カテゴリ:essay
天皇家と黒田家の婚姻を放映する長いニュースにはあきれてしまった。それにしても石原のわけのわからぬスピーチは失礼なのではないか。賭けとか配当とかいうのは結婚式では禁句だろう。また例によってとても下品である。だれも二人のセレブの婚姻からどんな配当も期待していない、これだけは確かだ。ほっといてやればいいじゃないか。長々しい報道と、舌をかみそうなたどたどしさでなれぬ敬語を頻発するアナウンサーたちの喜劇。都庁の幹部連中も招待されていたが、この連中はちゃんと休暇をとったのだろうね。それを調べたい。今朝は都労連の、賃金システムの改悪に対するストが予定されていたが、それは中止だった。どうしてか?こういうめでたいときになどというような要素などがまさか入っているのではないでしょうね。大幅な賃金カットで生活は苦しくなるばかりなのに、……。
寒い一日だった。通勤の電車の中で、昨日届いたYo-Yo Ma、Edgar Meyer, Mark O’connorたちのcdの解説書を読む。とてもおもしろい。新作が多いのだが、アメリカのMidwestに潜むフォークソングの伝統を生き生きと受けつぎつつ、全く新たな21世紀の音楽に作り変えようとする野心的な試みである。そういう感じで書いてあったし、ぼくも今また聴きながら確かめている。今、彼らが招いたゲストのAlison Kraussが優しさあふれる声でFosterの名曲Slumber My Darlingを歌っている、それにからむMark O’connorのフィドルの響き、それを見守るMaの声量豊かなチェロの響き、なんて素敵なんだろう。 SLUMBER MY DARLING Stephen C. Foster Slumber my darling, thy mother is near Guarding thy dreams from all terror and fear. Sunlight has past and the twilight has gone, Slumber my darling, the night’s coming on. Sweet vision attend thy sleep, Fondest, dearest to me, While others their revels keep, I will watch over thee. Slumber my darling, the birds are at rest, Wandering dews by the flowers are caressed, Slumber my darling, I’ll wrap thee up warm, And pray that the angels will shield thee from harm. こういう音楽を、子守唄を聴いて育つことができたなら、誰も人を殺したりしようとは思わないだろう。こうやって命は命に受け継がれるはずだが、たぶんそれには皇后も、われわれ下々の母親も変わりなく、こういう思いで自らの子供を見守ってきたことだろうが、なんとしても「めでたし、めでたし」で終わらないのが、上つ方と異なる「人の世の、人の子と親、人の子と人の子」の関係でもあるようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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