インド人・あと1週間
わかどりのここでの仕事もあと1日となった。仕事に関しても、懸案だった未解決のサンプルの実験を本日終えて、あとは片づけをして出て行くばかりになった。来週からは、たっぷり残っている有給休暇を使って、満を持して就職活動をする予定・・・・だった。しかし、今日、夕イにいるボスから電話があり、なんと『来週も来て働いて欲しい。』と言う話しがあった。仕事の内容はほんとに些細なことなのだが、誰かがやらなければいけない仕事が残っているのだ。例えば、毎週植え継いでいかなければならない細胞だとか、研究室に届いたFAXや郵便の転送だとか、電話番だとか、、、、まあ言ってみれば、時給800円のバイトで十分に思えるような仕事である。でも、わかどり以外の研究室のメンバーは全員夕イに行ったっきりなので、わかどりが来て仕事をしなければ、細胞は死んでしまうし、ポストは郵便でいっぱいになってしまうのだ。しかし、そもそもわかどりなしではそんな状態になってしまうような職場設定が間違っているのであって、それはわかどりの責任ではないような気がする。わかどり的にはあまりやりたくないことだが、今回に限っては職場に対して、『義理を欠いた』ことをしなければならないかもしれない。自分が数週間後に雇用保険生活になってしまう危機を抱えたまま、そんなやっつけ仕事のために大切な就職のチャンスを逃してしまうわけにはいかないのである。自分が無職になってしまう可能性があるのにはじめに辞意を伝えたのは、中途半端なところで仕事を辞めて、迷惑をかけるような辞め方をしたくなかったからなのだ。それなのに、わかどり最初で最後のお願いとも言える『就職活動のための有給休暇』が却下とは何とも悲しすぎる。恐らく夕イにいるボスはわかどりの四月からの身の振り方なんかは、懸案事項の対象外なんだろと思う。所詮、契約社員は、機械のパーツの一部くらいにしか思われていないのだ。だとしたら、あとの雑用をせずに自分の身を守るために、ボスの意思に反して就職活動のため休んでしまったら、わかどりはボスにとって『壊れた機械のパーツ』なんだろうか・・・・?と、いうことでPost-docのわかどりの代わりに仕事をするために新しく採用が決まったPost-dogのトーマス君。(そんなはずはない・・・・)