567303 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

WALNUT BISCUIT

WALNUT BISCUIT

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カレンダー

カテゴリ

April 16, 2008
XML

 

ここ数年でもっともお気に入りの作家、伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」

発行と同時に予約を入れて、5ヶ月待ちました。。。 お気になのに、図書館!!(笑

 

丁度手元に届いたら、伊坂さん本屋大賞受賞のニュース♪♪

心からおめでとうです。

 

ここ数年、毎年エントリーされていて、とっくに受賞していて当然だと思ってました。。

スンゴク個人的には、芥川賞や直木賞より、本屋大賞の方が今や重みがありますの。

 

あ、肝心の本の感想。。笑

 

いつもながらの伊坂節。。。

心にずっしり残り、尚且つクスリと笑わせる洒脱な会話、随所に張られた伏線、

過去と未来が錯綜し、最後に一箇所に修練されていく物語の見事さ。。

所々でグッと来て、ウルッとやられる。。。

 

ゴールデンスランバーは、今までの作品からの流れを感じると同時に、

未だかつてない、異質な雰囲気も感じる作品で。。

 

最初のうちは、正直読み進めるのが精神的にしんどくて。

 

カフカ的な悪夢の中に、迷い込んだような物語。

 

個人の力ではどうしようもない、巨大な力。 

権力と簡単に名付けるとこも出来ないような、不気味な力。

 

4部に入って、青柳が如何に生き延びていくのかが描かれる辺りから、

あぁ、こういう方法があったのか、、、と唸らされるのだけれど。

まぁ、冷静に考えれば、ご都合主義ともいえなくもない展開でもあるけれど、

そこが井坂の凄さ! 

単に辻褄が合うだけでなく、キャラクターの人間性、魅力によって、それも「あり」になるのよ。

毎回すんごく惹きつけられるキャラが、今回も大勢いて、青柳のお父さんや、

樋口晴子(彼女の夫も良い味だしてる、あ、もちろん七美ちゃんもね)、カズに轟社長、

ロック岩崎に保土ヶ谷さんも。。。って書いてると、殆ど味方全員じゃない!。(>_< )。

 

ただ、森田の存在は結構キツかった。。というか、結末が切ない。。

「森の声」 いかにも、伊坂の小説に出てきそうなせりふ。。

森田はキーマンなのに、いきなりここで!! 今回はかなりハードだよ。

 

で、今回私が一番違和感を抱いたのが、キルオの存在。

 

彼の行動や、シニカルでかっちょ良い台詞は、今までの伊坂作品の、

ちょっとアウトロー的な存在に通じるものがあるのだけれど、

無差別殺人。。。という点に、どうしても馴染めなかった。

 伊坂の作品は社会へのアンチテーゼのような犯罪者が登場する事が多いけれど、

どこかでキッチリと倫理観を持って行動してたりする訳で。。。

ま、だからキルオの最後をあんな風に描いたのでもあるのだろうな。

 

 

 

で、結末は、、、  

これってどうなんだろう。。。?

これでめでたしめでたし・・? 私には、納得しがたい気分。

 

ある意味、権力から奪われっぱなし、とも思え。。。

出し抜いて、逃げおおせた点は天晴れであるけれど。

 

ま、その点はやっぱり、「大変よく出来ました」◎

 

で、3部を読み直すと。。。

 

ふ~ん、ちょっとニヤリ。。

 

青柳、まだまだ、戦っているのか。。。

やっぱり伊坂幸太郎、恐るべし!!

 

ちょっと早くも、次回作が待ち遠しい気分。。

 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  April 21, 2008 12:45:40 AM
コメント(4) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X