)織りは、選別が良いのか、織機が良いのが、とても綺麗だ。畳表の目の溝が綺麗にまっすぐにでている。全体的な感じは、備後表っぽい風合いに仕上がってると思う。さらに根白や変色も目立たない。(写真右)生産者や仕入れ時期によって品質がいろいろな国産よりも、同じような仕上がりで年間通してこの品質の物が入手できるのであれば、この中国四川表は工業製品としては、国産に勝っていると思う。…とはいえ、うちが契約しているイグサ農家さんのほうが、まだまだ品質や安全面で勝っています。 □仕入れ先 □わらしべ工房はこんな材料使ってます
2006年04月08日
寝汗などで畳が部分的に腐食した場合の措置(畳替えの時の修理方法) 1,引き上げの際に、腐った部分が壁際などの目立たない所にまわせないか畳を入れ替えてみる。 2,畳を工場に持ち帰り、乾燥機をかけて、湿気を飛ばす。 3,畳が乾いたら、エアーガンで、悪くなった部分を飛ばす。(写真上) 4,腐って凹んだ部分を補修する。(写真下)もうだめかなという位ひどく痛んでしまった畳でも、以上の方法で畳床はそのままで、表替えのみの工事で修理可能なことも少なくありません。
昨日の答え 3,畳の下が腐る。よく仏壇などにお供えしたスイカが腐っただとか、お茶をひっくり返しただとか言う場合、大体の場合は、畳の下(裏側)は腐って堆肥に近い感じになっていても、表面部分は割とサラッとしている場合が多い。(写真:上がカビカビの裏面 下がサラッとした畳表面)多分、本当に恐らくなのだが、ドジャーっとこぼした場合、1,重力で水が下に落ちて溜まる。2,畳上部の残った水気は徐々に畳の乾いた部分が吸収したり、蒸発したりする。結局、ワラ床の畳って、水をこぼしても一番乾いていてほしい表面部分がサラッとした感じに復元する、実に不思議な特性を持っています。あと、腐った部分は、程度によるけど多くの場合表替えのときに修復が可能。ちなみに修復が不可能なことが多い場合。上に上敷きのゴザをかけていた場合。水こぼしたとき乾かないで、蒸れて全体が腐ることが多い。あと、万年床。人間が一日に掻く汗って500ccだとか。毎日毎日畳が吸った場合、完璧にやられる。ワラ床の畳って極端な状態にならなければ、快適に長く使える床材だと思います。
2006年04月03日
Q:さあ大変、畳(ワラ床の場合)に大量の水をこぼしてしまいました。 どうなってしまうのでしょうか? 1,水を吸ってしまった部分全体が腐る 2,水をこぼした畳床の表面部分が腐る 3,水をこぼした畳床の裏面部分が腐る答えは明日アップします。そのような状況の畳の写真を撮ったので…
2006年04月02日
「3月31日までなんとかしてけろー」…っていう賃貸リフォームの突貫工事が3件重なった。それで二日ほど工場にこもっていた。とはいっても引き上げだの見積もりだのでチョコチョコ出たり入ったりしながらの作業だった。畳40枚、襖と障子も約40枚を3日間でやった。3件分だ。妻が、用事で里帰りしてて、手伝い無しの状態で、どうしようかと思ったが、「そうだ!無駄な動きを無くして、10%動きを速く作業すれば、楽勝じゃないか」などとアホなこと考えて外注出さずに施工した。おとといの引き上げから始まって、予定通り今日の2時に納品完了。今回は手際良くできたので、ちょっと自信ができた。その後、一件残っていた採寸を終えた後、久々に定時の終業時間だ。取りあえず、緊急な仕事は全てかたずけたので、本当に久しぶりに解放された気分になった。帰り道、ほっとしながら本屋とホームセンターをブラブラした。プレッシャーに耐えて、やり遂げた満足感を味わえた。これって単純に気持ちいい。
2006年03月31日
ブログ四日間休みの予定が、大幅にほったらかしてしまった。ここ半月の仕事の内容は、絶対今月中に!!!!!という貸家退去のリフォームを中心にして、一般の襖と障子、畳が数件、それこなしながら、昼休みとか夜に見積もりに奔走するといった内容でした。加えて、農家もやっているので、日曜日には地区の排水路や用水路の清掃(田圃のなので一日がかり)に出たりもしてました。(幸い田圃のほうは、親父主体でやってくれているので、農繁期でも畳に打ち込めてます)来月に入って桜が咲き始めると、一般のお客さんからの注文が一気に入り始めます。毎年のことながら、今年の畳シーズンも、一軒一軒の現場に心を込めて携わっていこうと思う。
2006年03月27日
畳の裏返し。表替えから10年目位の畳だったのだが、付いていた畳表は縦糸が麻糸を使った中の上クラスの物。そこそこ良い表だったので、裏返ししないと勿体無い、という判断だったのだが…がーん。框(畳の脇の部分)の糸が劣化して、施工の段階で、ブツブツ切れるのである。畳表を張ることができない。何とか張っても縫うと逢着糸が食い込んで畳表が壊れてしまうという二重苦だ。これは麻糸をシングルで使用した畳表の欠点だ。湿気が多めの部屋で使うと風化してしまって、裏返しが困難になる。そんな理由で、この仕様の畳表はうちの定番には入れていない。結局、腐った框の畳表は、手刺ししたり、ガムテープ使ったり、ホットボンド使ったりアノ手コノ手で、だましだまし何とか使った…(写真はかなりキワドイ施工の1枚)20枚予定通り敷き込み6時完了でホッとした。裏返しした畳のツヤツヤの太麻表の綺麗なこと…お客さんも喜んでくれた。苦労したことは、説明メンドくさいし言っても専門的で難しいだろうから言わなかった…