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なき虫タイショーとワクラクな日々

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2008.02.18
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カテゴリ:テレビ・映画
今日は、TBSの「市川崑監督追悼企画番組」、
2006年に公開された『犬神家の一族』を観ました。
今回初めて観たのですが、映像はとてもきれいだなと思いましたけど、
やはり、1976年版の方がキャストが好きかもです。

以下、『八つ墓村』の新旧のキャストです。

両作品に同じ役で出演されていたのは、
金田一耕助役の石坂浩二さんと
「よ~し、わかった!」でお馴染みの署長役・加藤武さん。
そして、犬神家の重大な秘密を知る人物で、
那須神社の大山神官役を演じた大滝秀治さんです。

犬神佐兵衛(犬神財閥の創始者):三國連太郎さん→仲代達矢さん
 ※犯人が殺人を犯すときに、白黒の亡霊で現れるシーンが怖かったです。

犬神松子(佐兵衛の長女):高峰三枝子さん→富司純子さん
 ※富司さんもよかったのですが、
  やはり高峰さんに比べると風格が足りなかったように感じました。

 犬神佐清(松子の息子):あおい輝彦さん→尾上菊之助さん
 ※富司・菊之助さん親子の親子共演は、粋なキャスティングだと思いました。
  また、作中で登場する「斧・琴・菊」とは、
  歌舞伎の尾上菊五郎家に伝わる嘉言がモデルになっているそうです。

犬神竹子(佐兵衛の次女):三条美紀さん→松坂慶子さん
 ※三条美紀(現・三條美紀)さんは、
  松子の母・お園役で新作にも出演されていました。

 犬神寅之助(竹子の旦那):金田龍之介さん→岸部一徳さん
 犬神佐武 (竹子の息子):地井武男さん→葛山信吾さん
 犬神小夜子(竹子の娘) :川口晶さん→奥菜恵さん

犬神梅子(佐兵衛の三女):草笛光子さん→萬田久子さん
 ※草笛光子さんも新作で、松子の琴の師匠・香琴役で出演されていました。
  旧作では、岸田今日子さんが演じておられました。
   
 犬神幸吉(梅子の旦那):小林昭二さん→蛍雪次朗さん
 犬神佐智(梅子の息子):川口恒さん→池内万作さん

野々宮珠世(大弐の孫。実は、、、):島田陽子さん→松嶋菜々子さん

猿蔵(珠世の世話役):寺田稔さん→永澤俊矢さん

古舘弁護士(犬神家の顧問弁護士):小沢栄太郎さん→中村敦夫さん

藤崎鑑識課員(佐清の手形を鑑定):三谷昇さん→石倉三郎さん
 ※刑事役は、新作では尾藤イサオさん。
  旧作では、角川春樹さんが出演されていたのですね。
  気がつきませんでした。(笑)

金田一が宿泊した那須ホテルの主人:横溝正史さん→三谷幸喜さん
 ※三谷さんが登場したときは、ちょっと笑ってしまいました。
  あそこは、旅館じゃなくてホテルなんですね。(笑)
     
 那須ホテルの女中・はる:坂口良子さん→深田恭子さん

謎の復員兵が宿泊した宿、
柏屋亭主の久平:三木のり平さん→林家木久蔵(現・木久扇)さん
 ※三木さんのひょうひょうとした演技が懐かしいです。
  
 久平の女房:新作では中村玉緒さん


事件は、犬神財閥の創始者、犬神佐兵衛が病気で亡くなったことから始まります。
佐兵衛の遺言書は、犬神家の顧問弁護士である古舘が保管していました。
しかし、その遺言書を古舘の助手・若林が盗み見てしまいます。
その内容は驚くべきものでした。
「人が死ぬかもしれない」そう思った若林は、
名探偵・金田一耕助に、事の真相を調べて欲しいと依頼したのでした。

しかし、若林は金田一に会う前に、毒殺されてしまいます。
そして、犬神家の遺産を廻り、次々と人が殺されていきます。

この物語は、、、
犬神佐兵衛の心の歪みからすべてが始まっているように思います。

放浪の孤児であった佐兵衛を救ってくれたのが、
信州那須神社の神官、野々宮大弐でした。
しかし、佐兵衛は大弐の妻、晴世を愛してしまいます。
そして、、、。

その後、佐兵衛はその満たされない想いをうめるモノ、
お金と権力を求めていきます。
また、正妻は持たず、複数の愛人を囲い、
愛人との間にできた子供は、犬神家で育てられました。
愛人たちは追い出されたのか、それとも逃げたのでしょうか?。
腹違いの3姉妹は、無論、佐兵衛から愛されることはなかったと思います。
3姉妹も、父親の愛情より、父親の権力や遺産に執着していったのでした。

そんなとき、3姉妹よりも年齢の若い、父親の愛人・青沼菊乃に、
佐兵衛にとっては、初めての息子・静馬が生まれました。
佐兵衛は、とてもこの親子のことを愛していたのでしょう、
相続権を示す犬神家の家宝「斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)」の三つを
青沼親子に与えてしまいます。

それを知った3姉妹は、菊乃を痛めつけ、「斧・琴・菊」の家宝を略奪します。
その後、青沼親子は佐兵衛の前から姿を消しました。
そして、静馬が9歳の頃、母・菊乃は犬神家を呪いながら、
病気で亡くなりました。

その後、佐兵衛は、恩人の野々宮大弐の孫である野々宮珠世を
犬神家へ住まわせ、溺愛します。
たぶん、この頃から佐兵衛は、3姉妹への復讐を考えていたのかもしれません。

愛を欲する者は、愛でないと満たされないのでしょうね。
地位やお金、物では、本当に満たされることはないのでしょう。
佐兵衛も3姉妹も似た者同士ということですね。

最後に、市川崑監督の言葉です。

 映画は所詮、光と影だと思います。
  光と影がドラマなのです。
   その光と影は、尽きはてることのない永遠のものだと思います。

                             
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Last updated  2008.02.19 22:00:53
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