生理中のセックス
あきちゃんの「生理中のセックスは」という記事を見て昔書きかけた小説のクライマックスを思い出したのでメモ帳から抜書きしてみる。全然意識なんかしていないんだけど、思考事態がやっぱ太宰になんとなく似てる。かなり破滅主義的な感じかも。彼女は、彼がちゃんと避妊しないで何度も続けてセックスするのは彼はできたらちゃんと考えるって思ってくれてると思いたかった。でも出来ちゃったら進展するかもという期待と冒険心も確かにあった。何度もそんなセックスを繰り返すうちに彼女は妊娠した。もちろん彼女は彼と付き合いだしてからは彼としかセックスしてないわけで当然お腹の子は彼の子だった。でも彼女は思った。(追い詰められない状況で自分を選んでくれないと意味が無い)と。それで、彼の心を試すことにした。「もし(こどもが)できたらどうする?」『・・・・・・。』『もしそのときにはちゃんと考えるさ』『勿論君の事愛してるし欲しいとも思うさ』喜んだのはつかの間、一瞬の沈黙の後、彼はすぐに続けた。『でもその道は地獄だよ。それに、今できてる訳じゃないし、 自分はこどもがいるし、妻はどうでも良くてもこどもは別だ!」(知らないからそうなったらちゃんと考えるって架空の事だから 大見得切ったような勢いで言ってるけど、でも本音は 随分長いこと「保留」なんて言いながら結局は面倒ごとは嫌だってことなんだな。)(もう自分には子供はいるからそんなこと言えるんだ・・・)そう彼女は悟った。こどもはおろすことにした。この人の子供をひとりでも生んで育てるなんて気にはなれないとそのとき彼女はそう思った。そして別れを決めた。堕胎の手術をし、でもその後もう1度だけ彼女は彼は会いたいと思った。そんな彼女の気持ちなんか知らずに、しかしもう手を出してはいけないんだと思いながらも彼の欲望は止まらない。「お口でしてあげる」彼女は彼を誘ってわざと途中で止めた。苦しんでる顔が見たいのとまだ好きだから誘われたいのとその両方の理由が行動をそこで止めたのだ。彼女は、堕胎で出血していたのを彼には生理と伝えていた。男はセックスしたくてでも、もう自分は彼女の気持ちには応えられなくて別れを突きつけられたんだし、もうこんなことはしてはいけない・・・と苦しそうな顔をしてる男を見て彼女にはまたふたつの感情が沸いてきた。なんだかそんな彼に復讐したくなったのと、まだほんとは別れたくないというあふれる気持ち。そのふたつの気持ちに押されるように彼女は彼を誘った。「私もしたい。ここじゃ嫌だからホテルに行こう・・」。血だらけのセックス。本当は生理なんかじゃない。彼と自分の子供を未来をはがし落として流れている血、何も知らずにその血でふたり血だらけになってセックスをする彼の顔をみたらそうしたら別れられる気がしたのだ。最後かもしれないセックスに思いを込めようとしてる彼の何も知らない情け無い切ない顔で必死に動くのを正常位で冷めた目で見ていると段々彼女は何も感じなくなって彼への気持ちが自分の中で完全に死んでいくのが分かった。