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ここ数年でもっともお気に入りの作家、伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」 発行と同時に予約を入れて、5ヶ月待ちました。。。 お気になのに、図書館!!(笑
丁度手元に届いたら、伊坂さん本屋大賞受賞のニュース♪♪ 心からおめでとうです。
ここ数年、毎年エントリーされていて、とっくに受賞していて当然だと思ってました。。 スンゴク個人的には、芥川賞や直木賞より、本屋大賞の方が今や重みがありますの。
あ、肝心の本の感想。。笑
いつもながらの伊坂節。。。 心にずっしり残り、尚且つクスリと笑わせる洒脱な会話、随所に張られた伏線、 過去と未来が錯綜し、最後に一箇所に修練されていく物語の見事さ。。 所々でグッと来て、ウルッとやられる。。。
ゴールデンスランバーは、今までの作品からの流れを感じると同時に、 未だかつてない、異質な雰囲気も感じる作品で。。
最初のうちは、正直読み進めるのが精神的にしんどくて。
カフカ的な悪夢の中に、迷い込んだような物語。
個人の力ではどうしようもない、巨大な力。 権力と簡単に名付けるとこも出来ないような、不気味な力。
4部に入って、青柳が如何に生き延びていくのかが描かれる辺りから、 あぁ、こういう方法があったのか、、、と唸らされるのだけれど。 まぁ、冷静に考えれば、ご都合主義ともいえなくもない展開でもあるけれど、 そこが井坂の凄さ! 単に辻褄が合うだけでなく、キャラクターの人間性、魅力によって、それも「あり」になるのよ。 毎回すんごく惹きつけられるキャラが、今回も大勢いて、青柳のお父さんや、 樋口晴子(彼女の夫も良い味だしてる、あ、もちろん七美ちゃんもね)、カズに轟社長、 ロック岩崎に保土ヶ谷さんも。。。って書いてると、殆ど味方全員じゃない!。(>_< )。
ただ、森田の存在は結構キツかった。。というか、結末が切ない。。 「森の声」 いかにも、伊坂の小説に出てきそうなせりふ。。 森田はキーマンなのに、いきなりここで!! 今回はかなりハードだよ。
で、今回私が一番違和感を抱いたのが、キルオの存在。
彼の行動や、シニカルでかっちょ良い台詞は、今までの伊坂作品の、 ちょっとアウトロー的な存在に通じるものがあるのだけれど、 無差別殺人。。。という点に、どうしても馴染めなかった。 伊坂の作品は社会へのアンチテーゼのような犯罪者が登場する事が多いけれど、 どこかでキッチリと倫理観を持って行動してたりする訳で。。。 ま、だからキルオの最後をあんな風に描いたのでもあるのだろうな。
で、結末は、、、 これってどうなんだろう。。。? これでめでたしめでたし・・? 私には、納得しがたい気分。
ある意味、権力から奪われっぱなし、とも思え。。。 出し抜いて、逃げおおせた点は天晴れであるけれど。
ま、その点はやっぱり、「大変よく出来ました」◎
で、3部を読み直すと。。。
ふ~ん、ちょっとニヤリ。。
青柳、まだまだ、戦っているのか。。。 やっぱり伊坂幸太郎、恐るべし!!
ちょっと早くも、次回作が待ち遠しい気分。。
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