いまどきの女子高生
先日 電車に乗っていると 女子高生風のオンナのコがふたり目の前の座席でオシャベリを楽しんでいた。「あのセンセの授業 眠くね?」「超ウケる~」お笑い芸人のひとり芝居そのまんまの会話が超ウケるんですけどとある駅で とつぜん電車の扉が開いたままになった。急行の通過駅でもないのになにかあったのかなと思っていると 「ただいま 車内でご気分の悪いお客様がいらっしゃいます。このまましばらくお待ちください。」と車内アナウンス。しばらくするとリュックを背負ったガタイのいい青年が車両の中を小走りに移動しワタシたちの前を通り過ぎて行った。前の席の柳原可奈子たちが「ね、あれ医者?医者だったりする?」「ありゃ医者じゃないっしょ。」クスクスと笑い始めた。箸が転がっても笑う年頃とはいえ気分の悪いヒトがいるというのに不謹慎やなぁでも確かに医者というよりファイト一発系でどっちかというと救急隊員な青年は隣の車両まで歩いていったがまたすぐに戻ってきた。その後も今度は本当にお医者さんのような線の細い中年男性が「今度こそ医者だ。医者登場。」「ホントあれこそ医者って感じだー」という女子高生の声の前を颯爽と通り過ぎて行ったりしたがどうやら生死に係わるような緊急性はなく隣の車両で嘔吐した乗客がいたようでその後のアナウンスはないまま電車はふたたび動き出した。 とりあえずおおごとでなくてよかった。ワタシはその日 特に急いではなかったが電車にはかなりの遅れが発生し困惑した乗客も大勢いだだろう。しかし 文句を言い出す者もなくみんな黙って静かに座っていた。女子高生たちも電車の遅れに不満を言うわけでなく「遅れたんだし しゃーねー」という感じで手鏡を取り出しクチを大きくあんぐりと開けて分厚いまつ毛の手入れを再開していた。そこへ やっとこさ車掌の声で車内アナウンス。「次の駅で、体調の悪いお客様を搬送する用意ができております。もしよろしければ次の駅まで横になっていてください。」乗客全員 コケそうになった。「ぎゃははははっ!! 個人向けアナウンス!」このツッコミは 正解 彼女たちはふたり並んで茶色と黒の靴を片方ずつ履いて座っていた。新しい友情の証なんだろうか。オバチャンにはわからん世界である。←微笑ましいアナウンスにクリック。