『スロウハイツの神様 上・下』辻村深月
● 読書感想 ● 10年前、作家チヨダ・コーキの猟奇的なファンが小説を模倣した大量殺人を行った。これが原因で筆を折ったチヨダ・コーキ。だけど、ある新聞記事をきっかけに見事復活を遂げる。チヨダ・コーキを救ったのは新聞社へ送られた少女からの128通の手紙だった。そして事件から10年。『スロウハイツ』で穏やかに生活している日々は謎の少女加々美莉々亜の出現でゆっくりと変化し始める・・・『スロウハイツ』のオーナーで売れっ子脚本家・赤羽環。投稿を繰り返す漫画家の卵・狩野。映画制作会社で働く監督の卵・正義。正義の彼女で画家の卵のスー。環の高校時代からの親友・エンヤ。中高生から絶大な人気のある作家のチヨダ・コーキ。チヨダ・コーキを売り出した敏腕編集者の黒木。そして謎の少女莉々亜。この登場人物で物語の視点がいろいろ変わっていくんだけど、それが全然こんがらがらずにあっさり読めていっちゃう。最初は上下巻だし、実はこの作家の名前は初めて聞いたから借りるのをためらったんだけど借りて大正解!!すっかり世界に引き込まれちゃった。途中経過ももちろんいいんだけど、下巻の最終章が本当にすごくすごくいいっそういうことだったのか・・・と鳥肌たっちゃったもん。かなり好きになっちゃってこの方の別の本も早速借りちゃったいい本にめぐり合えるとほんと嬉しいよね辻村深月さんの本 design by sa-ku-ra*